【小説】神社の娘(第4話 橘平、吐きそうになる)
橘平は土曜日の事で頭も心もいっぱいだった。
彼らに会うのが待ち遠しいのか、彼らの秘密を知ることにドキドキするのか。期待と不安が入り混じり、自分でもはっきりしなかった。
授業中も上の空で、先生の話なぞ右から左、注意されても「はあ、はい」、体育では頭にボールが当たる。
そんな一週間だった。
この村では小学校から高校まで村立のものがあり、村の子供は全員そこに通う。18歳まで顔ぶれは変わらず、全員幼馴染と言って間違いない。その幼馴染たちは、橘平の心あらずな様子に「初恋か?」