【小説】神社の娘(第26話 向日葵、秋田犬と闘う)
野生動物対策課は、朝からてんてこまいだった。
続々と妖物が出現し、感知器課長こと二宮公英は、続々と「感知」してしまう自身の妖物センサーに辟易していた。
公英は現場には絶対出ない真の裏方能力者で、人をちょっと小ばかにしたような発言や人の気持ちを無視しがち、子育てには参加してこなかった姿勢から、部下たちに煙たがられている。
定時には帰り、休日出勤もなるべくしない面も、孤立を加速させる。
ただ、それには理由があった。彼も非常に高い能力を持つ者として、悩みを抱えてい