【小説】神社の娘(第17話 距離感が分からないのはお互いさまです)
『妖物出たから。俺の感覚だとそんな強くなさそうだからさ、ひまちゃんでも大丈夫っしょ。パートナー葵くんね。そこにいるでしょ?よろしく』
〈感知器おじさん〉からの電話の内容はこうだった。
橘平のおかげで少しすっきりしたとはいえ、まだ葵と二人きりは気まずい。よりによって、であった。あと感知器はいちいち余計な事しか言わないことに向日葵は腹が立った。
大丈夫っしょ、って何さ。
これには経緯がある。葵の電話はこうだった。
『西地域の山に妖物でたから行ってほしいんだけど、他