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自分で選んだものしか好きになれない

 もう大人なのに、世の中はわからないことばかりだ。というよりむしろ、わからないことがどんどん増えているような気すらする。

 たとえば、親について。
 親は大切だ。大切にしなければならない。わかっているし、実際お世話になっているし、感謝しなければならない。

 でも、どうしても好きになれなくて、どうしても距離を置きたくなってしまう。なんてひどい娘なんだろうと自分でも思う。町で仲良しな親子を見かけると、不思議な気持ちにもなる。

 世間は親不孝と言うのかもしれないけれど、私は、好きなように生きたい。結婚も孫も、ひとつも催促されたくない。

 この世の中で生きているだけで満点としたいのに、安定した仕事や、家庭を持つことを求められるなんて勘弁してほしいのだ。親を傷つけずに生きることはできても、親を喜ばせるためには生きられない。

  幸せに生きるしかないのだ。産んでくれてありがとうと思えるようになるには、それしかないと思う。

 自分で選んだものしか好きになれない。人生で選べないことって死ぬタイミングと、親くらいじゃないだろうか。無理して好きになろうとするよりも、好きになれなくても仕方ないと、割り切って付き合っていくのが、案外いいのかもしれない。


美味しいごはんが食べたいです