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【24時間検証配信】千代浦蝶美さんの縦型配信から見えたYoutubeチャンネル登録者数増加への糸口


縦型配信による24時間検証企画

1.24時間配信企画

 2023年12月9日(土)~10日(日)にかけ、検証配信と題し今話題の縦型配信による24時間配信企画が行われた。
 検証配信を実施したのはVTuber事務所あおぎり高校に所属する千代浦蝶美さん。雑談や同事務所所属メンバーとの通話を交えながらほぼ24時間歌い続け、披露した曲数は100曲以上という何ともエキサイティングな企画は1日でYoutubeチャンネル登録者数を約7,200人増加させるという成果を成し遂げた。

 本稿は縦型配信の有用性について発信することが目的ですが、集計は千代浦蝶美さんが魂を込めて実施した検証企画を参考としていること、また筆者が独自で集計した内容であることから、今後記事が非公開となる可能性があることをご留意ください。

2.縦型配信の要点

 今回のテーマとなる縦型配信について要点を整理しておく。
 縦型配信は従来のパソコンやテレビ等のデバイスに適した画角ではなく、スマートフォンの縦画面に対応した配信だ。
 Youtube上では従来から縦型配信機能が実装されていたが、その潜在性が注目を浴び始めたのは12月から。

 通常の横画面による配信はホーム画面のオススメに表示されるか検索機能を用いて配信に辿り着くのが一般的であるが、縦型配信はShort動画のフィードに表示される。
 Short動画は短尺動画のためタイムパフォーマンスに優れ、次の動画に遷移するにも画面をスワイプするだけという手軽さが若者世代を中心に好評を得ている。更にShort動画のフィードは言語設定に左右されず、海外ユーザーにも配信が届きやすいとの噂がある。

 縦型配信は従来獲得できなかった視聴者層にアプローチすることでチャンネル登録者数増加に寄与することが期待されることから注目を集めているのだ。
 縦型配信に関する考察は先日投稿したコラムで取り上げているためお読み取りいただきたい。


24時間検証配信の考察

1.検証配信の概要

実施期間:2023年12月9日(土)17時50分 ~ 12月10日(日)18時55分
検証配信:【#歌枠/24時間検証】縦型配信で24時間配信したら何人チャンネル登録者数伸びるか検証してみた(Part.1,Part.2,Part.3,Part.4,Part.5)



2.検証配信Part.1〈12月9日17:50~12月10日3:30〉


筆者集計

 1枠目におけるチャンネル登録者数は計約2,150人増加、時間帯別の増加数は約100人~約700人の間で推移。全体を通して同時接続者数は約1,000人を確保していた。
 1分あたりの同接変動数(min変動数)は12/9の値が多く、Shortフィードに載っていた効果が大きいものと思われる。12/10の深夜帯はShort動画を視聴するユーザーが減少し変動数も落ち着きをみせたものと推定。
 海外では、アメリカ時間(EST)は金曜4時~14時であるため来訪者は限定的であったと推定。一方ロンドン時間(GMT)は土曜9時~19時であったため欧州圏から訪れた人もいたかもしれない。

筆者集計


3.検証配信Part.2〈12月10日4:00~7:00〉

筆者集計

 2枠目におけるチャンネル登録者数は計約900人増加、時間帯別の増加数は約250人~約350人の間で推移。全体を通して同時接続者数は約600人~800人を確保していた。
 1分あたりの同接変動数(min変動数)は1枠目終盤よりも増加傾向にあった。朝になりShortフィードの視聴者が増加したほか、新枠の影響や海外ユーザーの流入と推定。
 アメリカ時間(EST)は金曜14時~17時。ロンドン時間(GMT)は土曜19時~22時であり、英語でのコメントも見受けられたため海外から一定の流入が生じた可能性がある。

筆者集計


4.検証配信Part.3〈12月10日7:00~11:30〉

筆者集計

 3枠目におけるチャンネル登録者数は計約1,100人増加、時間帯別の増加数は約100人~約300人の間で推移。全体を通して同時接続者数は約600人~900人を確保していた。
 1分あたりの同接変動数(min変動数)は徐々に激しくなる。Shortフィードの視聴者が増加したほか、英語に加えスペイン語のコメントが見受けられたため英語圏以外の海外ユーザーも流入したと推定。
 アメリカ時間(EST)は金曜17時~22時となり海外の本命アメリカ大陸がゴールデンタイムを迎える。一方ロンドン時間(GMT)は土曜22時~土曜3時と深い時間へ突入したため欧州からの来訪者は減少傾向となっていたかもしれない。

筆者集計


5.検証配信Part.4〈12月10日11:50~15:00〉

筆者集計

 4枠目におけるチャンネル登録者数は計約1,250人増加、時間帯別の増加数は約200人~約650人の間で推移。全体を通して同時接続者数は約1,000人を確保していた。
 12-13時に新規チャンネル登録者が大幅に増加する。昼食時となりYoutubeを開くユーザーが増えたのかもしれない。1分あたりの同接変動数(min変動数)も増加。お昼時は伸びやすい傾向にあるのだろうか。
 アメリカ時間(EST)が金曜22時~土曜1時となりアメリカ大陸からの流入が増えた可能性もある。ロンドン時間(GMT)は土曜3時~土曜6時であるため引き続き欧州からの流入は少ないと見込む。

筆者集計


6.検証配信Part.5〈12月10日15:00~18:55〉

筆者集計

 最後の5枠目はチャンネル登録者数が計約1,800人増加、時間帯別の増加数は約450人~約700人の間で推移。全体を通して同時接続者数は約1,000人~1,100人を確保していた。
 15-16時に新規チャンネル登録者が大幅に増加と、その後も約500人前後の視聴者がコンスタントに登録。1分あたりの同接変動数(min変動数)も推移が激しかったことから、Shortフィードからの流入が増加したと予想。外出から戻り一段落したタイミングで配信に辿り着くユーザーが多かったのかもしれない。
 アメリカ時間(EST)は土曜1時~5時となりおやすみの時間。ロンドン時間(GMT)は土曜6時~土曜10時となり朝に強い人たちが配信に訪れたかもしれない。

筆者集計

まとめ

筆者集計

 全体の傾向を見ると、やはり日本のユーザーがメイン層となるため日本人がアクティブに活動をする時間帯が最も新規チャンネル登録者数が多くなる。均一な配信状態を維持するのは困難なため一概には言えないが、縦型配信においても夕方から夜間が最も登録者を伸ばしやすく、朝方や昼間帯も一定のユーザーが配信に訪れる傾向となっているだろう。
 また深夜帯においてもコンスタントにチャンネルへの来訪者がいることから、海外ユーザーが一定程度寄与している可能性がある。

筆者集計

 一方、通常の横型配信と異なるのは同接者数の変化が激しいことだ。1分間で約50人~200人程度の変動があるが、通常の横型配信ではこのような状況は稀であり、Short動画フィードからの流入を示唆している。配信のコメントにもShortから訪れたという声が多数上がっていたこと、またすべての時間帯において一定の纏まった変動が生じていたことから、改めてShort動画フィードの重要性が窺える

 本企画配信で増加した新規チャンネル登録者数は約7,200人。配信開始前のチャンネル登録者数が約128,900人であったことから、約5.6%の登録者を1日で増やしたことになる。


 果敢なチャレンジにより24時間の検証配信をやり遂げた彼女は、間違いなくVTuber縦型LIVE配信のパイオニアの1人となったであろう。彼女の挑戦に敬意を表し、本稿が縦型配信の有用性を広く示す一助になれば幸いだ。


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