#086 お盆のはじまり物語と過ごし方ご提案と十善戒+note追記は無財の七施
もうすぐ盂蘭盆会・お盆ですね。
「お盆休み」クリスチャンの方や、多分、他の宗教の方も、
お盆休みって言われていることはどう思うのかな?と
いつも思います。
すごい浸透の仕方、
元々、祖霊信仰が元々あったからかな、と思ったりします。
7月のお盆や旧暦でのお盆と言う方もいらっしゃるでしょうが
今日は、間もなくにせまったという意味でお盆が
はじまったきっかけのお話をします。
目犍連さんのお話
ご存じの方も多いと思いますが
そもそもこのお盆、
お釈迦様の十大弟子の一人である目連(もくれん)さん
目犍連さんというのですが
この方のお話から来ています。
わたしこの目犍連さん大好きなんですが、
まじめな方で修業のすえ、
すごい神通力の持ち主になりました。
その目犍連さん
お母さんが亡くなりました。
神通力であの世まで見通せる目犍連さんなので
亡くなったお母さんがどうしているかなと思って
覗いてみたら、もうびっくりです。
なんとお母さんは、飢鬼道におちていました。
お母さんは餓鬼道で、逆さ吊りにされて、
常に飢えと渇きに苦しんでいました。
実は目犍連さんのお母さんは
わが子がかわいかったのでしょう。
目犍連さんだけに、たくさんの食べ物を盛って、
他の僧には何もお布施をしないというようなことがあったそうです。
まあ、我が子にたくさん食べさせたいと思ったんでしょうが
他の人にも、もう少し何かしてあげていたらよかったのかもしれません。
しかしこれが、十善の教えというものに反していたのでした。
不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不綺語・
不悪口・不両舌・不貪欲・不瞋恚・不邪見
というものがあります。
またあとで触れますが
その中の、慳貪(けんどん=物を惜しむ欲が深いという罪)
を犯していたそうです。
音声配信はこちらです
そこで何とかしたい目犍連さんは、
神通力で飲み物や食べ物を届けようとしますが
お母さんの目の前でぱっと消えてしまうので
お母さんは、なおさら辛くなるばかりです。
そこで目犍連さんは
お釈迦様に相談をしました。
お釈迦様が説いたことと盆踊り
お釈迦様は、
「7月15日に90日間の夏前の修行(安居)を
終えた修行僧たちが集まるので、
そこでたくさんの布施をしなさい、ご馳走をふるまい供養しなさい」
と説かれました。
そして目犍連さんは、それを実践しました。
するとその供養の最中に
お母さんは餓鬼道から極楽往生(一部では天上界とも)に
登ったと言われています。
そこで目犍連さんたちが踊り上がって喜んだそうです。
それが盆踊りの始まりだそうです。
と、30年以上も前になりますか
法事があったお寺さんでいただいた
ご本に書いてありました。
👇とヘッダーは、沖縄の念仏踊り:エイサーの
道じゅねー(練り歩き)です。
本当はお盆は何をしたらいいのか
さらにお釈迦様は、
「7月15日に色々食べ物などをお盆にもって、
たくさんの人に差し出して供養すれば、
その功徳で先祖様も苦しみから救われ
いま生きている人も幸せになれる」と
仰ったようです。
これがお盆の始まりのお話です。
そこでです、だったらこれだというならば、
「本当は、亡くなった方をお帰りなさいと
もてなすだけではなくて、
他の方にも何かして差し上げる
ということではないのかな?」って思うのです。
何か具体的なことができないとしても
例えば
和顔施(わがんせ)とかを意識してみるのはどうでしょう。
いつも和やかに笑顔で人と接するなら、
それだけで周囲を幸せにしますから、
お布施ですということです。
ですからせめて、それくらいのことはお
盆の間中、心がけていたいと思います。
十善戒の表現をかえた智積院さん
そしてさっき少し触れました
十善戒というもの「10の禁止」と言ってもいいのかもしれません。
なぜなら全部に「不」という文字がついているからです。
しかしたまたま最近、知ったのですが、
この打消しの「不」がついている十善戒を
京都の真言宗智積院(ちしゃくいん)さんが
言い換えていらっしゃいました。
それはこのようなものでした。
・不殺生(ふせっしょう)= むやみに生き物を傷つけない
⇒ あらゆる生命を尊重しよう
・不偸盗(ふちゅうとう)= ものを盗まない
⇒ 他人の物を尊重しよう
・不邪婬(ふじゃいん)= 男女の道を乱さない
⇒ お互いを尊敬し合おう
・不妄語(ふもうご)= うそをつかない
⇒ 正直に話そう
・不綺語(ふきご)= 無意味なおしゃべりをしない
⇒ よく考えて話そう
・不悪口(ふあっく)= 乱暴なことばを使わない
⇒ 優しい言葉をつかおう
・不両舌(ふりょうぜつ)= 筋の通らないことを言わない
⇒ 思いやりのある言葉をはなそう
・不慳貪(ふけんどん)= 欲深いことをしない
⇒ 惜しみなく施しをしよう
・不瞋恚(ふしんに)= イライラしたり怒らないこと
⇒ にこやかに暮らそう
・不邪見(ふじゃけん)= 間違った見方、邪推や偏見をしない
⇒ 正しく判断しよう
そしてこの十善戒という呼び方さえ
「日々の暮らしの中で心掛けたい10の項目」
といいかえています。
これは素晴らしいと思いました。
日常に卸してくれているような、
とても身近なものにしてくれた感じがしました。
そして、否定形でいわれるより、
はやり「こうしようよ」「これがいいんじゃない?」
という肯定の言葉の方が心地よいし
心掛けたいと思うなとつくづく感じるのでした。
ということで最後は十善戒の話になってしまいましたが
今日はお盆の物語でした。
音声配信未収録noteだけ追記
そしてここからは未収録の補足です。
さきに和顔施の話をいたしましたが
これも有名なものではありますが、
これについて記しておきます。
無財の七施(むざいのしちせ)というものの1つです
全部をあげておきます。
1. 眼施(げんせ)やさしいまなざしで人に接する
相手を思いやる心で見つめると自然にやさしい眼差しとなります。
2. 和顔施(わがんせ)にこやかな顔で接する
笑顔、和やかな顔でいれば相手も幸せな気持ちになり、笑顔が広がります。
3. 言辞施(ごんじせ)やさしい言葉で接する
相手を思いやり優しい言葉遣いや、感謝の言葉や挨拶をこころがける。
でも厳しくするときには愛情を持った言葉で叱る。
4. 身施(しんせ)自分の身体でできることを奉仕する
困っている人を助けるなど、自分の身をもって実行することです。
荷物を運んであげるというようなことでもいいでしょう。
5. 心施(しんせ)他のために心をくばる
慈悲の心、思いやりの心。他者の喜びや悲しみ、痛みを察したり、
共有し、思いやりの心を持つこと。
6. 床座施(しょうざせ)席や地位、場所を譲る
独り占めはせずに、譲り合う心。文字通り、電車やバスなどで年長者などに席を譲るという行為も含まれるでしょう。
7. 房舎施(ぼうじゃせ)自分の家や部屋を提供する
雨露しのぎの場、人を家に泊めたり、休む場所を提供したりすること。
おもてなしの心を持つこと。四国のお遍路さんをもてなす「お接待」
などもこれに当たるかもしれません。
これらの、どれか一つはできるかもしれません。
にこやかに
こんなご時世ですから、安全に
亡くなった人や見えない物に心を馳せながら
お盆の期間中、せめて笑顔と優しいまなざしで
ゆったり過ごしたいと思います。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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