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お遍路記録⑧日の出の御厨人窟ミラクルと24番札所

四国八十八箇所お遍路を回った時の個人的記録
今日は第8回目です。

前回は急遽3人旅になり
夕方、室戸岬につきました、と言う所まで。
今日は、御厨人窟での嬉しい出来事のお話です。
よかったらおつきあいください。

さて前回、夕方5時半に室戸岬につきまして、
民宿の前の浜で大喜びのジオパーク、
岩を登って写真を撮ったりして遊び、
その時の1枚がわたしのstandfmでのアイコンです
と言う所まででした。

今回はその翌朝のことです。
前回の記事はこちら

前回の音声配信はこちら

だるま朝日の出会い

朝食は6時半でした。
チェックアウトをする前に
日の出の時間にあわせて御厨人窟(みくろど)へ
向かった我々一行でした。

宿の前は国道55号線
海沿いの国道を歩いて10分ほど、
前日来た方向に戻るかたちになりますが
そこに念願の御厨人窟があり、
その裏には坂道が続き、登った先には
第24番札所最御崎寺があります。
荷物は宿においたまま
身軽なままで納経まですませて、
その後チェックアウトをしようというプランでした。

国道55号線

少し説明しますとこの御厨人窟は平安時代に、
若き弘法大師が悟りを開いたといわれる洞窟です。

大きな岩肌にふたつ洞窟がならんでいるのですが
元々は、もっと波打ち際にあり、
海に削られた洞窟だそうです。

ただ、主に修行場だったのは向かって右側の
「神明窟(しんめいくつ)」と言われます。
ただ、こっちは入れなくなっていますので
御厨人窟だけ体感させてもらいます。

この写真の正面は神明窟
こちらが御厨人窟入り口

この写真は入る前のものなので
かなり明るくなっていますが、
実際には、外からこの姿を確かめた後、
もう一度55号線を横切り、
目の前の海をながめにいきました。
岩があちこちゴツゴツしていて
かっこよいのです。

到着したときの海側
烏帽子岩があかく照らされます

美しくもダイナミックな景色でした。
そんな中、ふと横を見ると、
既に先客がいらしゃいました。
立派なカメラをもった男性がひとり

おはようございますと
ごあいさつして、少しお話したら、
だるま朝日がみられるかもしれないと、
教えていただきました。
(夕陽で観られることもあるそうです)
ただこれは気象条件が合わないと現れないそうです。

JR四国のやなせたかしさんのラッピング列車にも
この姿のキャラクターがいますが
丸い太陽ではなくて途中がくぼんで、
だるまさんが半分身体を出しているくらいの形で見えるそうです。

そしてこの男性はやはりプロのカメラマンでいらっしゃって
ジオパークの雑誌に載せるために室戸岬を撮影して
そのだるま朝日もおさえたいということで
3日間滞在していたそうです。

それを聞いて、
「まあジオパークの雑誌!そんなものがあるのですか」と
興奮ぎみの私でしたが、それはさておき、
今日がカメラマンさんの滞在最終日だということです。

そしてしばしみんなで太陽を待ちました…が

美しい日の出

この日の朝のおひさまは、だるまにはなりませんでした。
あらら…撮れなかった、
さてどうするか「夕陽をねらうか」と、
そんなことを聞きました。

大変だなあと思いながら、
「では我々は御厨人窟の中へ向かいます」と
お別れして、また国道をよこぎり、
いざ念願の地へと入ったのでした。

御厨人窟に有名キャラクターの姿?!

さて、洞窟内。
それはやはり心地よく、
そして思っていたより長く奥へと続いていました。

突き当りには
燈明を捧げられる場所がありましたので
そこでお参りして、
弘法大師さまがそこに座ったであろうことを思い、
わたしもしゃがんで、ふりかえって海の方向を見てみました。
弘法大師さんファンとしては、ここかあ‥‥と感動でした。
これこそ本当に聖地巡礼なのです。
ちなみに当時の空海さん、19歳だったそうです。

今は海と空だけというわけにはいきませんが
「五所神社」と呼ばれるお社だそうです

ずっとここにいたい
そんな気持ちにもなる場所でした。
と、そこに、さっきのカメラマンの方が
「こっちも撮っておこうと思って」と
入ってこられました。

そして
「この洞窟の入り口の形を見て、何か思い浮かびませんか?」
と仰います。「ヒントは有名なキャラクターですよ」と…。

友人だったか主人だったか忘れましたが
どちらかが「あ!ぴかちゅう」と答えました。
「正解!この辺の方は、ピカチュウって言ってますよ」と
教えてくださいました。

たしかに!
さすが世界のピカチュウ、などと思いながら
空海さんならきっと面白がってくれるだろうなどと
妄想しておりました。

そして、さらにはここに
見知らぬ同士が集い、こんな世間話などしている、
これも空海さんは聞いてくれているような
そんな空気とご縁を感じる時間でした。

そして「じゃあ、撮影がんばってくださいね」と
再びのご挨拶をして、
そろそろ、24番札所へと動こうとしました。
わたしは先にひとり、洞窟の出口付近に立ち、
ぎりぎりの所からなら、海と空だけ見えるのかなと
最後に景色を胸にやきつけたくて外をみていました。

先にも記しましたが、
地形が昔と違うので、外をみると
国道が視界にはいってしまうのですが
入口あたりに立つと、
空と海だけ綺麗に見えなくもない、と
つとめてそう眺めていました。
黒潮のしぶきに洗われて鋭角になった岩礁、
海ぎりぎりの所にあった洞窟らしい入口です。
空海さんになった場所なのだなあ、
ここにいらしたのだなあ…と浸っておりました。

ちなみに、同行の2人はまだ洞窟内にいましたが。
そろそろこちらに来るだろうと思っていた
そのときでした。
ふいにカメラマンさんの声が、背後から。
「そのままそこでの、写真を撮らせてもらってもいいですか?」
どうやらわたしに言ったようです。

雑誌のページを飾る?!

なるほど、確かに私は傘はかぶっていませんでしたが
金剛杖は持っていましたし、白衣も着ています。
お遍路さんの姿を撮りたいのだ、と気づきました。

でも、雑誌ようなら顔を出すのはちょっと恥ずかしいです…と
思いましたら、「後ろからシルエットでいいので」とのことでした。

余計な心配に自分でも可笑しかったのですが、
そういうことでしたら全く問題ありません。快諾です。

カメラマンさんは、後ろからそこに立つわたしの姿をみて
「ここ御厨人窟は、その姿を載せたい」と思ったとのことでした。

編集の方もいるけど、多分、自分が推せば載ると思うから、
ということでした。
ただ、あまり一般に出回っていない雑誌で、
書店で売られるかどうかわからないものということで、
名刺交換して、郵送してもらうことにしました。

そしたら、そこで分かったことでしたが
その方は、鉄道の写真もたくさんとっていらっしゃいました。
わたしは鉄道も好きなので、またまた嬉しい驚きでした。

そして「帰ったらメールに写真のデータ送ります」と
撮ってもらったものをいただきました。

今回のお話音声版はこちらから

そしてこれを撮っている時に、
うしろから同じように、うちの主人も友人も、
そして後からやってきた、
車で回っているという女性2人のお遍路さんも
「わたしたちも撮っていいですか?」と
わたしのシルエットをカメラにおさめてくれていました。

空海さんは撮影会も笑って見ててくれたかな

この念願の御厨人窟で最高の記念写真を、
更に、それが雑誌と言う記念の形になる、
それも大好きなジオパークの雑誌で、
しかもこちらも大好きな鉄道の雑誌を後から見て
あちこちに名前を発見した、
そんなカメラマンに撮っていただく…

それも、たまたまこの日、
この時間にここに来たから結ばれた縁で。

空海さん素敵なプレゼントありがとう!!

感謝の気持ちでいっぱいでした。

そしてその後、ふたつきほど経って
お礼のお手紙と一緒に
その雑誌が送られてきました。

こちらがその雑誌

うれしいのは、これが2枚分、
見開きにのせていただいていたこと、
そしてそれが、室戸岬のページの幕開けだったこと、
しかも、空海伝説の国というタイトルの横にわたし、
あらためてまた幸せを感じました。

またこの雑誌は他にも、当時のことですが、
新たなジオパーク認定地域となった
立山黒部、南紀熊野、天草、苗場山麓などのコーナーありました。
メイン特集がこの室戸世界ジオパーク旅行というものでした。
(ヘッダーのものがそのページです)

第24番札所 室戸山 明星院 最御崎寺

むろとざん みょうじょういん ほつみさきじ
宗派 真言宗豊山派  ご本尊 虚空蔵菩薩
創建 大同2年(807)
真言 のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきや 
   まりぼり そわか

と、まあにぎやかな楽しいスタート、
一緒になった女性お遍路さんとも
「がんばりましょうね」とお別れをして、
御厨人窟から少し宿の方に戻り
そこから続く遍路道を登り始めました。

それが思いのほか急でした。
朝から興奮の出来事があったとはいえ、
まだ起きてからそれほど間がない時間でしたので
約30分かかってのぼり、予定より少し遅く、
7時40分ごろに納経をしました。
実際の距離は800mほどらしいのですが
坂道は何時も時間がかかります。
途中はジオパークらしく奇岩などもたくさん、
こちらももっとゆっくり探検をしたかったエリアです。

捻岩

ちなみに上の写真の捻岩は空海さんが岩とねじって作った洞穴。
空海のお母さまがここを訪れた時に雨宿りさせるためとか、
女人禁制だから怒りが及ばないように避難させるためとか、
いろいろな言い伝えがあるようですが、
この岩は数mの奥行きがあるそうです。

途中の道はこんな感じ
見えました山門

室戸阿南国定公園の中にあるお寺、
周りの植物の種類の為なのでしょうが、
南国を感じさせる、そんなお寺でした。

御本堂
虚空蔵菩薩さま

では25番札所へ出発

さて、その後です。
また30分程度歩いて宿に戻りまして
この段階で9時になっていました。

そしてこの日も、交通機関を使いましたが、
まずは宿のすぐ前の室戸岬バス停
9:36分発でした。

それまで少し時間がありましたから
また海岸線のたくさんの岩やあこうの木やら
前日は暗かったので見えにくかった部分を堪能いたしました。

あこうの木
朝の中岡慎太郎さん

そしてバスは室戸バス停まで乗車、9:50着下車、
そこから徒歩10分で25番札所につきます。

が、今日はちょっと違う話が多く長くなりましたので、
24番札所だけでお終いにしたいと思います。

今日も最後までおつきあいいだきありがとうございました。

次回は区切り打ち3回目の最終日
25番札所から27番札所、
またいろんな出会いもありました。
そして帰りの日は2月3日で節分で、
これもまた楽しい思い出になりました。
そんなお話につづきます。
よかったらまたおつきあいください。

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