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竹生島~雨なのに急に鳥居は晴れていく

先日滋賀県の琵琶湖の浮かぶ竹生島に行ってまいりました。
島の周囲は2㎞、琵琶湖の中では2番目に大きい島だそうです。

わたしは、どこでそう覚えたのかわかりませんが、
ずっと「ちくぶじま」だと思っていたのですが、ちくぶしまでした。
「じま」ではなく「しま」。
元々「(神を)斎く(いつく)島」=まつる島、が由来だったそうです。
それが「いつくしま」が「つくぶすま」と変じ「竹生島」になったとか。
少し変化の過程がぴんとこなくて、古い言葉とか方言とかいろいろあるのかなと思いましたが。

漢字では竹生ですが、島の形が雅楽の楽器の(しょう)に似ているから、とう説もあるとか。
島の全景についてはまた最後に是非伝えたい思いがあるのですが、
それはあとにゆずりましてまずはアクセスです。


彦根港から

まずは、彦根駅からオーミマリンのシャトルバスが出ていますので、それに乗って彦根港まで。これが朝一便になります。8時30分発のバスは8時40分頃港について、9時発の船に乗ることになります。

彦根駅バス乗り場の奥です

わたしが選んだオーミマリンは近江鉄道の系列ですが、他に琵琶湖汽船の
近江今津駅からすぐの今津港からや、琵琶湖の東側の長浜港からの2カ所もあり、今津から乗って竹生島ですごしてそのまま長浜に乗っていくパターンや、逆のコースからものや、勿論、そのままそれぞれの港に戻るパターンの航路などがあります。

関西に暮らしていた時にはこの琵琶湖汽船のCMをよく見ていた気がするので、こちらの方が有名かもしれません。

湖西からでもいいかと、こちらも検討はしましたが、琵琶湖汽船は前日まで予約となっていましたが、オーミマリンは空いて入れば予約なし、当日でも乗れることと、また彦根にいったことがない、更に、鉄道好きとしては近江鉄道の会社だから、と言う理由でオーミマリンを選んだ、というだけですが。

彦根港

でも結果的に、良かったと思ったのは、琵琶湖汽船からは団体さんがおりてきたことでした。竹生島の中には、西国三十三カ所の30番札所のお寺があるので、そのお遍路さんたちのツアーの方たちでした。

私が乗った方は、15~16人の乗客でみなさん個々の一般の方だったので人混みは避けたいわたしとしては、空いていてよかったなあと思ったりもしました。

竹生島上陸

さて、9時に出航した船は40分で竹生島につきます。
やはり湖だからでしょう、ほぼ揺れを感じない道中でした。
以前、沖縄で久高島に行った時と同じくらいのサイズの船だなと、乗船時に思い出しまして、あの時は結構揺れていたから、あの調子だとしたら40分も大丈夫かなと、少し心配したのですが、全くの杞憂、快適に上陸した竹生島です。

ついた島を見上げると丁度桜が満開。
ここで声をとったものまでがこちら。

さてお天気ですが、この日は元々雨予報でしたが、何とか午前中は持ちそうだということでしたので、そうなるといいなあと思いながらでしたが、上陸後すぐからぽつぽつ雨が落ちてきました。

島での滞在時間は80分です。同じ船で帰らなくてはいけないのですが
私にはちょっと時間が足りないと思っていましたが、やはり少なくともあと30分は欲しいと思いました。ひとところにじっとしてその場を感じて楽しみたいのでの希望ですが、まあこれは、きりがないといえばないのですが。

上陸時の映像(52秒)

竹生島港の横にはお土産物屋さんが並んでいましたが、帰りに寄れるかなとと思いましたが、案の定、時間がなく、すたすたと帰りの船に向かうことになりましたが。

と、帰りのことはまた文末にして、ともあれ船をおりて見上げる島はとても美しいものでした。お土産物屋さんの横を通りすぎると入島料を払う門があります。料金は600円。お寺などによくある山門前のようなゲート横に自販機がおいてあり、そちらで購入し係の方に半券をもらってから進みます。

その先、目の前には165段の石段があります。が、まずはその手前の左側、瑞祥水(ずいしょうすい)へ。
 
先も少し書きましたが、竹生島には西国三十三カ所の30番札所でもある
宝巌寺(ほうごんじ)竹生神社が鎮座しています。

竹生神社については後からお話しますが
これが先の名前のいわれ、都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)
竹生島神社(ちくぶしま じんじゃ)
です。

こちらは湧水の瑞祥水は、宝巌寺の湧き水です。
本尊大弁才天様のご神託で
何と、新しいのですが、平成14年に掘られた霊水だそうです

帰りの船の中でスタッフの方が、この頃ずっと異常気象が琵琶湖にあらわれていると仰っていましたが、昭和の終りの方にも川鵜が異常繁殖して、
緑が減ったり山の保水能力がさがって湧水が枯れたりしたそうです。
でも弁財天さんが夢枕にたってここに井戸を掘ることにしたら、出た!というものです。お寺のwebにある説明はこちらです。

瑞祥水(ずいしょうすい)
この「瑞祥水」は御本尊大弁才天様の御託宣により平成十四年十一月に掘られた霊泉です。
折りしも、昭和六十二年頃よりの川鵜の異常繁殖によって緑樹は枯れ、山崖は崩れ、全島にわたって大きな被害を受けています。
これによって山の保水能力が下がり、湧水が枯れ果て参詣の皆様・寺内関係者の飲料水はもとより環境衛生の確保も困難という事態になっていました。
そんな折、夢枕にございましたのが、ここに井戸掘れとの御本尊様よりのお告げの声でありました。
しかし、このような湖中の小島での井戸工事は前例が無く、また通常の井戸の観点より考えれば水が出る可能性は低いといわれています。
更に一枚岩盤の島なので、その工事さえも困難が予測されるという悪条件での工事でしたが、約1年の工期をかけ井戸を掘ったところ、深さ230メートル(湖底下約 130m)より御本尊様の御託宣どおり清浄水が出たのであります。
以来、ご参拝の皆様にお分けし、各方面より「おいしいお水です」「水によって健康になった」等のご報告を頂いております。
ここに御参拝の皆々様の御健康をお祈りし、この瑞祥水を御飲用、又お持ち帰りくだされたく存じます。

下にリンク👇宝厳寺さんWebより

https://www.chikubushima.jp/


ちなみにこの一枚岩盤の岩は花崗岩だそうです。
折角ですから、一口だけ、ちょっと手のひらにうつしていただきました。
夢枕からのお水、というそちらが嬉しい気持ちでしたが。

そこからまた目の前の階段を上ります。165段あるそうですが、石段のかずよりは急斜面で手すりを持った方が安全という気がしました。ここは祈りの階段とよばれるそうです。

そこをたったたったと昇って行きました。
するとその途中で、ちょっと雨粒がおおきくなってきました。
ちょっと急斜だし、お寺だし坂だし、傘はもっているけれど、出来れば両手はあけておきたい…そう思ったのですが、そんなとき!持ち物が助けてくれました。私はこの日、ラグビー観戦の翌日で、雷以外のお天気では試合決行のラグビー観戦、もしもの時のためにちょっとでも雨の気配がある時は、いつもレインポンチョ持参です。

ですから早速それを出して、バックをリュックにして、その上からかぶってばっちり。すっかり四国お遍路の時のようになってしまいましたが、お陰で何も気にせず動き回れてよかったのです。
お遍路の時の本気のものではなくて、100均のでしたけど充分でした。

それを階段と階段の間の隅っこですませて、再び登って少しすると、
左手に見えてくる大きな建物が宝厳寺(ほうがんじ)です。

音声での配信はこちら。良かったら声でもどうぞ。

宝巌寺弁天堂

こちらのご本尊は弁才天です。弁天堂といわれています。
江ノ島、厳島とともに三弁才天と呼ばれています。

その手前、右手に不動明王がたっていらっしゃいますので
そこでご真言をとなえてから御本堂にお参りしました。

ご本尊はインド古代信仰でいえばサラスヴァティ―、水もつかさどる神様、
仏教では守護神となりました弁財天さん。

御本堂の中央と、左右にも大きな弁財天さんがいらっしゃいました。

わたし事です芸事のお稽古もしていますので、そちらと、更にこちらは
修行の守り神でもあるので、セッションなどもふくめて、仕事や生き方の修行を見守ってくださいねというそんな思い出のおまいりでした。

その後、少し下ったところにある観音堂へと向かおうと思ったのですが
納経所が弁天堂のすぐ左手なので、先にいただきました。
観音様はお参り前なので、弁財天様だけでもと思ったのですが、せっかくなので先に観音様もお願いしました。

その後、そこから三重塔と、その前にたっている「もちのき」を拝見しまして階段をくだり唐門へ。

これは国宝だそうですが、2020年に修復がおわったという、綺麗な色彩の建物にはいりました。正面には賓頭盧(びんずる)尊者さんがいらっしゃいました。

それからそこから右につづく回廊をゆくと、千手千眼観世音菩薩さまを納めた観音堂です。

お参り後はそのまま船廊下という渡り廊下のようなものがあり、そのまま進むと都久夫須麻(つくぶすま)神社につきます。こちらのご本殿も(国宝)だそうです。

こちらのご祭神は 市杵島比売命(イチキシマヒメノミコト)
こちらでは別名、竹生島大神(ちくぶしまのおおかみ)とも仰います。
福岡の宗像大社にいらっしゃる宗像三女神のうちの一柱で、アマテラスとスサノオの誓約で生まれた女神です。
そして御祭神はこの市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)
・宇賀福神(うがふくじん)・浅井比売命(あざいひめのみこと)
・龍神(りゅうじん)の四神だそうです。

その中で龍神様が鎮座している竜神拝所というものが、本殿の向かいにあり「八代龍王拝所」と書かれています。

上陸後階段を登らず左手に進めば神社に先に参れます

八代龍王拝所での出来事

こちらは建物が琵琶湖に突き出した形になっていて、少し下の方に鳥居があります。ここではかわらけなげができます。

土器(かわらけ)に願い事を書き、湖面に突き出た宮崎鳥居へと投げるかわらけ投げ、たかわらけが鳥居をくぐれば、願い事が成就するとも言われています。わたしは投げておりませんが、投げる場所は、丁度バルコニーのように湖側に突き出して、開かれています。
(音声では間違えてかわらなげと言ってました。失礼しました)

鳥居の正面にあたる室内側はといえば、こちらにはしめ縄がはってあり、祭壇が祀られています。まずはこちらでお参りをしました。

しめ縄よこに掲げられていた「龍神祝詞」

この時、丁度周りに誰もおらず、つまりかわらけ投げの人もいなくて、とても静かで素敵だなあと思いながらのお参りでした。

柏手をうちました。静かなのでその音もとても響きました。

その後、それからそこからは鳥居は正面ですが建物の壁もありますから、はっきり見えなくなっていますので、左右のそのバルコニーのような所に移動して、全景をながめました。

するとその時、ぐんぐん空があかるくなり、陽が射してきました。
鳥居の影がしっかりでるくらいになりました。

初めに言いましたように雨降っていて、わたしはレインポンチョを着たままです。それなのに、綺麗だなあ、喜んだのですが、ふと後ろを振り返ると、
つまりその時いた拝所から都久夫須麻神社社殿方向をみましたら、相変わらず少し暗いのです。確認にいきますと、変わらず雨が降っていました。

そこでまた端の通路を通り琵琶湖につきだす鳥居をみにいきましたら変わらずお日様がさしていて、先ほどよりもどんどん強くなり、鳥居の影もぐんぐん濃くなっていきます。

つまりこの建物遥拝所の前と後ろで天気がちがう、天気がかわったのですが、それがお参りをした直後からだったというわけです。これはなんだか、とても嬉しいことでした。

龍神様は優しいな、綺麗な景色を見せてくれたと、すっかり龍王様のファンになりました。

その後、周りの江ノ島神社やほか摂社、また、白巳大神のお社などをぐるっとお参りして、また先にすすみました。

鳥居が晴れてくる様子はこちら👇


その後、少し行ったところには八大龍王の一尊である黒龍(こくりゅう)さんがいらっしゃいました。

黒龍大神と黒龍姫大神の二柱の小さな社殿もあって、なんだかかわいい気配がして、微笑ましい気持ちになって、手をあわせました。

こちらには鳥居があるのですが、先の宝厳寺黒龍堂となっています。
神仏習合の頃は一緒だったからですね。


奥には御神木があり、左手には絶壁、下には琵琶湖がみえていました

右手には案内板がありました。

黒龍は八代龍王の一尊
龍王は大海に住んでいて、雨を降らす神様で
釈迦の誕生時には歓喜の清浄水(清めの雨)を降らせたと伝えられ
修行者の修道無難、道念増進の守護神でもある、
隣に立つ大木は黒龍が湖より登ってくると伝えられる神木である。

なるほど、と、これを読み、一息ついて、やっと気づいたのでした。
「あ、今日は4月8日だった」と。

そうです、お釈迦さまが生まれたと言われている日、厳密にいえば、現代のカレンダーによる4月8日ではないのでしょうが、それでも今は一応、今日と言うことになっている日です。

更に気づきます「この日に清めの雨だ。降ってる、お寺の方でふっている。
でも湖側は晴れた、なんて面白いのだろう」
と、そのとたん、またさーっと粒が大きくなった雨が降ってきました。

ただでさえ、龍神とか、守護神とか、女神とか、もうロマンがいっぱいでわくわくしますのに、お天気まで変わっていくと、ますます有難い気がして嬉しくてたまりません。

さようならの名残惜しさ

と、まあそんなことを思ってあちこちでじっと時間を過ごしているうちに、
80分なんてあっという間です。おいていかれたら困るので、船の方へとおりていきましてまた乗船となりました。

船に乗ると、すぐにスタッフの方が「後ろのデッキから全景がみえて見ながら遠ざかれます」とおしえてくれましたので、早速、そこに出て、写真などを撮りながらながめていました。

すると、遠ざかるのが、なんだかとても寂しくて涙が浮かびそうでした。
本当に雅楽の笙のような形、こんもりおやまふたつ、とてもきれいで、
「ありがとうございました」と言う気持ちでいっぱいになりました。

そんな思いになったらなんだか「またおいでね」と弁財天様がにこっと笑ってくれたような、そんな気持ちになりまして、「はい、またきます」と思ったりしました。

ということで、また彦根港まで戻ったというわけです。

今回は竹生島滞在のお話でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は、この配信でのコメントから発生した漫画とお能の竹生島のお話になります。よかったらまたお越しください。

で、こちらがそのつづきです。


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