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お遍路記録③先に18~19番札所のち遍路転がし12番~前日

四国遍路シリーズ第3回目
今回は区切りうち、2回目の4日間のうちの初日のことです。
12番札所、遍路転がしといわれる
最初に難関に進む前までです。

今まであれこれありすぎて
何度も記録を挫折してきたこのお遍路のこと
今回はやりぬくぞと、
勝手に自分の記録のために配信、記録しております。
よかったらおつきあいください。

さて、前回11番札所まで参り、
一度、家に戻り、続きは12番札所からと言う所ですが、
この12番さんは朝一からスタートしないと時間的に不安です。

焼山寺という山の上にあるお寺、
一般的な人で8時間かかるといわれています。
ということは、朝7時にでても午後3時着です。

そして、このお寺には宿坊もあるのですが
ここに泊まれないとなれば、
更に下ったところで宿をとることになります。
そうなると下る時間を、
もう1時間くらいはみておきたい…
ということで、今回は時間を有効につかわせていただきました。

わたしは現在、福岡在住です。
ここから徳島までは、行くだけでも時間がかかります。
朝一から登り始めるとすると、前泊は必至です。

それならば、せっかくですから、
この前日を有効に使いたいと思います。
そこで、朝から徳島に入り、
12~17番さんを飛ばして先に
18番札所と19番札所を回ることにしました

こんな方法もありだそうです。

まず目指したのは18番札所恩山寺さんですが
こちらには一番近くの駅まで
鉄道移動しました。

朝一番の新幹線で博多を出まして
岡山でのりかえて徳島へ渡り、
そこから牟岐線に乗り換え、
南小松島駅で下車。
歩き始めました。

左側:道のあちこちに案内を立てていてくれます

第18番札所 母養山 宝樹院 恩山寺

ぼようざん ほうじゅいん おんざんじ
宗派 宗派高野山真言宗  ご本尊 薬師如来
創建 天平年間(729〜749)
真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

駅からは40分くらいだった記憶です。
ちょっとこんもりした、丘くらいの印象ですが
お寺近くは、少し坂道がつづきます。

左は車道ですが右の遍路道を選択

ここは弘法大師のお母様ゆかりのお寺です。

元々女人禁制だったこちらで
弘法大師が修行をなさっている時に、
お母様が生まれ故郷である
善通寺から訪ねてこられたそうです。

けれど女人禁制だからお寺には入れない、
そこでお大師様は山門近くの瀧にうたれて
7日間の秘法を修して、女人解禁の祈願を成就させ、
お母様を迎えした、ということだそうです。
母養山とついているのが、優しい感じがします。

山門 ここからまだ登ります
山門下でお迎えしてくれるお大師様像

ともあれ、お天気もよくて
再びのお遍路、
嬉しいスタートとなりました。

大師堂
ヘッダーにしているこちらは大師堂後ろの十大弟子さんたち

そしてそこから、一応、峠越えと言われていますが
実際の感じは丘陵地と言うくらいの
緩やかな坂道を進みます。

竹林は狭いから初めての時はちょっとドキドキ
遍路道には仏様があちこちにいらっしゃいます

そのまま下ると19番札所立江寺さんにつきますが、
途中、遍路道案内の石碑を頼りに
あぜ道横や竹林、ミカン畑の横なども通ります。

この道でいいのかな?を安心させてくれる石柱
初回に尋ねた時は秋でしたからミカンもたわわでした

そしてぽつぽつと民家も出てきます。
そこには棚がつくってあって、
お接待にと、ミカンをおいくださっていたりします。

お接待というのは

四国ではお遍路さんのことを
弘法大師と一緒に歩いている人としてみてくれます。
同業二人といって「一緒です」と
以前にもお話しましたが、
修行僧におもてなししてくれるような感じです。

もっと昔は、歩く途中で亡くなる人もいて、
そんな方たちを葬ってあげた
遍路道沿いに暮らす方々もいたそうです。
またそうなる前に助けてもくれたであろう
四国に暮らす方々です。

お遍路さんにお接待をすること=弘法大師をお接待すること
なのだそうです。なんてありがたいことでしょう。
まだまだ、このあとたくさん
お接待いただいたお話をさせていただきますが、
びっくりするほど、本当によくしていただくのです。

想いを声にのせた音声での配信はこちらから

ですから、それを、
わたしもどこかでちゃんとお返しして、
この尊い思いと行いを循環させなくては

と思うのです。
これこそが、体感としての教えだと
つくづく思いました。

仏様からの教え、気づき、それも確かにありますが
でもそれ以上に、
その心をもった四国に暮らす人たちから
たくさんことを教えていただいた

わたしはとても思うのです。

勿論、飲み物や食べ物など
物を差し出してくれるというだけでなくて
がんばってね、ご苦労様とか、
声をかけてもらって、それだけでも充分嬉しいです。
見知らぬ土地で笑顔で迎えてもらえます。

勿論、こちらもすれ違う時には
「こんにちは」とか自分からご挨拶をします。
生活圏内にお邪魔している身ですから。

そしてまた、子どもたちがも
「がんばってください」「どこからきたの?」などと
尋ねてくれたりするのです。

四国にいる間に、
どれだけ初めての人と言葉をかわしたか解りません。
そしてまたどれだけ暖かさに触れたことか。
そんな経験は、今の社会で、私が暮らす日常のなかでは
残念ながらありません。

勿論、四国に住んでいるからといって
皆がみんなそうではないと思いますし
四国の皆さんも、それを期待されても困るでしょうが、
少なくとも私がであった皆さんは、
幸せな気持ちにしてくれて
そんな嬉しい涙があふれるようなありがたさでした。

例えば今は、バスツアーなどで
全部回るのもありますけど
これだと出会えないものです。
歩くからこその有難い経験で、
その皆さんの気持ちにふれることが
最大の教えにも感じられました。

ですから、どこか少しの距離であっても、
遍路道をご自身の脚で歩いてみていただきたい
と思います。

行き止まりかと思いきやこんなところに…
山道ではありませんが木立が心地よい道も

第19番札所 橋池山 摩尼院 立江寺

きょうちざん まにいん たつえじ
宗派 高野山真言宗  ご本尊 延命地蔵菩薩
創建 天平19年(747)
真言 おん かかかび さんまえい そわか

さて、そんなお接待のおみかんをいただいて
立江寺に向かいましたが、
ここは阿波の関所と呼ばれています

お四国には4カ所、
関所といわれるものがあるそうです。
心がけが悪い人はここから先に進めないと言われます。

この立江寺に伝わるのは、
お京さんという女性のお話

不倫相手の男性と一緒に夫を殺したお京さん
ほとぼりがさめるまでなのか、逃げるためだったのか、
お遍路姿に身をやつしていたそうです。
ところが、ここ立江寺で、
髪の毛が鐘の緒にまきつき取れなくなり、
頭皮と髪を失ったとか。
そこで改心して、
近くで庵を結んで仏道に精進したそうです。

ただ、お寺の説明では
この寺に詣り懺悔すると、
お京の髪の毛が逆立ち、
鐘の緒に巻き上げられて残ったという伝説、とあり
少し伝え方が優しいですね。
そのお堂として黒髪堂が建っています。

この立江寺につく少し手前には
お京塚というのものがありそこが庵だそうです。
わたしはここで休憩をとりました。

多分、お京塚をすぎて、もう少しで立江寺というところあたり?

昔は悪事を働いて、
逃げるために遍路に身をやつしている人もいたそうです。
だから、お寺でこんなことがあって
「改心した」という話もあるのでしょう。

けれど、私は、先に話した
お接待や四国の人達の心、
歩いている間に出会うありがたい嬉しい出来事、
護られているような感じに触れるうちに
改心していった人が多いのではないか
と、
勝手に思っています。

お風呂屋さん経由で

さて、この立江寺さんで今日のお参りは終わりです。
ここはもう市街地といってよい場所で、
最寄りの立江駅までは徒歩8分程度でした。

ここからまたJRに乗って
翌日の12番さんへのスタートの地へともどりました。

ちょうど、下校の時間にかさなったり
駅や電車の中で高校生たちに囲まれておりました。

ただこの立江駅、一度目回った時には
区切りうちがここまでになって
ここから帰途についたのですが、
その時は、木造の古い古い駅舎だったのです。
風情があるなと思っていたのですが
今回きてみたら、なんだかすっかり建て替わっていて
ちょっとだけ残念でした。

ピカピカの駅💦

ちなみにこの回の予定は、
翌日の予定は12番さんのみ。
そしてその翌日に13番~17番さんまで歩き、
もう一泊して3日目に
20番鶴林寺と21番太龍寺という
大きな山越え2つを目指す、
というものでした。
三泊4日です。

ということで、
まずは11番札所近くにとった
宿までもどります。

ただ、あいにく11番さんに
最も近い旅館は満室でした。
そこで、少しはなれているけれど
まあまあ近いと判断しまして
はじめてドミトリーを予約しました。

そしてそこにはシャワーしかないとありましたので
そこにつく少し手前の駅蔵本でおりて
お風呂屋さんによりました。
元湯町というお風呂屋さんでした。
歩いた時は湯舟がいいんですよねやっぱり。

そして、このお風呂屋さんについた時には
まだ遍路装束でしたから、
番台のお父さんが「お杖は、ここであずかろうか?」と
あれこれ親切にしてくださったり、
既に入浴中のご近所のお母さん方が
「どこからなの?」とか、
いろいろ話しかけてくれておしゃべりもして、
ここでもいろいろ応援をうけてでたのでした。

今宵の宿

さて、さっぱり汗をながして、
またJRにのって鴨島と言う駅まで戻りました。
そしてそこから歩いて宿へ。

鴨島駅から宿までの間、何やらお祭り?

翌朝、11番さんまでここから歩いてスタートになります。
この宿から11番さんまでも
40分くらいはみておいた方がいいかな
などと思っていました。

そしたら宿の方が
お遍路さんだったのですね、と受付おっしゃって、
明日はどこからですか?と尋ねてくれました。
焼山寺に向かいますとお答えしたら
「じゃあ朝、11番さんまで車で送っていきますよ」
言ってくださったのです。

もう、これは助かります。
ありがたかったですね。

この宿は実は出来て間もない
ピカピカのドミトリ―だったのですが
吉野川に近いので
どうやら宿泊客は
こちらでサイクリングや釣りをする方などの方が
多かったようです。
室内も綺麗で、
宿泊の方たちも静かで
心地よい一夜となりました。

お遍路道近くの宿はわりと、
最寄りまで送ってくださったり、
次の宿泊が決まっている時には、
そこまで無料で荷物持って行ってくれるサービスを
してくれることもありました。
これは高知での話でした。
わたしは荷物はお願いしたことはありませんが。

まあ、そんなことで
翌朝、いざ、楽しみでもあり、
初めてなのでちょっとドキドキの
お山へと、むかうのでした。

そういえば、
なぜ今回あちこち宿がいっぱいだったかというと
ちょうど徳島のマラソン大会、
吉野川沿いを走る大会があったからだと
教えてもらいました。

ということで、今日はここまでです。

この続き、いざ焼山寺越えについては
また次回にしたいと思います。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

春は花々も咲き気持ちもゆったり歩けるからお勧めです

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