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自主映画監督は自分の団体を作りたがるけど、続いてるところはほとんどないというお話(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。


自主映画を始める人は、映画団体を作ることが多いですね。

これまで、設立者や関係者を知ってるだけでも、
30以上の団体の運営、行く末を見てきました。

映画団体設立に向けて、相談されることも多いんです。
メンバーを集めてください、と言われたこともありました。

そもそも映画団体と言っても、一つ一つその運営形態が違います。


まず、メンバーを固定することのメリットデメリットを挙げてみましょう。

いい点は、仲のいいメンバーでレベルアップしていけること。

悪い点は、運営に手間をとられてしまうこと。


つまり、作品を作ることではなく、そのメンバーで何かをすることがメインになってしまうこと。

だからこそ、リーダーになる人は、作る意味・目的を考えて欲しいんですね。

○自分の作りたいものを作る集団にするのか、目的は別にあるのか。

○作りたい作品だけに一生懸命になって、メンバーのフォローも忘れていないか。

などなど。

団体というのは、人間の集団であるということ。

リーダーが対峙するのは、機材じゃないんですね。


一人一人、想いを持った人間なんですね。
この辺のバランスを崩した時、団体は崩れます。

残念なことに、長く続いている団体は、そう多くはありません。

僕の知ってる中で、うまく続いているなと思うパターンをいくつか紹介してみます。(2015.8の記事より)


●リーダーとなる監督と、運営する制作陣がきれいに両輪で機能しているパターン。

これは一つの理想形ですね。
リーダーは作品に専念できるし、運営は制作がきっちり管理してくれる。

ただし、映画を裏から支えることが好きで、かつ人をまとめられる人、
こんな「制作」担当はなかなか簡単に見つかりません。

[2022.2 追記] 数年続いていたある団体は、その後、内部分裂で消えました。


●チーム内で変わりばんこに企画を持ち寄って、監督をやるパターン。

これ、すごく多いです。
人の入れ替わりを気をつければ、うまく行くんじゃないでしょうか。

ただし、やがてその中に皆をまとめるリーダーが現れます。
その時、皆が素直に従って独自の形が生まれるか、ぶつかるか。そこが別れ目です。
人間関係がキモですね。

[2022.2 追記] 数年続いていたある団体は、みんな仕事が忙しくなって、自然消滅しました。


●作品ごと活動ごとに人が集まるパターン。

何を隠そう、「映画工房カルフのように」のことです。
カルフは、実はメンバーがいません。
基本、僕一人で運営しています。

僕はいつも、自分も含め、参加するひと一人一人の損得勘定をしています。
それは「やってて楽しいか」という損得です。

ひとの感情は、タイミングや状況によってころころ変動します。
ライフサイクルもどんどん変化します。

なので僕は、誰もしばらないことにしました。

コアとなる"いつものメンバー"は7、8人いますが、
彼らも、「カルフの一員」という名乗りは一切しませんし、
そんなこと考えたこともないかもしれません。

彼らが普段、どんな活動をしようと自由です。

その代わり「さあ作品を作ろう」と久しぶりに会った時、
一人一人が自分の活動で得た知識、経験、人脈を持ち寄ることができ、活動内容が自然とブラッシュアップされていくのです。

また、何か行動を起こした時に皆が集まってくれるかどうか、
その結果で自分がやっていることが魅力的なのかどうなのかが
自動的に判定できます。

ちなみに、僕は僕自身のやり方に自信をもっているわけではありません。
長く楽に続けた結果、このようになった、というだけです。


映画団体の運営については、具体的なことがなかなか書けません。
ご相談がありましたらinfo@karufu.netまでメールください。


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