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そして上映会は「言い訳会」になる(初心者の映画制作講座)

上映会場というのは、独特の空間です。

上映する作品の監督は、誰もが興奮し、そしてドキドキしています。


そして上映終了。

拍手に包まれ、そして監督は来客達に囲まれます。

「よかったよー」

「お疲れさまー」

というねぎらいの言葉が、監督の耳をやさしくなでていきます。


「今度飲みに行こうぜ」

「さっき、○○に久しぶりに会ったよー」

という知り合いの言葉を聞いて、映画のことに触れろよ、と思いながら微笑みます。


そんな中、

「ラストのとこ、いまいち分かりにくかったよね…」

「あの主人公って、結局どうなったの??」

といった、作品の中身について突っ込んだ意見や質問をくれる人も現れます。


監督はすぐに答えます。

上映後の興奮も手伝って、饒舌です。


「ああ、あれねー、もうちょっと具体的にするかどうか、迷ったんだよ。

 でも、あそこのシーンで主人公が振り向いたじゃん。

 あれが本心だったってことを表してるんだよ」

「主人公とヒロインはね、ハッピーエンドに見せかけて実は、裏があるんだよね。だからあそこのシーンで・・・」


まあ、例によってこの“監督”というのは過去の僕のことだったりするんですが、この「上映後に一生懸命説明する」というのはヨロシクない、と今は思っています。

だって作品は、その作品だけで見た人に伝えるものですからね。

どう伝えたいか、どう感じてほしいか。それを演出するのが監督ですからね。

監督がその作品について解説して分かってもらうようじゃいけない、と思います。


何人かに見せて意見をもらう。

その意見についての妥当性をしっかり考える。

こういった作業は、編集段階で終わらせておくべき。

上映会は作品を見てもらって、どう思われようがそれが答えです。


とは言え、何か言いたくなってしまう気持ちは痛い程分かりますけどね。

何か意見されると、反論しようとして、ぐ、と言葉を飲み込む。

そんな僕を見たかったら、是非カルフの上映会にお越し下さい(笑)。


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