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日記を書く、「自己採点」する。

日記を書く

 ほぼ毎日、私は日記を書いている。
 ほぼ、というのは書き忘れるときもあるからだ。そのときは翌日以降にまとめて書いたりもしている。

 それ以前から断続的に日記は書いていたが、意識的に続けるようになったのは昨年の4月ごろから。ここ数年、なんとなく心身を含めた体調を崩していたとき、「日記を書くといいヨ」というのをネットで幾度となくお見かけしたのがきっかけである。確かに自分のここ10数年を振り返っても、書いていないときよりも書いているときのほうが調子がいい。ここまで外的要因・内的要因がしっかり揃っている状況で、再び日記を書くのはむしろ自然の流れと言えた。

 もう一つ、日記を書く際に大きかったのはポメラ(キングジムが販売しているキーボード付きのメモパッド)の存在である。

 手書きが全く嫌というわけではないが、ここを見ている方ならわかる通り、私は一度に書く文字数が多い。日によっては1000字をゆうに超えてしまうようなケースもあり、紙の日記ではどうしても対応しきれない、というか疲れてしまう。ひょっとしたら頑なに手書きにこだわったほうが、日記を書くプラス効果は格段に上がるかもしれない。しかし特にこうしてnoteを書いている現在、「手書きにこだわりすぎて」ネタを見逃してしまうのも怖い。
 そういう、「書きたがり」な私の適性に一番フィットしていたのがポメラと言えた。5月の入院中はキーボードのタイプ音は迷惑になるかと思い、スマートフォンで「Google Keep」のアプリを使って入力していたが、それすらもポメラにデータを移行している。

 書き方に関しても特段のルールはない。長文になることもあれば、最低限のことしか書いていないような日も確かにある。ただし向田邦子『字のない葉書』のように、極論何も書けなかったとしてもそれはそれで大きな意味がある。

 守っているのは以下の3点である。これは書き続けているうちに出来上がっていった、日記継続のための必要なルールという感じだ。

① タイムスタンプをつける(ショートカットキーで入力可能)。
② その日の朝の体調を100点満点で自己採点する。
③ 愚痴を書かない。

 それに加えて、最近は体調管理の一環で体重を記録していたりもするが、これに関しては着衣の体重が混在していたり(もちろん着衣の体重には「着衣◯kg」と書く)、なんなら測っていなかったりする日もある。必ず守っているルール、という意味では①〜③の三つ、逆に言うとこの三つだけだ。

 タイムスタンプというのは「何年何月何日何時何分」というもので、ポメラの場合はF2キーで入力できる。前述の通り翌日に書いていたり、複数回(たとえば朝と夜)に日記を書いているケースもあったりするとき、タイムスタンプがあると「別の記事」だと認識もしやすくなる。実践したことはほとんど無いが、日記を読んだ感想なんかも書くことができるなぁと考えていたりもする。とにかく、あると無いとでは格段に違う。

 ②は後述するとして、③の愚痴を書かないというのは、もともとはメンタルヘルス的な視点で日記を始めたこととも関連している。もちろん、必要であったり、忘れるべきでない内容(たとえば仕事上の反省)みたいなことは記録にとどめておいたほうが良いけど、そうでは無い話題、たとえば他人に嫌なことを言われて不快になったとか、振り返ってまた不快になるような話題をあえては書かない。
 もちろん世の中逆もいて、相手に言われて不愉快だったことをあえて記録に残し、「なにくそ」の精神でむしろモチベーションを上げているという人もいる(たとえばお笑いコンビ「パンサー」の向井慧さん、「南海キャンディーズ」の山里亮太さん等)。これに関してはあくまで「私の場合」、ということでご承知いただきたい。

100点満点で自己採点する

 で、②である。
 朝起きてすぐ、自分の調子(心身のコンディション、疲労度など)を直感で採点する、という方法は本に書いてあったりもする。ただし、自分が読んだ本では10段階がせいぜいで、なかには「5段階で十分」とする本もお見かけした。100点満点にしてしまうと時間がかかりすぎる、との指摘もあった。

 しかし、実際にやってみると100点満点の採点はそこまで時間がかかる作業ではない(少なくとも私にとっては)。たとえば今日で言えばポメラに「71点」とあるが、これも朝起床してすぐ、

「今日は70点… それ以上はあるな… 71点… 72点… いや、72点よりは下… じゃあ71点……」

 と、時間にして10秒ちょっとであっさり決まっている。
 ポイントがあるとすれば自分のコンディションを「鑑定」するつもりで、直感で決めること、絶対的な基準を設けないことだろうか。そもそも自分が「100点」と思う基準だって主観的なもので、実際に今日が71点か、それとも72点かはそこまで重要なことではない。

 もっとも、10段階であれば「今日は70点…」と、10秒どころか2秒ぐらいで決まってしまう。初日だけは私も10点満点だった。しかし、日記を書く段階になり、何を思ったのか私は初日にして「6.8」と小数点を使ってしまっている。翌日はこの数値を10倍して、「100点採点法」が定着していった。

 これにも理由がある。たとえばここ一週間の私の「100点採点」は

66-66-64-67-69-67-71

 となっている。グラフをイメージすると、うっすらとだが数字が上向いているのがおわかりだろうか。
 しかしこれを10段階(1の位は四捨五入)で表現すると、

7-7-6-7-7-7-7

 となり、グラフとしてはほぼ直線に近くなってしまい、100点単位でやっていた時のような「上昇」を実感することが難しくなってしまう。もちろん、1週間ではなく2週間、1ヶ月とつづけていくことで大きな上昇・下落が見えてくることもあるが、より細かくしたほうがその変化が見えやすくなるのは自明である。

 ちなみに私はこの採点法を、最近こっそりと始めているFilmarksの採点でも使っている。そう言えば十数年前、映画の良し悪しを7段階という変則的な段階評価をしていたこともあって、映画について聞かれれば「76点かなぁ」と、尤もらしい点数を言うこともできた。思えば私の「自己採点」は、こういうところで培われたものなのかもしれない。

おわりに

 昨年秋ごろからnoteにそれなりに文字数のある記事を投稿することができるようになった。もちろん大学で鍛えられた部分もあるとは思うが、日記という形で「思ったことを自由に書ける場」があることも大きい。まだまだ発展途上だとも自覚しているが、昨日より今日、今日より明日… と、書けることが増えてきて、それなりに自信もついてきた。

 日記は子供がやるもの、いや、先生や大人に言われて、イヤイヤやらされるものだと思っていた。しかし大人になった今、そんな日記に助けられ、日記を書くことに鍛えられ… 日記の偉大なる効果を感じている。

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