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ホリグチシンゴ「POLY-viewpoints」(obi gallery)

ホリグチシンゴ「POLY-viewpoints」(obi gallery) 私がホリグチさんの個展を、有楽町にあったtagboatで見たのが確か3年ぐらい前の話。それから3年、展覧会に行けずともInstagramでその動向は見ていたのですが、まず作風の変化に驚きました。

 ホリグチさんの描く画面は完全な抽象画ではなく、実際にそういう形・色の模型を組み合わせたもの。それを写真撮影・加工したうえで、再び実際のカンバスに置き換えるという作業を行っております。特に今回は2種類のわずかに視点の異なる写真を組み合わせ、抽象的傾向が深化した感はありますが、そのルーツはあくまでも静物画。
 それゆえにホリグチさんの描く"抽象的な"画面には立体感があります。セザンヌの静物画やピカソ、ブラックあたりの初期キュビスムを観るときに多視点という要素があることを知るとより楽しめるように、その視点があるとより楽しめるのではないかと。

 今回はトークイベントも聞きに行きました。
 ホリグチさんのコメントだったかと思うんですが、一見歪んでいるように見えることこそ、そこにリアリティがもたらされるのではないかというのは面白い気づき。また、撮った写真ではカットしちゃったんですが、絵画以外にも数枚の板を立て掛けたりして、民家を使ったギャラリーにおいての絵の見え方を考えていることにも驚きました。

 文字通り視界が広がっていく展覧会です。「見る」「見える」といった、視覚的現象に対するホリグチさんの深い探求を感じました。

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