見出し画像

「マリー・ローランサンー時代をうつす眼」(アーティゾン美術館)

1908年、ピカソ、ブラックらの知己を得たことでキュビスムの画家としてスタートした彼女。このキュビスム時代に表現はシンプルに、肌は白くなり、淡い色彩の幻想的な作風になっていったわけですが、詩人アポリネールとの失恋をきっかけにキュビスムから離れ、どのジャンルにも完全にコミットはしない、幻想的な作風のみが彼女の手元に残っていきました。
言葉で言えば「白い」「淡い」「幻想的」ではありますが、その画面からはむしろ堂々とした強さというか、そういうものをローランサンの絵には不思議と感じてしまいます。上述の失恋に加え離婚も経験していること、第一次世界大戦を受けて亡命していることなど、複雑な背景が彼女の絵に現れているのかもしれませんが… いずれにせよ、こういう芯の部分は「何を描くか」にあまり依存しない、影響されないということなのかもしれません。
 
今回のローランサン展は小さいながらも回顧展にも近い内容で、彼女と同時代の画家であるピカソ(7)やブラック(8)、藤田嗣治(9)なども展示。また、展覧会冒頭には学生時代、ピカソに出会う前の自画像(6、バリバリの写実!)、後半ではローランサンの静物画なども展示されておりました。海外美術館からのレンタルということで撮影NGでしたが、皿に載ったレモンと水差しのみというシンプルな画面ながら、陰影のディティールが良いなと思いました。

#japan #museum #JapaneseMuseum #instaart #art #artexhibition #美術鑑賞 #美術館巡り #美術展巡り #Laurencin #マリーローランサン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?