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My Favorite Albums 2022

あけましておめでとうございます
年内アップを目指していましたが予想通り終わりませんでした…。いやそれどころか年末の忙しい時期に家族が順繰りにコロナにかかり、自身の誕生日も、クリスマスも、お正月の準備も、ぜーんぶ吹っ飛んでしまい、久しぶりにちゃんと外出したのが初詣っていう…。幸い新年明けてからはあまり不調は引きずってませんので気持ちも新たに毎日の生活を…そして音楽リスナーライフを立て直していきたいなと、そんな風に思ってる今日この頃でございます。あーホント、コロナ死ね

というわけで、2023年です

昨年聞いた音楽をずらっと振り返ると、1月にプリンスエアロスミスの諸作を聞き直し、春先には"ギターソロはスキップ"の話題(noteに書いたよ!)。それから6月にtwitterで70年代ベストアルバムの企画をやってらっしゃる方がいてその年代を振り返り(noteに書いたよ!)、7月には乃木坂46さんのギターソロの話題(noteに書いたよ!)、そして8月にはサマソニに行きました(noteに書いたよ!)。それ以降はここを更新することはありませんでしたが、AOTYに載せようと、佐野元春THE ALFEETM NETWORKを聞き直し。・・振り返るとまあ実におっさん丸出しな一年。

そんなおっさん ナイスミドル、楽しいので新譜の方もここ10年ほど追っかけているんですが、今年は特に海外がアフターコロナに移行して、それまでパワーチャージしてきたものが一気に堰を切った印象が。片や邦楽も若い世代が実力に相応しい作品を世に送り出すことが多く、結果、稀に見る豊作だったんじゃないかと。いや楽しい一年でした。


そんな2022年の、年間ベストアルバム、
今年は40選です。


ちなみに1位から書いていきますが、
なぜかと言うと…昨年も書きましたが、個人的にこういうランキングを見る場合その人の上位で合うか合わないかなんとなく見当つくと思っていて。これで1位がばってん少女隊だったりしたらそっとタグを閉じる方もいるでしょうし。。いやばってん少女隊さんのアルバムは水カンのケンモチ氏やデデマウス、DAOKOらも参加している良いアルバムですが。いやホントに。(You Tube)


ま、ともかく、
書いていきたいと思います。


コロナ禍が飽きられ、
スポーツの祭典に沸き、
元総理の暗殺にショックを受けた2022年…
戦争が終わらず、また違う戦争の気配が新たに感じられてきた2022年…

ポピュラーミュージック大豊作の2022年、

1位から。






1-10位


1) black midi - Hellfire

やー、Black Midiです今年は。邦題『地獄の業火
昨年のJohn Lの衝撃がまだ覚めやらぬうちに今年半ばに出された充実の3rd。分析とか評論とかは詳しい人に任せるとして個人的にはともかくいろんな音楽を参照したハイパープログレっぷりにぶっ飛ばされ、前半の怒涛の畳み掛けからワンテンポ入れて後半を歌い上げるアルバムの流れに翻弄され。聞いてて疲労も感じるんで(苦笑)聞いた回数的にはたぶん最多ではなかったけれど、作品としてこれは最高のアルバムだったなと。スゲー。ゲルニカとかみたいでスゲー。(いやそれでも特に前半、Stillまではよく聞いたかな。)

※なお、the QuietusにメンバーGeordieGreepの好きなアルバムがピックアップされてるのをさっき知りましたが、バッハからザッパ、AC/DCにウィリーネルソン…。なるほどというラインナップでした。


そして2位、

2) ROSALÍA - MOTOMAMI

僅差の2位ですロザリア。個人的に今年はロザリアとBlackMidiの2強でした。
ロザリアもこれで3作目。今作はアルバムタイトルから曲の内容まで日本インスパイアの部分もかなり多く、またサウンド面ではおもしろい音の使い方やレゲトンやフラメンコを初めとしたラテン音楽&その色気、それにアルバムとして1.SAOKOや9.MOTOMAMIを掴みやアクセントとして使用した全体の流れ等々、個人的にはかなり感性に強く訴えかけられました。日本文化からの影響やらタイトルの意味に関してはおもしろいので検索していただくとして、まあともかくパッと聞きの"チキンテリヤキ"や"ヘンタイ"といった言葉たちに負けない、そんなパワーと創造性ある内容…メッチャ良かった

あ、そうそう、ロザリアすごく日本好きなのに日本でのサブスク再生回数が少なくてツアーで来れないそうだから、もっと聞いて広められる人は広めて
(追記:なんか、年越しに日本に来てたみたいだけどね)


で、3位と4位がこれまたどっちにしようか迷いましたが、

3) Sudan Archives - Natural Brown Prom Queen

スーダン・アーカイブスを3位に。
こちらはR&Bをベースにした、1位2位同様に創造性にあふれる作品。アルバムのまとまり具合は一歩譲るけど、曲のクオリティや時に訪れるアクセントや…それにバリエーションも豊かで聞いてて楽しい曲がいくつも収録されてました。プリンス最後のベーシストことMonoNeonが一部参加してるのも個人的には驚き&好感UP。上位2つに比べ中音域の芳醇さが聞いてて疲れない、生活のお供アルバム。2nd。


4) Quadeca - I Didn't Mean To Haunt You

そして4位はクアデカ。
これはもうまず設定がね、映画を見てるみたいなコンセプトアルバム。"幽霊視点での物語"は目新しさこそ感じませんでしたが、そのサウンドの美しさ幽玄さ…ロジカルに練られたリリカルな世界観に(?)心がグッと引き込まれました。聞けばクアデカさんも2ndアルバム。この人の場合YouTubeをベースに活動してた時間が長いようですけど(14歳から…!:Wikipedia情報!)まだ21歳、若ーい。これからも良い作品を期待しています。


5) King Gizzard and the Lizard Wizard - Made in Timeland

5位はキングギザードさん。砂肝王…砂肝王と蜥蜴の魔法使い。
多作のキングギザードさんは今年はなんと5つのアルバムを発表しましたが、これはたぶんあまり評価されてない方の一枚w。なんか元々はライブの会場限定アルバムとして配布される予定だったのがライブがコロナ関連で中止になって行き場がなくなり、でも紆余曲折の末3ヶ月後に発表→秋口にサブスク入り…なのだとか。なのでそもそも評価される機会が少なかったのと、インスト物なので彼らの評価ポイントとはちょっと違う…というかなんというか。
時計のチクタクをバックにいろいろな音楽が現れては消えていき…これはたぶん意図とは違うんでしょうが、なんかこう時間旅行してるようなwそんな印象が個人的に楽しかった。BGMとしても腰を据えて聞くにも気に入った作品でした。


6) Black Country, New Road - Ants From Up There

BC,NRは前年に引き続いての2作目。なにやら現体制はこれで最後らしく、今後は今後でどうなっていくのか気になりますが、とりあえず今作…まあ話題にも散々なってた気がしますが素晴らしいなと。
前作はパッと聞きキングクリムゾンを連想させられたんですが、今作に至ってはさらに滑らかにそれから一部は静謐になって、風格すら漂うロック的室内管弦楽団の佇まい。なにやら襟を正して聞き入っちゃいますね。

ところで、サブスクにDeluxe盤がありました。Disc2は1st曲を中心としたライブ盤。これ、いいです。今作好きでしたら是非。


7) Alex G - God Save the Animals

孤高の吟遊詩人Alex Gは9作目。前作までのこだわりの宅録DIY感覚をスタジオに持ち込んで高クオリティに仕上げています。前作は2019年、自分の年間ベストでは2位に入れましたがそれに勝るとも劣らない良作品。ただ今年の方が強い作品が多かったのでこの位置になってしまいました。もうともかく1曲1曲の完成度が高くて、聞いててトリップ感が半端ない。俺ね、ジャケのインコと一緒に空を飛んだよ(どうした


8) Gang of Youths - angel in realtime

8位はオーストラリアの雄、ギャング・オブ・ユースの3rd。不勉強にして存じ上げませんでしたが、U2やスプリングスティーンなどに喩えられるような作風のこのバンド、個人的に好きになる系の音楽でした。遅ればせながらこれから注目していこうかと、ハイ。
今回のアルバムは僅かにトライバルな香りだったりその他にも音的に奇を衒ったりする部分もありつつ、曲そのものは王道で歌メロも良くスケールが大きくて、とても良いアルバム。ちょっと長いのが玉に瑕ですが、自分は名曲9.brothersまでを区切りにした2枚組という意識で聞いたりしてました。


9) caroline - caroline

ロンドンの8人組音楽集団の1stアルバム。6位に上げたBC,NRと同様に、ロック的室内管弦楽団とでも呼ぶべき静謐な雰囲気漂う高潔な一枚。ele-kingに野田努氏曰く、「GY!BEのアコースティック版」ってのがまあとりあえずアルバムの入りの雰囲気としては…いくつかレビュー読んだ中で納得したもののひとつかなと。気軽に聞くというよりも、素晴らしい芸術体験をしてるようなアルバム。
これ作成するのに5年かかったって話なんで2ndはいつになるのかな。リピートして待ってます


10) 優河 - 言葉のない夜に

そして今年の邦楽最上位は日本発インディーフォーク、優河さん。3枚目。
まずなんたって…世代なもんで、あの男臭いARBの石橋凌の娘がこんな繊細な音楽やってたってのが驚きで。そしてバックを固める「魔法バンド」の空間マジック&それに乗って浮遊する存在感ある歌声…素晴らしいなと。そういえばバンドも交えたインタビューを読んだんですけど、アルバムとしては優河さんのスランプ→立ち直る流れになっているようで。意図的じゃないとのことですがそういうのもあって聞き易いのかなと。
ドラマの主題歌も収録。こういう方が世間に存在感示してくのは良いことだなと。


11-20位


11) Joji - SMITHEREENS

紅白歌合戦はハードル高いけどレコ大特別賞ぐらいはノミネートされていいんじゃないの、Jojiさん。本人名義ではフルアルバム3枚目。
つか単純に良い曲だと思うんですよね、前半のアンビエントR&Bも後半も。そしてその前後半の色がハッキリして且つTotal Timeが短くなったのでアルバム全体がだいぶ聞き易くなったという。まあ少し短過ぎな印象もありますが。9曲24分。


12) AURORA - The Gods We Can Touch

オーロラさんは今まで北欧の妖精っていうか、なんというかこう…人外のイメージ...っていうか人をまさに踏み外そうとしている、神秘的だけどある意味怖ろしいイメージすら感じてたんですけど(失礼)、今回のアルバムはもう一歩踏み込んで神々…つかこのアルバムはギリシャ神話インスパイアだそうですが、怖ろしさを越えて神々しくbutまたそれを客観視しているために人の温もりも感じて逆に聞き易く感じたっていうかなんというか。音はポップで仄かに幻想的。佳曲沢山&コンセプチャルなのでオーラスに向けて盛り上がる盛り上がる。案外今年一番聞いたのこのアルバムかも。


13) Charli XCX - CRASH

チャーリーXCXさんは・・敢えて言えば先進的な音使いとポップな音楽性の二面性を内包しますが、Sophieらと共に培った前者が強い時に特に評価が高く、今作はどっちかというと前者は押さえつつも後者に振ってきたために発売当初はそこまで評価が高くなかった印象。でも個人的にはあまりアバンギャルドになり過ぎない今作ぐらいのスタンスが彼女には合っていると思っていて、結局こうやって年間ベストの時期になって名前をちょいちょい見かけると、ほれ見たこt…ゲフンゲフン
で、姐さん、なんで水着で車にぶつかってるの


14) Various Artists - A Tribute to Ryuichi Sakamoto - To the Moon and Back

教授はどうなんだい。そろそろ新譜が出るけど、トラックリストがその曲を作成した日付だけっていうとなにかこう…心配が募るよ。
(閑話休題)
トリビュートはデヴィッドシルヴィアンからコーネリアスや大友良英、フェネスといった”わかる”ところから...意外なとこではやっぱりサンダーキャット。独自の千のナイフが聞けます。ただ、総じてアルバムの方向性はまとまってるので一枚の作品として聞けるというか、そこんとこ…同時期に発売された某アーティストのものは参加ミュージシャンの作家性が強く反映されていて聞いていてあっちゃこっちゃ振られるのでまとまりが薄くアルバムとしては疑問でしたが。教授はリスペクトされてるなと。
坂本龍一に神の御加護を。


15) Robocobra Quartet - Living Isn't Easy

ロボコブラ・カルテットってカタカナで書くとSFアニメみたいね。Robocobra Quartetさんはベルファストの6人組...のうち4人が不定期でステージに立つの?ホント?・・なんだかよくわからないんですが、なにやそういう決まった形に囚われない音楽ユニットさん。音的にも…このポストパンクにしてギターが入ってないとか、どうやらライブではインプロがさらに強くなるらしいとか、初めて名前を聞いたけどアルバム3枚目とか…まあ最後のはちょっと違いますが、いろいろこちらの意表を突いてきます。歌ってるのはドラム兼ボーカルだそうで、そこもちょっと意外っちゃー意外。


16) Wu-Lu - Loggerhead

勢いに乗るサウスロンドンシーンからのソロアーティスト、Wu-Luさんはデビューアルバム。近年のキーワードでもあるジャンル横断的なサウンド&心がひりつくような感触はまさに同シーンの佇まい。様々な切り口からのかっこいいサウンドがアルバムが進むに連れて次々と襲い掛かってきます。
black midiやSorryなんかとも接点あるんだってね。これからも楽しみ。


17) Viagra Boys - Cave World

ロック...というか騒々しい若者音楽の再興が感じられた2022年、その中でロック本来の(?)えげつなさ、ダイナミックさ、外連味をしっかり感じさせるバンドがいくつかあって…Viagra Boysもそのひとつ。それはジャンルというか地域性も大きいでしょうが、この鋭利な現実に直面せざるを得ない世界で彼らの音楽は一種の癒し…ですらあるわけですきっと…一部の人間には。
スウェーデン発Viagra Boys、今作が3枚目。芳醇なパンクロックは騒々しくも楽しい。アルバムずっと楽しい。


18) Florence + The Machine - Dance Fever

フローレンス・アンド・ザ・マシーンは5枚目。前作で内省的な内容&より繊細なサウンドに舵を切った彼らは今作ではその方向性はそのままに、それらをよりダイナミックに発展させた印象で。アルバムのトータル性はともかく粒揃いの楽曲累々。中でも白眉はやはり1曲目か。"I am no mother, I am no bride, I am King"という強烈な歌詞が突き刺さります。他にもいくつも佳曲が…大音量で聞くと良さを増すライブ映えしそうな曲が曲が曲が。ライブ見たいんだけどね、サマソニさん辺りお願いできませんでしょうか。ほらナイスワンもなんか言って。


19) Alabaster DePlume - GOLD - Go Forward in the Courage of Your Love

アラバスター・デプルームさんは…今回初めて聞きましたが、Wikipediaさんによると今作が5作目。UKのサックス奏者さん。いろんな音楽をバックボーンに持つジャズアーティストさんですね。
春先の一時期こればっかり聞いてたっけな。暖かい音色に包まれる幽玄ジャズ。チル。


20) Big Thief - Dragon New Warm Mountain I Believe in You

(感覚として、この20位で普段の年の12-3位ぐらいの感じ。今年は豊作と思う所以)
Big Thiefさんは5枚目のアルバム。私は今まで彼らにハマることはありませんでしたが今作は各年間ベストアルバムでも上位の常連で…なんとなく節目で聞き返す度にさらっと心に入り込んでくる良質な作品。カントリー系の曲を中心にまるでジャケの如く焚き火を囲んでの夕べを感じさせるような一枚は、和やかな曲から不穏な曲まで20曲、(サブスクで聞いてるのであまり意識はしてませんでしたが)2枚組の大作(80分)。ただ、ちょっと長いのでw個人的には聞き込みが足りないかな。聞くたびに良くなるような気がするので全体を堪能するにはもう少し年月が必要なのかなとも思ったり。
反面、現在の個人的な感想としては、バラエティに富んでるとはいえ一本しっかりと軸を感じ…2枚組の作品を作るには...ま、これはあくまで個人の感性なんでしょうが、まあ...こう…やるならもっととっ散らかってた方が好み(若しくはコンパクトにソリッドな方が好み)なんでこの順位かなと。
今回Big Thiefというバンドの音楽に入門したのはしました。次回作、楽しみ。


21-30位

さてここからが本番。なにせまだ出てないあのアルバムこのアルバム、好きだけで言ったら20位以内に勝るとも劣らない作品群あれやこれや。


21) Panda Bear & Sonic Boom - Reset

アニコレのパンダベアと元Spaceman3のソニックブームのコラボアルバムは、オールディーズ×エレクトロポップ。良い陶酔感チル感を提供してくれます。(個人的に「入浴にぴったり大賞」を授与)(おっさんが風呂入ってなんだって話ですが)


22) Oliver Sim - Hideous Bastard

ボカシました失礼

The XXのオリヴァーの初ソロ。内容はすごく良い…っていうかまずその前にあの声自体が深く魅力的な響きで好きなんですよね。曲も思ったよりずっとバラエティに富んでて好印象。自分を曝け出したとても勇気の要ったアルバムのようですが、個人的にはもっと上の順位のアルバムと比べても遜色ないとても良い作品だったなと。ただ、ジャケット写真は見てて痛い


23) Destroyer - LABYRINTHITIS

デストロイヤーさんはDestroyer名義で13枚目だそうで。その創作意欲とクオリティの安定感に頭が下がります。今作は特にダンサブルな曲が多い印象で、前作のシルキーな名作も良かったんですけど、これはこれでロックのダイナミズムを思い出させてくれて大好物ですよと。


24) Atom Eyes - Blue Into Gold

Atom Eyesさんはスコットランドのネオソウルバンド。だいぶ素直なハイエイタスカイヨーテみたいな感じ。めちゃめちゃカッコいいんだけどめちゃめちゃ無名で、twitterを検索すればほとんど日本のtweetだし、インスタのアカウントはフォロワーよりフォロイーの方が多いし、公式YouTubeチャンネルに至っては現時点で登録者が70名という……。がんばってー


25) SAULT - Untitled (God)

ジャケット真ん中に薄ーく書いてあります、タイトル

Saultは秋口に新譜を5枚同時に期間限定フリーダウンロードなんぞやってまして、えらいこっちゃダウンロードせねねばばと慌てましたが、2023年1月現在Apple Musicでは5枚とも確認できますw さてこのUntitled(God)は5枚の中でも彼らの元々のスタイルに一番近い音楽性で、ネオソウルっていうかジャズファンクっていうか、Godだけにゴスペルっていうか。やっぱこのユニットはこういうのが一番だな。。21曲73分の長尺。


26) Spiritualized - Everything Was Beautiful

スピリチュアライズドは今作で9作目。1stアルバムから30周年、傑作「宇宙遊泳」からは25周年。どういうきっかけかわかりませんがここにきてバンドは開き直り(?)、今作は一番の得意技とも言えるあの頃の匂いを放つ曲が次々と。いや今迄もそれは失われることはなくそれが金太郎飴感に繋がっていたと思うんですけど、今回は頭から尻尾まで純度100%のスピリチュアライズド。
アルバムタイトルが「全ては美しかった」で1曲目は「きみといつも一緒」ですから、過去形で語ってる美しい音楽をいつでもきみに届けるよってことかな。Beautifulです今作


27) The 1975 - Being Funny in a Foreign Language

The1975がこの位置かー。いや、特に前半はとても好きでこれは今回キタんじゃないのと思ってましたが、後半…個人的にはあまり乗り切らずに終わってしまって。聞けばこのアルバムを作るに当って、The1975とはなにか、なにがファンを惹きつけるのかということを念頭に置いたようで。つまりみんなの好きなThe1975ってこれだろ?ってことよね、1曲1曲磨きをかけた良曲揃い。ただ……それで出てきた今回の曲は、個人的嗜好とは特に後半は少し違うっていうか。曲単位では好きなのはいくつもあるんですけど、そんなわけでこれぐらいの位置。でも繰り返すけど、やっぱ前半めっちゃ好きー。


28) Steve Lacy - Gemini Rights

アルバム出て少ししてからだったかな、なんだかめっちゃ売れてるらしいと…ラジオとかでもよくかかるようになってちょっと驚きました。もはや"The Internetの~"とか必要ないぐらいになったSteve Lacy。アルバムは良曲揃いにして、特に序盤にドラムの存在感がないことが作品の印象を決定付けててる感じ。個人的には良し悪し。スッと聞けて(曲が良いので)耳に残る。


29) Melody's Echo Chamber - Unfold

メロディーズエコーチェンバーさんは今年2作品出しましたが、これはそのうち、純粋な新譜じゃない方。過去に完成に至らなかった”幻の2ndアルバム”の再構築盤。本来の形とは違ったものになったかもしれませんが、1st(2012年)と2nd「Bon Voyage」(2018年)の間に収まったであろう音が確かに鳴ってます。…ま、1stもボンボヤージュも好きなんでこれも当然好き。


30) Alvvays - Blue Rev

今年の青春キラキラ・ギターポップ&シューゲ枠。選出者によっては最上位付近にランキングされてる場合もあるほどの良曲揃いの充実盤。いいよね、せつなくも若く青い感じ。Supercarとか思い出す。


31-40位

(この辺りになると"ベスト"というより、これよく聞きましたとか完成度はともかく個人的に愛すべきアルバムとか、そういうニュアンス)


31) Foals - Life Is Yours

フジロックのステージも記憶に新しいFoalsさん。今作はコロナ禍への反動か、ダンサブルでアッパーな曲の数々。いいです、個人的に好きな方向性。…そしてわかります、こういうのって専門家筋の評価低くなりますよねw


32) Mondo Grosso - Big World

モンドグロッソさんは全曲ボーカルやコラボレーターが変わるアルバム。世間的にはピアノ坂本龍一&Vo満島ひかりの曲が注目されてましたが他にも、近年懇意などんぐりず、あの声が存在感デカいCHAI、それからオーサムのPORIN、ヨルシカのスイ、さらには(ex)乃木坂46の齋藤飛鳥をVoに迎えてなんと今回はシューゲイザーをやっちゃうという、まさに幕の内弁当。さすがにアルバムとしてまとめ切れてるかといったらギリギリかと思いますがw、1曲1曲のクォリティは高くて楽しく聞き通せる一枚でした。


33) MIZ - Sundance Ranch

MIZはMONO NO AWAREのフロントマン二人によるアコースティックユニット。今作で初めて知りましたが彼らKings of Convenience好きなのね。八丈島のかほりをブレンドしたそっち方面のサウンドがリラックスを誘います。個人的風呂アルバムpart2。…おっさんが風呂入ったっていいじゃない


34) Alfie Templeman - Mellow Moon

3人組のおもしろおじさん(60代)じゃないことでお馴染みのアルフィー・テンプルマンくん(19歳)は、アルバム発売時だか来日時だかのラジオ出演で聞いたこともないようなシティポップの人(勿論日本人)を好きなアーティストとして挙げていたのが印象にあって、アルバムからはそこまでシティポップの影響は感じられませんでしたが…日本が大好きだって言われたら贔屓したくなるじゃない、ポップで良質なアルバムでしたよと。ブレイクするといいな


35) G. Love & Special Sauce - Philadelphia Mississippi

なんかめちゃめちゃ存在感ないんだけどこのアルバム、リリースされてますよね? 年末までWikipediaにも記載がなかったような…。
そのWikipediaさん情報によるとGラヴさんの新譜はwithスペシャルソース名義では10作目。今回は以前よりもさらにグッと渋く、ブルースやルーツミュージックをやはりHipHopのリズムに乗っけてかっこ良く仕上げてます。まあ、好みよね、飽きない。


36) Spoon - Lucifer On The Moon

と、

37) Spoon - Lucifer on the Sofa

シンプル過ぎるほどシンプルな37)ギターロックアルバムの、エイドリアン・シャーウッドによるダブRemixアルバムが36)。両方好きなんですけど、36)はいろいろ付け加えられて彩りが増してどっちかといえばこっちがさらに好きかなと。
というか個人的には前作が至高なのでそれに比べると今作はシンプル過ぎて見逃してたんですよ、最初は。それがうちの3歳の娘が「スプーン良い」と。パパは驚きましたね、「いやそれスプーンって名前が馴染みある食器と同じだからおもしろがってるだけだよね?!」…たぶんそうなんですがwそれを認めず「スプーンかっこいい」「スプーン聞きたい(笑)」「スプーン(爆笑)」と言う娘のために何回も聞きなおすことになって、・・・やっぱかっこいいな(フム)と。娘よ、次は過去作を聞いてみるかい?


38) Chelmico - Gokigen

初っ端の「ローラーコースター」がかっこいいんですけど、次の♪Gimmie毎月三億円(非課税) に、そんなw明け透けなwと。流れが考えられてる前半といろいろ詰めてきた後半で感触が変わりますが、ま、全体的に彼女たちらしいキュートで楽しいアルバムだなと。あのあれね、PUFFYの空気感とちょっと似てる


39) Todd Rundgren - Space Force

32)のMondo Grossoと同じくコラボ満載であっちゃこっちゃ行きまくりギリギリ纏めきれてんのかいないのか、というアルバム。エイドリアンブリュー、リヴァースクオモから前述の34)Alfie Templeman、Lemon Twigs、挙句の果てにスティーブ・ヴァイ(!) そしてその中でも一際存在感を放っているのが、かのSparksを迎えた「Your Fandango」。奇人vs変人兄弟のコラボがアルバムの真ん中にどーんとそびえ立っています。
曲のクオリティは近作で屈指の充実ぶりなので、幕の内弁当ぶりを楽しみながら聞くにはとても良いアルバムだなと。


40) 佐野元春 - 今、何処(WHERE ARE YOU NOW)

自分は佐野元春という人は自身の加齢と共に、その人生に寄り添うような音楽…アコースティックになりスポークンワードになり最後はたとえばポエトリーリーディングをぼそぼそとつぶやくようなアルバムを出したりして、音楽と共に死んでいくのかと思っていました。それはひとつの理想形。人は…老いに逆らって若作りをする人もいれば静かに衰えを受け入れてその時々の生き様を見せていく人たちもいる、そんな人の生の…音楽家として後者の一例として生きていくのかなと、そんな風に思っていました。
しかし、どんななにがあったのか、はたまた自分の見立て違いだったのか、このアルバムで見られる佐野元春は若い。折りしも桑田佳祐主導の同い年コラボシングル「時代遅れのRock'n'Roll Band」へも参加。そこで影響もされたのか、2007年アルバム「コヨーテ」以来の瑞々しさが感じられました。
今後佐野元春がどのような音楽人生を志向していくのかわかりませんが、彼の魂が今何処にあるのか、楽しみに、次のアルバムも待っていたいなと思います。


…とかなんとか40コの作品についてつらつらと書いてるうちに、1月も半ばになってしまいました。もはやあけましておめでとうでもなんでもありません笑

ランキング振り返ります。

01: black midi/Hellfire
02: ROSALIA/MOTOMAMI
03: Sudan Archives/Natural Brown Prom Queen
04: Quadeca/I Didn't Mean To Haunt You
05: King Gizzard and the Lizard Wizard/Made in Timeland
06: Black Country, New Road/Ants From Up There
07: Alex G/God Save the Animals
08: Gang of Youths/angel in realtime.
09: caroline/caroline
10: 優河/言葉のない夜に

11: Joji/SMITHEREENS
12: AURORA/The Gods We Can Touch
13: Charli XCX/CRASH
14: Various Artists/A Tribute to Ryuichi Sakamoto - To the Moon and Back
15: Robocobra Quartet/Living Isn't Easy
16: Wu-Lu/Loggerhead
17: Viagra Boys/Cave World
18: Florence + The Machine/Dance Fever
19: Alabaster DePlume/GOLD - Go Forward in the Courage of Your Love
20: Big Thief/Dragon New Warm Mountain I Believe in You

21: Panda Bear & Sonic Boom/Reset
22: Oliver Sim/Hideous Bastard
23: Destroyer/LABYRINTHITIS
24: Atom Eyes/Blue Into Gold
25: SAULT/Untitled (God)
26: Spiritualized/Everything Was Beautiful
27: The 1975/Being Funny in a Foreign Language
28: Steve Lacy/Gemini Rights
29: Melody's Echo Chamber/Unfold
30: Alvvays/Blue Rev

31: Foals/Life Is Yours
32: Mondo Grosso/Big World
33: MIZ/Sundance Ranch
34: Alfie Templeman/Mellow Moon
35: G. Love & Special Sauce/Philadelphia Mississippi
36: Spoon/Lucifer On The Moon
37: Spoon/Lucifer on the Sofa
38: Chelmico/Gokigen
39: Todd Rundgren/Space Force
40: 佐野元春/今、何処(WHERE ARE YOU NOW)

あらためて見ても2022は豊作だったなと思います。また、こういうランキングって"評価"と"好き"のバランスが人それぞれだと思いますが、今回自分は例年よりは好きを多く加味したつもり。2023の年間ベストはさらにもう少し"好き"に振った順位にしたいな。そしてプレイヤー側の物量作戦に負けないようにリスナーとして速やかな選別とここぞの聴き込みを大事にしていきたいなと。平たく言えば、好きな音楽だけをいっぱい聞くようにしていきたいなと。


さて、宇多田はどうした?ビヨンセは?アクモンは?と思う方もいらっしゃると思います。その全部に触れることはできませんが、個人的にもまだ触れておきたいアルバムもありますので…でもさすがに長いのでまたの機会に。6月ぐらいまでに書ければいいなw(書かないかもね)


やー、長いことかかった
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
2023年があなたにとって良い一年になりますように。



それとコロナ死ね



それでは。

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