「嫌われる勇気」を読んで
この本は、もう何年も我が家の本棚に眠っていたものだ。読みかけては途中でやめ、また最初から読み直しては同じようなところで挫折し…を繰り返していた。
いや、決してこの本が堅苦しくて難しく、読みにくいというわけではない。私は昔から小説ばかり読んでいて、それ以外の書物、新書でも学問書でも自己啓発本でもなんでも、読んでいるとすぐに眠くなるタチなのだ。それで、大学ではずいぶんと苦労した。
この度、時間が有り余っていたので、意を決して読むことにした。実は、仕事の分野でも度々話題になる本だったので、このベストセラーを読んでいないということに少し引け目を感じているところもあったのだ。
本書は、アドラー心理学を研究する「哲人」と、その主張に反旗を翻そうと哲人のもとを訪ねた、とある「青年」の会話形式で成り立っている。そのやり取りのなかで、アドラー心理学の考えが解説されていくというものだ。
ゆっくり腰を据えて読んでみると、なんだ、すごく読み易いじゃないか。それなのに、とても深い。
哲人は言う。幸せに生きるためには「嫌われる勇気」が必要である、と。嫌われる勇気を持つということは、あえて他人に嫌われることをせよ、とか、他人に嫌われることこそが良い、とか、そういうことではない。他人の評価を気にかけず、他人から嫌われることを怖れず、承認されないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない、ということである。そして、自分の人生を生きることこそが、幸せになるためのひとつの条件であるのだ。
私は思った。「うん、なんとなくわかった。でも、やっぱり人に嫌われるのは嫌だ!!」そんな私に哲人は説く。変わりたいと思うのに変われないのは、変われないのではなく、本当はあなたが変わりたくないからであると。
ぐぬぬ。なかなか痛いところを突いてくるのだ。
この本には、幸せになるためのポイントが詰まっている。これまで常識と思っていたことが覆されるような、それでいて、普段から"本当はこうできたらいいのに"と感じながら、"そんなのできっこない。このままでいいや''と後回しにしたり避けたたりしていた、そんな部分をズバリ突いているというか。
とにかく、私は痛いところを突かれまくって、めちゃくちゃ刺激された。
この本で得たことを行動に移すかどうかは私次第だし、この内容を普段の行動に落とし込めるようになるには少し時間がかかりそうだ。でも、私はやっぱり変わってみようと思う。
私も、幸せになりたいからなぁ。
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