夜の秒針

規則正しい秒針の音が
君の寝息とシンクロして
僕は夜の闇に迷い込んだ
天井は突き破れない
真っ直ぐに向いた空の先
天井が邪魔で突き破れない

さっき見た星は
何等星かな
地球が動くから
ベットに横たえる僕でさえ
地球と一緒に動いてる
天動説みたいに
星が動くのと勘違い
ずっとすれ違うのは
寝息を立てる君と僕

息を止めるように
ここでサヨナラというのは
僕にとって正しいか
すれ違いすぎてわからない
迷っているんだ
ずっと前から

オロオロと泣いてみるのは
僕だけでいいよ
秒針の進み具合を確かめて
秒針の音に合わせて
オロオロ泣くさ
君はただ
秒針に合わせ
寝息を立てて
幸せな夢を見て
幸せなまま
起きたらいい

僕は夜に飲まれたまま
小さく息を引き取って
天井を突き抜け
空に向かうさ
秒針の進み具合は
いつの間にか
止まってんだ

僕は闇に飲まれたまま
小さく息を引き取って
天井をすり抜け
空に向かうさ
秒針の進み具合は
いつの間にか
止まってんだ

サヨナラするには遅すぎた

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