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昔々の尖ってたわたしへ

図書館の視聴室でたまたま聞いて、何故かピンときて貸出コーナーへ。
スピーカーに小型ラジカセ近づけて録音したLP版レコード。
誰も借りるひともいないにちがいないと思う満足感。
低くて太い声で歌い上げる愛情と裏返しの憎しみ、深くて激しい日本人には出来ない感情の起伏にとても憧れた。

あの頃は、区民図書館に視聴覚コーナーがありレコードまで貸し出してくれるということさえ、私にとっては十分斬新だったけれど、現在ではYoutube等で、何処にも行かなくても、クリック一つで何でも視聴できる。

何年経っても人間の嗜好というものはそう変わるものではない。思いつくまま自由に検索していくと、もうすっかり忘れていたあの歌手の歌にたどりつき、その日本語カバーがあったことを初めて知った。

本当にありがたい事だ。Youtubeがなければ、こんな歌を好きなのは私一人に違いないと、ずっと勘違いしたまま忘れ去って思い出しもしなかっただろう。
シャンソン歌手の岸恵子さん。名前しか知らないけれど、こんなにポピュラーな人がカバーを歌っていたなんて。わたしの思い込みでは、優しく歌ったらストーリー性を失うと思っていたけれど、そんなことはなかった。
そしてもう一人、布施明さんも同じ歌を自身の訳した歌詞で歌っていた。
鬱気味の女性を、遠くから励ます男性の立場で、人柄の感じられる素敵な訳詞と歌唱力。
あの頃の激しい気持ちもすっかり溶けて流れた今、オリジナルよりも、このお二人の歌を、まるでデュエット曲かのように、交互に口ずさみ歌詞とメロディーの両方を味わっている。

もしここまで読んでいただいて、きいてみたいと思った方がいらっしゃったら、リンクはこちらです。

愛はるかに 岸洋子さん
愛はるかに 布施明さん

#思い出の曲

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