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不幸のすべて・第十八話「正しい状態とは?」

 子に甘い親は、心の弱い大人を育てる傾向をもちます。そんな親からは良い大人は育ちません。そしてダメな子供が悪い世の中を造り、その世の中が、結局、自分自身の不幸を造るのですが……これは考えるに、ただ不幸が世の中を循環しているだけのことです。
 霊的な見方をすると世の中の在り方はすべて〈ぬし〉の振る舞いによって決まります。主と言うのは、今の言葉で言うと〈集合的無意識〉や〈潜在意識〉のようなものだと考えてください。無意識が集まったものの一種で、独自の心を持った存在です。心を持っているので、集合体である〈群れ〉に影響を与えます。
 これをたとえるならば、あなたの目の前を大きなイワシの群れが泳いでいる様子を想像してみてください。たくさんのイワシが群れをなして、あたかも大きな生き物のような雰囲気を醸し出しています。その中心に主が発生しています。群れ全体はイワシの主の意識によって行動しています。
 他にもどこかに書きましたが、主とは存在するすべての心を集めたようなものです。古くから存在が知られています。〈川の主〉や〈沼の主〉と呼ばれるものはそれと同じ種類のものです。
 主は神の一種として敬われています。しかし、厳密に言うと神ではありません。主が神の場合は、その名に〈何やらの神〉と言う〈神〉の字が付きます。
 たとえば神話の中に〈天御中主あめのみなかぬし〉と言う神がいます。この神の名は天の中心にいる主の神と言う意味です。
 主は心を持ちます。明らかな意識があり、意識に基づいて群れを行動に導きます。
 主の心のあり方や振る舞いが、主を構成する要素としての人の心に深い影響を与えます。そしてその影響で、目に見えない幸や不幸を左右するのです。

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