1話たくさん観ました・秋の夜長はドラマ（2021年秋クール）

ドラマ砂漠が広がった夏が明け、最高の秋がやってきました。芳醇。豊潤。まだ4本しか観始めてないし（更新して5本）、これからまだまだ始まりますが、既に2本が勝ち確です。すごいです。
皆さん、秋の夜長はドラマを観ましょう。

おすすめ順です。

TBS・金曜22時『最愛』　吉高由里子・松下洸平

最低でも3年に1本の傑作となることはほぼ確定。ドラマ1本だけなら観られるけど何を選べば良いのかな？な方は迷わず『最愛』を選びましょう。第1話、70分間、文字通り釘付けでした。

冒頭3分。『Nのために』ファンの全ツボを押さえきり、はっきりと「本気でもう一つの『Nのために』を作る」を見せてくれていて、もうこの段階で発狂せんばかりでした。淡く爽やかな青春と恋、お洒落不穏ギミック演出、美しい田園風景に際立つ主人公の自転車……！あれが好きだった人は一人も漏らさずに観てください。全部あります。

瑞々しい岐阜編とサスペンス東京編のコントラストがはっきりしていてどちらも魅力的なのも『Nのために』と同じ。東京編からのキャストも皆、味と不穏が入り混じってて映るだけでドキドキする……。切なさ極まる宇多田ヒカルもこれからどんどん効いてくる予感。傑作が始まったので、とにかく観てください。ただ、ホラーが苦手な人は部屋を明るくして観て！サスペンスシーンの演出とか色味が巧すぎて、本当に怖いです。笑

日テレ水曜22時『恋です！ヤンキー君と白杖ガール』 
杉咲花・杉野遥亮

日テレ水曜枠は当たり外れがあまりに激しくて信用できない……なんて思っていたけれど、『ハコヅメ』に続いて大当たり。日テレらしいパキッとしたコメディタッチに、視覚障害とはどんなこと？の丁寧な描写、真っ直ぐすぎる恋心とすれ違い、どちらも最高に上手にマッチして、説教臭さなんて微塵もないのに新しい気付きを得られる素晴らしいドラマになっています。

ヤンキー君の黒川はバカすぎるけど、偏見もなにもない彼から出てくる言葉も行動も最高に愛らしくてどこまでもグッと来てしまい、2話はその気になれば60分間泣き続けられるってくらい感動しちゃいました。一方で切実なところはちゃんと切実だったりもして。とにかくグッとくるポイントにズレがない！ライトに楽しみながらも自分と違う世界を想像するってどんなこと？を考えさせてくれる良作です。週の半ばはこれで乗り越える！

フジテレビ月曜22時『アバランチ』
綾野剛・千葉雄大・木村佳乃

「綾野剛・千葉雄大が好き」「映像にこだわりのある作品が見たい」人には絶対に逃してほしくない一作。映像はさすがの藤井道人監督、深い青色とコントラスト、短いカットの回し方がお洒落でとにかく目に飽きることはないです。

そしてキャストが異常なほど全員魅力的。映像の力もかなりあるけど、キャラクターのハマり方がちょっと尋常じゃないです。正直、内容がどうであってもそれだけで惹き込まれて数時間は観ていられるんじゃないかというレベル。ダークと軽妙の綾野剛、キリッとクレバーな木村佳乃、ぼーっとヘタレな福士蒼汰、童顔がラブいハッカー千葉雄大、走り闘うメアリージュン、闇の本音と建前の渡部篤郎、全員寸分のブレもなくて、画面に居るだけで凄まじく魅力的。特に綾野剛と千葉雄大。綾野剛は「目に光が消えた瞬間」を確実に画面のこちら側に伝えてくるし、仮面アリのシーンでも明らかに目だけで芝居をしていてちょっと背筋がゾクッとする。千葉雄大は甘々な喋り方・表情・仕草、全部がこの人じゃなきゃ成立しないという可愛さで、それがハッカー特性と合わさったらもはや神秘みたいな感じ！？ドーパミンを刺激してくるというか……どこかおかしくなりそうな魅力魅惑がもはや魑魅魍魎みたいな……（壊れました）

一方で内容そのものはそこまで突出した感じはなく、何より『新聞記者』に引き続きやっぱり藤井監督のメッセージ性は全然私には合わない。警察モノではなく反権力で進んでいくのはエンタメ的に面白い！ので嫌いじゃないしむしろ好きだけど、「俺達が正義」と言い切れちゃうことを前提に進んでいく世界観がどうしても受け入れられない……。綾野剛繋がりで『MIU404』もそういう姿勢だったのが苦手だった。私は正義が揺れ動く作品が好きなので。とはいえ、『新聞記者』の時のように「反権力作品が何と地上波でできるようになった快挙！」みたいな呆けた流れさえ出てこなければ、変なところでテンションを下げずに観続けることはできそう。

いずれにせよとにかく映像美キャスト美なのでおすすめできます！是非。

日テレ土曜22時『二月の勝者』
柳楽優弥・井上真央

とりあえず期待通りに面白い。ぶっ飛び冷徹主人公、はあるあるだけど「人類を覚醒させるための新しい実験か何かですか？」の方向性は斜め上の飛び方で良かった。めちゃくちゃぶっ刺さるグッと来るポイントは今の所見つからなかったけれど、60分はあっという間に過ぎたし、柳楽優弥と井上真央を連ドラで観られる喜びはなかなか大きいので当面観続けます。

ただ突っ込みどころ？というかイマイチ納得できない部分は結構あって、「アキレスと亀」みたいな話をサッカーボール使って「可能性はある」的な話につなげていたけど全然意味が分かりませんでした！小学生、うなずいていたけど……私がバカなだけですかね？笑　あと井上真央の教員辞めたエピソード、ダンス部部長ということで俺じゃん〜という気持ちで見ていたのですが（ダンス部部長でした）答案用紙に顧問の悪口書く、ってどんなエピソードやねん。笑　顧問の勧めがあろうと最終決定は自分でしない限り試験会場行かないでしょうが、という突っ込みを入れざるを得ない、もうちょっと何かあっただろエピソードでした。まぁでも枝葉なんだよね、別に大して気持ちが落ちることもないです。

一方、凡人こそ勉強、は本当にその通りなのよ、としみじみ納得してしまう言葉ではありました。今後の中学受験エピソードも楽しみ！

フジテレビ木曜22時『SUPER RICH』 
江口のりこ・赤楚衛二・町田啓太

赤楚衛二が可愛すぎて観ちゃう。前髪が可愛すぎる……。

フジの木曜劇場は『ルパンの娘』を筆頭に大好きな枠で、私の中では「良いトンチキ枠」として認識されています。今回も宣伝の雰囲気から結構トンチキエンタメ（あとエロ）を想定していたのですが、思ったほどトンチキではなかったな？という肩透かしではあった。（そんなにトンチキを求めているかと聞かれると別にそうでも無いんですが。でも木曜劇場だからね）

結構バキバキっとした設定かと思いきや、よく考えるとちょっと不思議なのが、ベンチャー社長の江口のりこは昔からお金持ちのお嬢さんだった、ってところ。普通、ベンチャー社長って這い上がりで描かない？とか、共同経営者の男に対して恋心があったのか無かったのか、みたいな案外中途半端なことをやっていて、いまいち捉えどころのない第一話という印象。

とはいえ貧乏学生・赤楚衛二との対話は面白くて、お金をめぐる貧乏人と金持ちの価値観のぶつかり合いをリアルに描き続けてくれたら、とても良いものになりそう！いわゆる「自己責任論」に対するお互いの見解がぶつかるところも議論としてとても良かったので、タイトルもSUPER RICHだし、その辺りが観られることを期待して視聴継続！赤楚衛二の「いただきます」の瞬間の表情がもう失神レベルに可愛いので観てください。

日テレ系木曜23時59分『アンラッキーガール』 福原遥

『青と僕』『JOKER×FACE』『ぼくは麻里のなか』のスミス監督の映像目当てで一話視聴。途中までうーん、という感じだったけど最後で何となく視聴継続。パキッとした日テレの作りにいい具合に深夜が混ざっていて、嫌いじゃないかも。ぽやーんとした福原遥が可愛い。アンラッキーもラッキーに変わる、はメッセージとしてはちょっと単純すぎな気もしたけど、観ていて元気が出る作品ではありました。スミス監督のお洒落映像は良かったけど、やっぱりダークな世界観の方がバチッと合って惹き込まれるなーとは思ったかな。

これから観る
・『二月の勝者』　
柳楽優弥が相当好き・中学受験が好き
・『アバランチ』　
ダーク綾野剛が好き・藤井道人監督の映像は好きだけどメッセージは不安
・『群青領域』　
NHKドラマへの圧倒的な信頼。そして『最愛』と丸かぶりという圧倒的悲報
・『和田家の男たち』　
大石静への圧倒的な信頼。相葉くん。
・『婚姻届に判を押しただけですが』
TBS火曜ラブコメはnot for meだが、菅波力で楽しみに。

観ないけど

・『真犯人フラグ』
注目作だけど、秋元康ドラマは観ないので。でも『あな番』ハマった人は是非楽しんできてね！！！