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藤本淳史さん【京都府】公立小中→(高校受験)→京都成章高・現役→東大理一

0.今回の教育答え合わせさん

→京都成章高から東京大学理一に合格された東大卒芸人の藤本淳史さん。今改めてご自身の教育を振り返った結果はこちら!

藤本淳史さんの教育答え合わせに迫ります。


1.回答者略歴


Q:お名前を教えて下さい。
→藤本淳史

Q:年代を教えて下さい。
→40代

Q:ざっくりのご職業・業界を教えて下さい。
→お笑い芸人

Q:ご自身の幼少期のキャラクターについて教えて下さい。
→元々は凄いおしゃべりだったけど、母から「男のおしゃべりはダメ」と言われたこともあり、人見知りが出てきて、人前に進んで話す感じではなくなった。
 
Q:ご自身の性格について、以下の観点でお答えください。

Q:最終学歴を教えて下さい。
→東京大学 工学部
 
Q:そこまでのルートを教えて下さい。
→公立小→公立中学→(高校受験)京都成章高(進学コース 特待生)→東大

Q:大学合格時点での学習能力の自己採点をお願いします。

①  自走力・自律性 :4P
中高と「学年で1番の成績を維持しなければならない!」という謎のモチベ―ションで勉強を自ら出来た。

②  要領の良さ :3P
客観的に見たら良いんやろうけど、自分ではあんまり良くない気がする。例えば気を抜くと一つの問題とかを考えすぎて試験時間足りなくなりがちではあった。

③  持久力・耐久性 5P
集中し始めたらずっと出来る。

④  ストレス耐性 5P
勉強に対しての得意意識もあるんだろうけど、そこまでストレスにならなかった。

⑤  理解力 5P
あった方だと思う。腹落ちしないと気が済まないタイプだったこともある。

⑥  関心範囲の幅 4P
5教科でいうと勉強がきつかったのは社会(世界史)くらい。それ以外は「点を上げるゲーム」という観点も含めて楽しめた。
 
Q:教育の得点配分を教えて下さい。

Q:得点配分の意図を教えて下さい。
→高校は自分的にも凄く頑張ったし、この3年間の頑張りが大学受験の結果に直結しているなという感覚がある。その基礎となった中学時代とあとはやっぱり両親のスタンスは小さくないと思うのでこの配点。


2.保護者の教育スタンス(配点25点)

Q:ご家族の最終学歴について教えて下さい。
→父:同志社卒
 母:関西外国語大学卒
 兄:同志社(中学から)
 姉:専門学校卒

Q:保護者の教育方針はどのようなものでしたか?
→大前提として、「今は就職難の時代やから大学くらいはせめていかないと」というのがあった。自分が幼稚園くらいの時からそんなことが家庭で話されていた記憶はある。

一方で両親ともかなり放任主義だったので、何かすごく「やれ!やれ!」とかって言われた記憶はない。

Q:その教育方針はご自身の学業にどう影響したと思いますか?
→最初のでいうと子供ながらに「大学に行かないといけないんだ」という事がおぼろげながらインプットされた。

放任主義については、自分には凄くプラスに働いたと思う。

Q:ご両親は学業に関してどんな接し方でしたか?
→上述の通り基本的には放任主義。

母からは小学校くらいまで「勉強しなさい」「ゲームばっかりやって」みたいなことも多少は言われたが、中学の時に塾主催のテストで受験者数600人くらいで1位をとって、「おたくのお子さん凄いですよ!」と言われてからは何も言わなくなった。

Q:今振り返って学業につながった、家庭内の文化や習慣があれば教えて下さい。
→クイズ番組
昔「ヒントでピント」という番組があって、これを家族みんなで見ていた。正解をみんなで考えたりするのが楽しかったし、「これ知ってるの凄い!」という空気が家庭内にあった。

Q:ご両親の教育スタンスについての小計を教えて下さい。

→満足もしてるし感謝もしてる、両親のスタンスは自分には合ってたとは思うが、ただし「改善の余地」が全くないかというとそんなこともない気がするので、3点マイナスとした。


3.~小学校時代※小学受験含む(配点20点)

Q:小学受験はしましたか?
→全く考えてなかった。

Q:小学校の頃の学業成績について教えて下さい。(全6レベル)

→一番上だった。正確にはトップタイかな。テストで100点をとる子は他にもいたので。
他の東大卒の人とかみたいな「神童」という感じはなかった。

Q:小学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?

100点取るのをゲーム感覚で楽しめたというのはあるが、夏休みの宿題とかは後回しにする感じだった。

Q:小学校の教育環境についてはどう考えていますか?

→東大合格という到達点に関していえば何の意味もなかった。人付き合いとか社会性を学ぶみたいな意味の方が大きかった。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

ほぼしてない。やるとしたらテスト前とかだけだったので。それを平均しても30分いってないと思う。

Q:小学校まで習い事は何をやっていましたか?

Q:習い事の学業成績への影響面について教えて下さい。
習字…ある程度殴り書きしても読める字になるという点では、勉強面での意味があったと思う。

水泳…なかったと思う。体力は学校の休み時間の遊びで十分ついてたと思うから。

陸上…ある程度はあった。球技とか苦手で体育がそれほど得意じゃない中で、持久走は学年1位とかのレベルで成功体験にはなった。また、「目標タイムを目指すために100mを●●秒で走らないといけないから」と計算するのですが、そういう計算の立て方、PDCAのやり方なんかを学んだ気がする。

Q:今振り返ってやればよかったと思う習い事は?
→そろばん。

極めれば計算スピードが桁違いになるので、「この問題、計算ゴリ押すれば解けるけど‥‥でも大変だからやめよう」みたいな事を考えずに計算力のパワープレイで押し切れるのは数学において大きな武器だと思う。

Q:小学校までの読書について教えて下さい。

漫画はいろいろ読んだけど本は全然。活字に対しての苦手意識もあった。

Q:読書量・読書ジャンルと学力との関係についての分析をお願いします。
 →そんなにないと思う。自分は全然本を読んでこなかったし、読書に対しての苦手意識も少なからずあるけど、国語のテストは苦手じゃなかった。論理的に解いていく科目だと思うので、本を読んでなくても国語の学力は身に着けられると思う。

Q:当時熱中していたことは何ですか?それは学業にどう影響しましたか?→ゲーム。ドラクエ、FFのRPGやパワプロ、メタルギアソリッドなんかにハマっていた。
どちらかと言えばプラスに働いたなと思う。理由は2つある。

①レベル上げしてボスを倒す感覚
レベル上げしてボスを倒す感覚と、勉強してテストでいい点を取るのは似ていると思ってて、その感覚がゲームで身についた。レベル上げは面倒くさい、でも着実に強くなっていく、ゴールドもたまっていく、その流れの楽しさを学んだ。

②ゲームへの欲求がその時期で消化された
「小さい頃めちゃくちゃ遊んだな」という記憶があり、それによって、中高になってそれほど「ゲームをしたい!」と欲求が残らなかったなと思う。

Q:小学校時に学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?
→小6の時に放課後自分だけ教室に残されて知能テストを受けさせられた。
あとは、学級代表や学校を代表しての感想文みたいなのをお願いよくお願いされたが毎回断っていたところ、先生たちが「なぜ断るの?」とビックリした表情をしていたこと。

Q:小学生時代の教育環境の小計を教えて下さい。

→マイナス2点は①の時と同様で「余地」の領域。ゲームを思いっきり出来たことなど基本的には満足している。


4.中学時代※中学受験含む(配点25点)

Q:私立の中学受験は考えましたか?
→考えた。もともとは中学受験をする予定で塾にも小5から通う予定だったが、小学校の時に通っていた陸上部のコーチが凄く怖くて、「途中でやめるなら入ってくるな」的な事を言っていて、受験を高校に先延ばしした。

Q:中学行時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)

→もう2,3人凄く成績の良い人もいたと思うが、その人たちも含めてずっと学年のトップだった。

Q:中学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?

→塾に通い出して、そこの先生が怖かったというのもあったので、他律的な要素も大きかった。

今でも覚えてるのが、最初の授業で同じ教室の子が「同じ人間が同じことを同じ教えてて、出来る奴もいるのに、お前は出来てない。お前はアホや!」みたいなことを言われてて、「こんなこと言われたくない」と強く思った。

あとは一度テストで1番になって「ここから落ちれない」という気持ちが芽生えて、それも勉強のモチベーションになった。

Q:中学校の教育環境についてはどう考えていますか?

→学年のトップを獲れる環境は自分にとってはどちらかというとプラスだったと思う。

ちなみに塾では最初にコミュニケーションでミスって友達が出来ず、最後まで友達がいなかった。ただこれは結果的にプラスになってて、休み時間を勉強の時間に当てることが出来た。友達がいないって自由だなと思う。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

→しない日はしないけど、塾があったので、その宿題の対応とかで結局毎日1時間くらいはしていたと思う。

Q:中学校時の習い事について何をやっていましたか?

Q:習い事について学習能力への影響を教えて下さい。
→凄く大きかった。学校で解き方のスタンダード的なものを習うが、そこからさらに上の、そして色んな解法を教えてくれて、どうしたら効率的に点が取れるか、より高得点が取れるかみたいなことを教えてくれた。塾で使う問題集も、塾用の本格的なやつだったと記憶している。

あとは、塾で試験を受けると学校で習ったことの範囲外の問題が平気で出てくるのも刺激になった。大学受験でもそういった問題が出てくるので、そういうことに慣れることが出来たなと。

Q:中学時代に学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?
→先ほどの塾の初回の事件。

Q:中学校時代の教育を振り返ってどう評価しますか?

→マイナス3点は余地。


5.高校時代※高校受験含む(配点30点)

Q:私立の高校受験は考えましたか?
→中学入学時点で考えていた。家庭の経済状況から、「特待生のとれるところ」という条件があって、その中で、塾の先生が「京都成章高だったら、しっかり勉強をこなしていけば学力がちゃんとつくから」と勧めてたのもあって京都成章高に決めた。

Q:進学実績的にはどんな学校なんですか?
→京大は毎年数人、東大に数年に一人合格者が出るような学校。かなり人数が多く、レベルの上下の幅も広かった。

Q:高校時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)

→もう一人賢い人がいて、その人と学年トップをずっと争ってるような状況だった。

Q:高校での勉強への意識はどのようなものでしたか?

→宿題や課題が凄く多くてそれをちゃんとやっていった感じ。

あとは学校で勉強以外にやることがなかったというのも大きい。特待生として入ったので、「運動部には入らず、勉学に勤しみます」的な誓約書を書かされた。バイトも当然禁止だった。また僻地にあったので繁華街で遊ぶようなこともなかった。

Q:高校の教育環境についてはどう考えていますか?

→自分に甘いので、宿題や課題が多いというのは良かった。勉強に対してのモチベーションを自分で高めなくてもいいというのは大きかった。

また先生も教え方が上手かった。授業で分からないことがあったら、職員室のとなりに質問ブースみたいなのがあり、そこでいつでも疑問を消化できるなどサポート体制も凄くしっかりした学校ではあった。

この学校じゃなかったら、東大合格の可能性が減少してたまであると思う。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?(平均値で算出してください。高3は受験期を含む1年間、受験期はピーク時という意味)

学年×勉強時間が推奨されていた。でも振り返るとそこまでやってなかったと思う。受験期も10時間くらい勉強する日もあったが、全くやらない日もあった。

学校で受験に対する補講みたいなのもかなりあったので、学校で勉強が完結するというか、そんなに家でやってなかった気がする。

Q:習い事は何をされていましたか?
→高校時代は習い事はやってない。
ただ、駿台がお試し無料授業を学校に売り込んだ時に講座を受けたことがある。感想としては「凄く分かりやすい!問題を解くテクニックの引き出しがまだまだ(学校で教えてもらってる以上に)あるんだな」とは思った。

Q:センター試験と東大二次の試験結果についても教えて下さい。
→センター試験は確か800点満点の708点だった。東大2次はちゃんと覚えていないが、合計点が340-350/550点だったと思うので、250-60/440このくらいの点数だったのかなと思う。

Q:高校時に学習・進学などで記憶に残る言葉・事件はありますか?
→センター一ヵ月前くらいに世界史が模試で50点で、これはヤバい!となって一ヵ月めちゃくちゃ勉強した。

Q:高校以降の教育を振り返ってどう評価しますか?

自分の努力としてベストを出し切れたなと思うのでここは満点。ここは改善の余地がないと思う。

Q:ご兄弟(姉妹)との学歴または学力の差異があれば、その発生要因の分析をお願いします。
 →兄弟間で会話が凄くあったわけではないので、兄姉の学力はよく分からない。でも、兄は凄く頭が良かったんだろうなと思う。姉は凄く勉強が出来るタイプではなかったが、その分家族の中で凄く人間的に出来てる。人間の能力は凸凹だなと改めて思う。

5.答え合わせを終えて

→学歴は資格と言うか能力の証明書みたいなものだとは考えてる。2~3年を一つのことに、しかも誰もそんなにやりたくない面倒なことに注力して、結果を出すことができる人間、その証明ではあるなと思う。

その能力が仕事にも汎用的に行かせる可能性があるから、企業としては高学歴の人を取りたいという理屈になってるなと。

辛いこと、苦しいことに耐えられる証明書だね。

6.採点後面談

どうも、#1のカラシカシです。
今回の答え合わせも凄く面白く、また色んな示唆に富んでいました!

気になったポイントは以下通りです。若干備忘録的な書きぶり失敬!!

★やればよかった習い事=そろばん
「計算ゴリ押し解法をチョイス出来る計算力」についてはなるほどなと。計算力ってバカに出来ないというか、やっぱり偉大なんだなと。

★読書量と国語力は比例しない
僕は大人になって「国語の問題は実は凄く数学的に解けるんだなということ」に気付きましたが、藤本さんの答え合わせを読んで確信できました。一方で、圧倒的な読書量があれば、それがナチュラルに出来てしまう部分もありますよね。子供が本に興味を示さないなら無理強いしないのも一手かなぁ。

★私立高校の選択肢
宿題や課題が多く、勉強のサポート体制もあれば、塾に行かなくてもいいという意味で私立高校もありだなと思いました。きっちりそれをこなす真面目な人間ならなおさら。



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