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教育ログ16人目(公立現役→京大経済)

0.今回の教育答え合わせさん

→九州の公立高校から京都大学経済学部に合格されたオスシさん。今改めてご自身の教育を振り返った結果はこちら!

「親は教育に特に関心なく、周囲の環境によっては大学進学すらしていなかった可能性が高く、たまたま意識の高い家庭が多い新興住宅地に住んだことと、その地域での歴史ある進学校に進んだことが、功を奏したラッキーな事例だと思います。」と語るオスシさんの教育答え合わせに迫ります!


1.回答者略歴


Q:お名前を教えて下さい。
→オスシ

Q:年代を教えて下さい。
→アラフォー

Q:現在のご職業は?
→会社代表

Q:ご自身の幼少期のキャラクターについて教えて下さい。
→泣き虫のいじめられっ子
 
Q:ご自身の性格について、以下の観点でお答えください。

Q:最終学歴を教えて下さい。
→京都大学経済学部
 
Q:そこまでのルートを教えて下さい。
→公立小・中学校→県立高校→京大

Q:大学合格時点での学習能力の自己採点をお願いします。

※各5点満点の6要素で15点以上となるよう配分をお願いしています。

Q:ご自身の各学習能力に関してどう考えていますか?

①  自走力・自律性 :4P

…勉強しろと親から言われたことは一度もない。テスト前に一気に勉強するタイプだったので計画性があるかと言われると不明。ただ、自分で決めた勉強量は担保し、受験期は必ず8時間寝ると決めて実行していたのでそれなりにコントロールできていたと思われる。

②  要領の良さ :5P
…ヤマカンがめちゃくちゃ当たる、選択肢を選ぶ問題に強い。また、京大の問題はドツボにハマる系の問題が多いので、「これは解かずに捨てる」という判断も得意だったため要領はいいと思う。ちなみに受験も出題予想が当たって友人にめちゃくちゃ感謝された。

③  持久力・耐久性 2P
…短期集中型、鍛冶場の馬鹿力を発揮するタイプなので持久力はない。過集中気味で短時間の生産性は人と比較してめちゃくちゃ高いが、コツコツやるのは苦手。

④  ストレス耐性 3P
…勉強にストレスを感じたことがない。強いていうなら先生の好き嫌いが如実に成果に現れていたため、嫌いな先生の科目の勉強は辛かった。物理や数学は得意なのに理系に進まなかったのは、ただ化学の先生が嫌いだったから。

⑤  理解力 4P
…2,3聞いて10理解する理解力はあると思う。相手の説明力にやや依存するが、教え方が上手い先生であればあるほど、難しい理論や問題への理解スピードは早かった。

⑥  関心範囲の幅 4P
…得意科目は地学と地理の時点でいろんなことに興味を持てるタイプだとは思う。昔から雑学が好き。

Q:ご自身の各学習能力に関してどう考えていますか?
→幼少期から理解力・学習能力は高かったが、幼稚園・小学校ともにそのことを周囲から気持ち悪いと言われ続けていたので自己肯定感はものすごく低かった。
 
Q:教育の得点配分を教えて下さい。

Q:得点配分の意図を教えて下さい。
→私の事例でいうと、「住む場所選び」がたまたま良かっただけのように思う。

中学校はのちに述べる「治安の良さ」が功を奏しているため、親や教師ではなく、周囲の児童・生徒ひいてはその人たちの保護者の教育スタンスが良かったように思う。

中学では進学校を目指す人が多かったため自然とそこを目指すようになり、高校は進学校で先生も生徒もいい人で純粋に学力が伸びたと感じる。


2.保護者の教育スタンス(配点25点)

Q:ご家族の最終学歴について教えて下さい。
→父:工業高校卒 母:専門学校卒 妹:公立大学 工学部卒

Q:ご兄弟(姉妹)との学歴または学力の差異について、その発生要因の分析をお願いします。
→妹は大学も高校もいわゆる二番手校に行ったが、幼少期入院がちで勉強についていけず、勉強嫌いになったのが要因だと思われ、ベースの学力は私と同じくらいだと思う。とりあえず私も妹も圧倒的に父親似。

Q:保護者の教育方針はどのようなものでしたか?
→祖母にも母にも「女だから勉強より家事をやれ」と言われ育った。(その割には真逆の仕上がりになっているが)

まだ当時は「女に学はいらない」みたいなことを言う人も周りに多く、京大進学時も親族でもないおっさんに「無駄な金を・・・」みたいなことを言われたことがある。
 
そのため教育方針は特になく、幼少期は親も大学進学を全く想定していなかったと思われる。私がテストの点数が良かったのもあるが、勉強しろと言われたことは一度もない。(逆に通知表の態度点が悪いとめちゃくちゃ怒られたし、家事手伝いをしないのもすごく怒られた)

方針はない一方で、進路に関してはあれしろこれしろとも言われず自由を尊重してもらっていたように思う。
 
Q:その教育方針はご自身の学業にどう影響したと思いますか?
→特に何も言われていなかったことが、あれやこれやとあまり言われたくない私にとっては良かったと思う。

Q:ご両親は学業に関してどんな接し方でしたか?
→学業に関してはほぼノータッチで、基本は子どもの意思を尊重してくれた。要所要所で父が大事な話をしてナビゲートしてくれた。
 
母:生真面目なマニュアル人間。
妹が小3の時、算数の宿題において「小4で学ぶ方法ではあるが解も解法も正しい」という回答内容に対し、父と私は「間違ってないというか、むしろ本来的にはこっちの方が正しいからええやん」という意見だが、母は「教科書通りじゃないからダメ」というクソ教師のクソ採点みたいなことを言い出して家族でめちゃくちゃ揉めたことがある。
 
父:いわゆる地頭良いけど勉強嫌いなタイプ。
感情的にただ怒るだけの母と違って、なぜダメなのか、なぜその選択肢を選んだ方が良いのかなど、納得感のある話で諭してくれた。普段は介入してこないがたまにめっちゃいいこと言うみたいな存在。進路や人間関係、相談しにくい大事な話などは、決まって母よりも父にしていた。

Q:今振り返って学業につながった、家庭内の文化や習慣があれば教えて下さい。
京大を志した最大の理由が、母親とウマが合わなかったこと。嫌いではないけど、一定の距離を保ちたい存在。
 
高校卒業したら一人暮らしをしたいと思っていたが、親も高校教師も、他の大学行くくらいなら九大行けという感じだったので、誰にも文句を言われないのは東大か京大しかなかった。
(ちなみに妹は第二子らしく要領が良いので、自宅から通学は微妙〜に厳しい県内の公立大学で一人暮らしをエンジョイしていた)

Q:ご両親の教育スタンスについての小計を教えて下さい。

→私の事例でいうと、「住む場所選び」がたまたま良かっただけのように思う。

中学校はのちに述べる「治安の良さ」が功を奏しているため、親や教師ではなく、周囲の児童・生徒ひいてはその人たちの保護者の教育スタンスが良かったように思う。

中学では進学校を目指す人が多かったため自然とそこを目指すようになり、高校は進学校で先生も生徒もいい人で純粋に学力が伸びたと感じる。


3.~小学校時代※小学受験含む(配点40点)

Q:小学受験はしましたか?
→していない。そもそも親も含めてそんな選択肢があることを知らなかったのでは…

Q:小学校の頃の学業成績について教えて下さい。(全6レベル)

→順番が張り出されるものでもないが、ずっと通知表の学習面は◎(△、○、◎の3段階評価)だったし、テストも多分90点未満はとったことない気がする

Q:小学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?
→授業は最初と最後の5分だけ聞けばわかるので、暇すぎてずっとお絵描きばかりしていた。(藤井聡太の「どうして5分で分かることを45分もかけて教えるんだろう」はマジ名言)

Q:小学校の教育環境についてはどう考えていますか?
→公立小学校だったため、別に良い環境でもないと思う。幸い、担任には恵まれており、隣のクラスが学級崩壊していたこともあったが、自分のクラスは平和だった。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

→宿題以外に勉強するという発想がなかった。

Q:小学校まで習い事は何をやっていましたか?

Q:学習貢献度の高い習い事について、始めたきっかけを教えて下さい。
→特になし

Q:習い事についての振り返りをお願いします。
→特になし

Q:今振り返ってやればよかったと思う習い事は?
→水泳教室は中耳炎ですぐリタイアしたが再開すれば良かった(カナヅチなので)

Q:小学校までの読書について教えて下さい。
→図書館でたまに本借りて読む程度。活字嫌いではなかったが、特に本好きでもない

Q:読書が学力に何か影響しましたか?
→特に影響せず。国語はそんなに得意でも苦手でも好きでも嫌いでもなかった。

Q:当時熱中していたことは何ですか?それは学業にどう影響しましたか?→絵を描くのが好きだったので、漫画を読んだり描いたりしていた。学業に特に影響してない。

Q:小学校時に学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?
→5年か6年の時、中受組が皆満点取れず難しいと話題になった算数のテストで自分だけ100点だったこと。通知表がいつも満点であることをみんなから気持ち悪いと言われていたので、当然そのテストの点数は黙っていた。

Q:小学生時代の教育環境の小計を教えて下さい。

→授業聞かなくても分かるので「学校のおかげで」「先生のおかげで」という観点もなく、中高と比べて友人の良い影響もなく。
ただ、教室が荒れておらず、邪魔する人がいなかったという部分を加点。

4.中学時代※中学受験含む(配点25点)

Q:私立の中学受験は考えましたか?
→全くなし。

Q:中学行時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)

→順位が掲示される学校ではなかったが、通知表はほとんど5だったため多分10%には入っているはず。

Q:中学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?

→学業よりも部活や委員会活動などを頑張っていたので特に勉強していないが、小学校と比べると周りが高校受験に向けて勉強し始めるようになったので、気味悪がられることもなくなったのが快適だった。
(中受するのが学年に数人レベルの田舎だったため、勉強を気にするのは高校受験を控える中学生になってから)

Q:中学校の教育環境についてはどう考えていますか?

→ただの公立中学なので特別なことはない。福岡県ゆえに、隣の中学校なども含めてヤンキーの多いエリアだが、自分の通った中学校は新興住宅地の新設校で、土着のヤンキーがおらず、比較的教育熱心なご家庭が多く、これが非常に良かった。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

小学校と同じく宿題やるだけ。テスト前の1週間は部活がないので多分2,3時間くらいはやっていたかも。

中3は塾に行き始めたので週2で3時間くらい追加されたと思われる。受験期はもう少し真面目に勉強していたと思う。

Q:中学校時の習い事について何をやっていましたか?

→みんなと塾帰りにワイワイしたい!という中学生らしい理由でワガママを言って中3の時に塾に行っただけなので、正直にいうと塾に通わずとも同じ高校に行けたと思う。

ただ、この時初めてテスト勉強以外でちゃんと勉強する経験ができ、効率の良い勉強の仕方を身につけられたと思う。やはり塾の先生は学校の先生より教えるのが上手いなと思った。

Q:中学時代に学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?
→「迷う時は選択肢の多い方を選べ」と言う父の言葉は、その後も大きな指針となった。

当時、英語を勉強するのが好きだったこともあり、英語科のある公立高校を希望した時期があった。

ある日父から「どっちに行ってもいいけど、トップ高に行っても英語は勉強できる。これから高校・大学と進学すれば視野も広がり、英語以外にも興味のあることが増えるかもしれない。そうなった場合にいろんな道を選べる状態でいた方が良いのでは」と諭され、学区のトップ高を目指すに至った。

Q:中学校時代の教育を振り返ってどう評価しますか?

小学校同様、普通の公立校なので、特に教育に関してここが良かったと言うのはないが、荒れていないのはとても良かった。


5.高校時代※高校受験含む(配点10点)

Q:私立の高校受験は考えましたか?
→一応滑り止めで受けていたが、県立高を落ちる気がしなかった
(ごくごく一部の超進学校を除き、田舎なので私立より県立高校の方が偏差値が高い)

Q:高校時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)

→進学校ということもあり、先生たちの「うちでちゃんと勉強すれば塾や予備校に行かなくても大学合格する」という自信があった。

最近は減っているようだが、当時の公立校は朝補習(0時間目)夕補習(7時間目)があった。また、受験期は土日校舎を自習用に開放しており、自然とみんなで学校に行って勉強するのが当たり前という環境だったため、確かに塾や予備校に行かなくても自然と学習量が増える環境だったことは確かである。

また、教師陣も変態的に研究活動しているような先生もいて、授業がそもそも面白かったのも良かった。学年が変わり、教師が変わったことでめちゃくちゃ成績が伸びた科目もあった。

ただ、九大進学数を競うような学校だったため、それ以上の大学を目指す生徒にとってはそこまで手厚いフォローはなかった。(受験期は、志望校別にクラスを分けていたが、九大・それ以上・それ以下みたいな分け方になったため、全く出題傾向の違う大学の過去問などもやっていた)

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

Q:習い事は何をされていましたか?
→何もやってない。

Q:習い事はどう学力に活きましたか?
→特になし。

Q:高校時に学習・進学などで記憶に残る言葉・事件はありますか?
→高2の夏休みに関東・関西の大学をめぐるキャンパスツアーがあり、そこで東大・京大にも訪問。OBから東大は成績順に学部や研究室が決まるという話を聞いて、やっぱりキャンパスライフは自由に謳歌したい〜と思い、京大に進路を定めた。

Q:高校以降の教育を振り返ってどう評価しますか?

→周りも一定レベルの学力がある環境に置かれたのが初めてだったが、居心地が良かった。

教師陣も一定の自負を持って対峙してくれていたため、(今思うとブラックな勤務環境だなとは思うが)とても感謝している。

また、公立校につき金銭的に余裕があるとは言えない家庭も少なくなかったが、日本学生支援機構以外の給付型奨学金制度を見つけて勧めてくれるなど、学業以外の進学サポートがあったのもありがたかった。

5.答え合わせを終えて

→幼少期〜思春期は、確固たる考えも備わっているわけではなく、割と周りに流されやすいので、周囲の環境を整えることは大事だなと感じた。

一方で、子の性格に応じたコミュニケーションも大事だと感じ、私の場合は納得感が重要で、親や教師の話に納得したときほど行動変容が早かったように思う。

6.編集後記

どうも、#1のカラシカシです。僕の主だった感想は以下の通りです。

①勉強のストレス
ご自身でも「勉強のストレスはほぼ無かった」とコメントされている通り、書きぶりに受験勉強の悲壮感が漂っていないなと。要領がよく、知的好奇心の幅も広かったために、少ない努力で最大限のテスト結果が得られ、勉強のコスト感にアウトプットの高揚感がずっと勝ってたということですかね。

②勉強のモチベーション
「母親から離れたい」が京大受験のモチベーションだったのとこ、なるほどなと。こういうケースもありますよね。再現が難しいというか、そもそも再現を目指すべきものではなさそうですが。



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