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氷と代謝;冷たいもの好きは脱水症状のサイン

四月が終わり徐々に暖かくなってきて、半袖で過ごす日も少しづつ増えてきたのではないでしょうか?
そうすると飲み物もだんだんと冷たいものを飲むようになってきます。
そこで今回は『氷と代謝』というテーマで記事を作成していきます
氷を食べる・食べたいと思う人の体では一体何が起こっているのか?
※代謝については下記を参考に💁


1番有名な仮説;『貧血』

貧血の症状の一つとしての異食症候群:

異食症候群は、非栄養的で異常な食べものを食べる症状です。氷を異常に摂取することがある人々は、異食症候群の一部である可能性があります。貧血は異食症候群の一般的な症状の1つですが、氷を食べることが貧血の原因となるわけではありません。

異食症候群(Pica syndrome)とは

異物を摂取する傾向がある症候群です。これは通常、栄養が不足している場合や、特定の心理的な問題がある場合に見られます。異食の対象はさまざまで、土、チョーク、髪の毛、紙などが含まれることがあります。異食行動は一時的なものである場合もありますが、持続的な問題となることもあります。異食症候群は通常、栄養失調や消化器系の問題などの健康上のリスクを伴います。治療には、栄養療法、心理療法、および行動療法が含まれる場合があります。

鉄欠乏性貧血との関連:

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄の不足によって引き起こされます。鉄は赤血球の生成に必要な栄養素であり、不足すると貧血のリスクが高まります。氷を食べることが鉄欠乏性貧血に直接的に関連しているわけではありません。氷を噛むこと自体は鉄の吸収に影響を与えませんが、氷を食べる習慣が他の栄養素を摂取する機会を減少させる場合があり、これが鉄欠乏性貧血のリスクを高める可能性があります。

したがって、氷を食べることが直接的な貧血の原因とはなりませんが、異食症候群の一部として『氷を食べることが貧血の症状と関連』している場合があるという仮説が立てられています。


脱水症状との関連性

ここから、脱水との関係について記載していきます
まず体が脱水を起こしている状態を解説していきましょう。脱水が起きると主に『のどの渇き・尿量減少・倦怠感』などから始まり、『めまい・頭痛・発汗減少』など、ひどくなると徐々に重篤化していきます。
ではこれらが、どうして氷を食べる事と関係するのでしょうか?

鍵は血圧の変化

氷を食べる事によって『血圧』に変化が生じます。
メカニズムを考えていきましょう。
まず氷が喉を通る際の冷感刺激によって血管の収縮が起こります。血管が収縮を起こすと『血流速度の上昇』が起こります。これはホースの先端を細くすると水圧が上がる原理と同じです。血流速度が上昇する事によって血液を勢いよく遠くまで送ることが可能になります

脱水状態の体では、体内の水分量が不足していますから血液の粘度が上昇気味です。なので血管を細くして内圧を上げる事で全身に効率よく水分を届け少しでも細胞に水分を提供しようと『冷たいものが欲しくなる』様に反応していると考えられます。

貧血との関連からも同様の事が伺える

先ほどの『鉄欠乏性貧血』では、鉄分不足により『赤血球の数の減少』や『赤血球の形成不全』が見られるようになります。そうなると体内の溶存酸素量が低下する可能性があります。体は出来る限り酸素を均一に維持し運ぶ方法をとる為に、冷たいものを摂取し血管を細くして全身に巡らせる方法を本能的に行うと推察が可能です。

しかしながら、これらは一時的な解決

実際に冷たいものを摂取した直後は、血管収縮により水分量を巡らせますが、これは一時的に過ぎず5分ほどすれば元に戻ります。しかも冷たい物を積極的に摂取してしまう事で『血管の収縮が更に起こり、水分の吸収を妨げる』可能性が大きくなります。これは血管の構造から説明が可能です。※後日、浮腫みの説明と併せて解説します

更に、体温が低下する事で内臓の活動力を低下させる可能性もあります。こうなると水分の吸収率は更に低下してしまう為、更に体は脱水状態に近くなってしまいます


吸収率が早いのは温水・常温の飲み物

この見出しを見た人はの大半はおそらく『逆』だと思われているかと思います。確かに一般的には『吸収率は冷たい方(5~15℃)が早い』とされています
しかしここには大きな間違いがあり、この吸収率が早いとされているのはいずれも『運動時・高温環境下における冷水の吸収率』という内容の研究が多く、いずれも通常での研究はなされていません。
水分の吸収は主に腸でされていますが、血管拡張状態の方が吸収効率は高いので水分は出来る限り温かい飲み物の方が吸収されやすいと言えます。
※白湯を飲むと体温が上がるメカニズムはここにあります

まとめ

『氷と代謝;冷たいもの好きは脱水症状のサイン』
という題材で話を進めて参りました。ここでまとめに入りましょう

  1. 氷を食べたり冷たい物を飲むと、血管収縮が起こり血圧上昇による血流速度が上昇し全身に血液を巡らせる

  2. 血流速度が上がるが、水分は腸内の血管が拡張している方が吸収効率が高いので結果として水分はあまり吸収されない※運動時は冷たい方が良い

  3. 体が更に脱水状態に近くなり、喉が渇いてくる

  4. 喉が渇くので、更に冷たい物を摂取し代謝を更に低下させる

つまり、温かい飲み物を積極的に摂取できるように心がければ『脱水状態の改善』になり、氷を食べてしまう様な異食症候群は無くなると考えられます。
これを機に、まずは常温の飲み物から始めてみるのも良いかもしれませんね!


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