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からだ深掘り

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”wellnessは自分で作る”をコンセプトに、ヘルスリテラシーを上げるため、からだの仕組みを解説。 からだの中でも運動器のマニアックな仕組みについて深く掘り下げます。 知るこ…
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#wellness

自分に合う動きは自分だけのもの

運動が一人一人違うという意識 前の記事では”骨や関節、筋肉には一人一人違うヴァリエーションがある” と述べました。 そこで最後に ”一人一人が作り出す動き、動きやすさ一人一人違う。と書きました。 そう言われると、姿勢や仕草や歩き方などは一人一人違うし、 当たり前と言えば当たり前のような気もしますが、 専門家でも意外とその事実や重要性に気がつかないことも多いです。 そして、本当に細かな違いは一見しただけでは分からないことも多いです。 さらに、「他の人ができているから自分

運動器の意外なヴァリエーションとは

前回までの記事では、一つの動作「肘を曲げる」 という動きについて ・固定する場所が変わると、動作が変わる ・一つの関節の周りで、筋肉は縮んだり緩んだり適宜動きを変化させている ・動作を行うときは、からだのあちらもこちらも 連動したり、協調して動く など、”動き”を様々な角度でふか堀りしました。 では、ここでは一度骨・関節・筋肉などに立ち戻ってみましょう。 例えば二人の同じ歳、同じ性別の人がいて、 同じ骨に同じ関節と同じ筋肉が組み合わされていれば みんな同じ動きができるの

【コラム】「正しく」の難しさと誤解

ふかぼりブログをお読みいただきありがとうございます! 私は”からだふかぼり”の投稿中で、何度か「正しく」という言葉を使っています。 (動きを正しく、正しい動き、など) この「正しく」は強い言葉だと思います。 ですが、あえて私はこの言葉を使っています。 何が正しいか、と言えば ・からだの仕組みに合っている正しさ =(結果として) 効率良く動けること=負担なく動けること ・自分で無理せず動かせること。 ・自分の体に対して正しいこと。 そして、何か一つのことが正しいとか、

目的を持った動作ーコップで水を飲むーを、ふかぼりする

前の投稿”肘の動作を深掘り”で、隣の関節との固定によって、 動作が変わる、という話をしました。 https://note.com/karada_selfcare/n/n6024911e7e7e 今回は、動作そのものではなく、成すべき目的がある場合、 もう少し複雑になりますので、その例を挙げてみます。 例えば、“コップを使って水を飲む”という動作では 第1フレーズ コップを持ち上げる 肘を曲げる一方で、 体は伸ばしたまま、 首は軽く捻って曲げる(コップの方を見る)、 と、

肘の動作をふかぼり

動作とは、“目的に応じた関節運動の組み合わせ”です。 つまり2つ以上の関節運動が組み合わさって動作が起こります。 その動きは単関節運動(一つの関節の運動)より、 グッと複雑になります。 肩を持ち上げる動きと、肘が伸びる動きを合わせて 手を前に伸ばす動きになる、など。 また、同じ関節の同じ動き(例えば肘関節の屈曲・曲げると言う動き) でも、目的により動作が変わります。 動作が変わると言うのは、 動く目的により固定される場所が変わる結果、動作が変わるのです。 例えば 買い物

関節・関節運動について

関節は、筋肉に挟まれていて、筋肉の収縮により動きます。 ここでは、視点を変えて筋肉から関節の動きを見てみます。 一つの筋肉だけ見ると、真ん中に向かって収縮します。 筋肉は中央に向かって、両端が近づくように縮むのです。 なので、ある関節で一つの筋肉が収縮した時 その動きは一直線(一方向)です。 ただ、筋肉は一つで動くものではありませんし、 人は一つの関節だけで動く(動作をする)ことはほとんどありません。 一つの関節の周りでも、複数の筋肉が 組みあわさって動きをを作ります。

なぜ、動く仕組みを深掘りするのか?

からだの仕組み、動く仕組みを伝える理由 現代社会では以前より生活を助けてくれる道具が増え便利になっていますが、 しかし、その一方で腰痛、肩こりなど運動器の疾患も増加して 社会的な問題の一つとなっています。 そのような中、運動不足や体調を管理する目的で 自主的に運動を行うことで人もまた増えています。 一方で、せっかく運動をしたのに 効果が出ない 逆にからだを痛めてしまった 運動することが苦痛だ 自分に合う運動が見つからない 将来に不安、自分の身体に自信がない