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夜と散文

文章の練習がてら、エッセイや日記を綴っていきたいと思い始めてから半年。
現状、筆が一向に進まず、ボツになった話たちが下書きに山ほど眠っている。

なぜこうなったのか。

SNSで交流があるライターさんの中には、「ほぼ毎日noteを更新する人」や「校正までしっかりと行って更新する人」も多くいて、そんな人たちに憧れる気持ちも大きく、「文章を世に送り出すならば、しっかりと書きたい」という気持ちも強かった。
しかしこの気持ちが、なかなか更新できない要因だったようにも思える。

突然だが、皆さんにとって「文章を書く」とはどういった行為だろうか?
ライターになる以前の私にとって書くことは、自分の心と向き合わせてくれるものだった。
心に溜まった感情を形にしてくれる翻訳者みたいな存在。
しかしライターになったことで、言葉のひとつひとつに責任感が増し、「心のままに書く」というのも難しくなってきた。
文章を何度も練り磨き上げることに苦を感じたことはないのだが、どうしても”仕事感”がつきまとってしまう。
だからエッセイにもってこいの良い話が浮かんでも仕事終わりにもう一本書く気になれず、また書きだしても途中で集中力が切れてしまうことも多々で、たくさんのストーリーが下書きで深い眠りにつくこととなってしまった。

「文章を何度も練り直し、最も納得いく形で世に送り出す」というのは、ライターとして生きていく上で、欠かせないことだ。
しかし度を越えた完璧主義は、発信力を押さえつける足枷にもなり得る。

だから私は気軽な気持ちで心の声を綴る、シリーズ「月と散文」を始めることとした。
1日に感じたことや思い出など、些細なことを文章の練習がてら気軽に書きこめる場所。

時には短くて拙い文章になるかもしれない。
平凡でつまらない内容になってしまう可能性もある。
でもどうか温かく、見守っていただきたい。
皆さんと一日の終わりの平穏な時間を共有できたらという願いを込めて。


月と散文 第一夜

2023.05.18  宮内伽羅

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