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頑張れる人と頑張れない人の差をつくるもの:不幸脱出マニュアル⑦

前回は悪玉を弱らせるための日常的行動について書いた。
読んでいただくと、普通の人の普通の生活がどれほど悪玉にとって好都合かわかっていだけると思う。

さて、ここまで心の中の悪玉にフォーカスしてきたが、悪玉を弱らせることと同じくらい大切なことがもう一つある。それが善玉の育成だ。

善玉は、私たちが行動し物事を前に進めることを助けてくれる存在である。善玉は悪玉の働きを抑制し、自己肯定感を高めることも助けてくれる。

今回は善玉の育成方法を説明する前に、善玉とはどういうものであるかを解説する。

「努力が努力でなくなる」善玉の力

善玉は悪玉と違ってお喋りではない。何も喋らず、気配もない。悪玉より一層存在を認識しづらい。だが、善玉の存在を間接的に感じることはできる。

まず、あなたが今まで成し遂げたことを思い起こして欲しい。どんな小さなことでもいい。そんなものはない、なんて言わずに思い出して欲しい。
あなたは日本語を話すことができるようになった。あなたは何冊かの本を読んだ。映画を見ることができた。漫画を読むことができるようになった。歩けるようになり、電車やバスに乗れるようになった。人と会話ができるようになった。仕事につけるようになった。幾ばくかの金を稼げるようになった。
このレベルのことならあなたはたくさん羅列することができるだろうし、人によっては、もっと他のいろんなことを加えることができるだろう。

それは間違いなく、あなたが成し遂げたことである。

物事を成し遂げる時、人は努力を努力だと思わない

そんなことがなんだ、そんなもんは当然の、当たり前のことだとあなたは言うかもしれない。確かに上に挙げたようなものは、平均的日本人であれば常識的に身につけている物事で、テクニックとも呼べないことだ。

でも考えてみてほしい。あなたにも私にも、それができなかった頃はある。あんなこともこんなことも、長い時間を経て出来るようになったのだ。

間違いなく、そこには努力があったし、練習があった。

ただ私たちはそれを身につけることを「努力」だとか「練習」だとか思っていなかった。何故だろうか?幼くて何もわかっていなかったから?いや、そうではない。幼い頃にだって挫折の経験はある(逆上がりができなかったとか)。

あなたが物事を成し遂げたとき、善玉があなたの背中を押してくれている。善玉はあまりにも静かでさりげなくあなたを助けるため、あなたは努力を努力だと感じない。

大きな結果を残したスポーツ選手や芸術家たちが「確かに努力をしたかもしれないが私はそれを努力だとは思わなかった」といったようなことを言うが、彼らが言っているのもこういうことである。

ちなみに私がこのnoteを書くことも当然時間がかかるしかなりの労力がかかっているが、私は書くのが楽しくて仕方なく、努力のどの字も頭の中にはない。今確実に私は、善玉に助けられている。

私たちが「頑張る」とき、悪玉が足を引っ張っている

そして次に、あなたが挫折したあらゆることを思い出して欲しい。
英語を話すこと、スポーツや芸術で結果を残すこと、受験、夢を追いかけることなど。私の場合は逆上がりと、3D CGのモデリング学習、「100年の孤独」の読破、イセリア・クイーンを倒すこと、それからブログの毎日更新、プログラミング学習、息子に毎日栄養バランスの良い食事を摂らせること…とにかく無限に湧いてくる(あなたもそうではないだろうか?)

また、あなたが必死に努力をして成し遂げたことを思い出して欲しい…もしあれば、だけど。
私の場合は何だろう(ここで30分ほど考える)、だめだ、何も思いつかなかった。

とにかくあなたが「頑張ろうとした」「辛い努力をした」とき、大抵のことは上手くいっていないということがわかると思う。

もちろん「努力が報われて物事がうまくいけば過去の努力の辛さなんて忘れてしまうのだ」という風にこれらの現象を説明することもできる。
だが私はこのように考える。
「必死に頑張る」ときの私たちは、善玉からの助けが得られていないのだ。そしてもちろん同時に、悪玉から足を引っ張られてもいる。

善玉が豊富なとき、全ては自然で無理がなく、私たちは無我夢中で物事に取り組む。そして気づけば、とてつもなく大きなことを成し遂げたりもする。

「あの頃は目が回るくらい忙しかったけど、不思議と辛くなかったな」の影には必ず善玉がいる。夢を叶えた人たちは誰しも人一倍努力しているものだが、どうして彼らは人一倍の努力ができたのだろう?人間的に立派だから?勇気があったから?根気があったから?いや、彼らの心の中の善玉が豊富だったのだ。

人間が自分の可能性を最大に引き出すためには、善玉の力が必要なのである。

全ての夢が叶うようにはならない

だから悪玉を弱体化させると同時に、善玉に餌をやろう…という風に話は続くわけだが、もちろん善玉が優勢になり悪玉が弱体化したからといってあなたの背が伸びたりフランス語がペラペラになったり、あるいは億万長者になったりビジネスで大成功を収めたり困っちゃうほどモテモテになったり急に胸が大きくなったりマイナス10キロのダイエットに成功するとは限らない(しないとも限らないが)。

ただ、あなたが本来なら十分に実現できたはずなのに、大きすぎる悪玉の妨害ゆえに失敗してしまったことは山ほどあるということ、そして人間の可能性は無限大だし、いわゆる勝者と負け犬には、能力的に大した違いはないということをわかってほしい。

誰もが認める成功者が「自分には特別なところは何もない」などと言うのは嫌味でも勘違いでもなく、紛れもない真実だ。

善玉が優勢になった時、きっとあなたにもそのことがよくわかると思う。

次は「善玉に餌をやる方法」を説明します。↓


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