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大谷選手とジャッジ選手の打者としての貢献度

MVPは大谷選手かジャッジ選手か(貢献度からの検討)part2

大谷選手とジャッジ選手のMVP争い、今日は打者編をお送りする。貢献度の計算方法は前回お伝えした通りである。
早速だが打者としての大谷選手の貢献度は-2.46ポイントであった。数値がマイナス?そもそも大谷選手は勝利に貢献していないの?と思われるかもしれないが、そもそも打者の貢献度はマイナスになりやすいようである。これは集計してみてから気づいたことだが打者は打って3割、7割がアウトなのでアウトの数が多く必然的にマイナスの値を示しがちであるようだ。打者の平均値も-2.02ポイントと負の値を示している。

そして、これだけ書くとお気づきになられるかもしれないが、勝率の変化から見た場合の貢献度という指標で打者としての大谷選手を検討した場合、2022年の大谷選手の成績は平均的な打者を下回る結果が出ている。この結果は、全体693人中448位と平均より少し下という結果が出ている。

ホームラン34本も打ってて、OPSも8.75ある選手が並み以下?間違ってるんじゃないかと思われるかもしれないが、この指標、接戦でタイムリーを打てば、数字は大きく上昇し、逆にチャンスで凡打してしまえば、数字は大きく下がってしまう。つまり、試合の勝敗に影響を与える重要な場面で打てては居なかったことを客観的に示すものがこの値である。


図1. 打者としての貢献度の比較

一方のジャッジ選手の貢献度は3.30ポイント(図1)であり、この結果は全体1位である。ホームラン63本、OPS1.111も全体1位であるが、それだけでなく重要な場面で打っていることも示す結果となった。この3.30ポイントをとるためのシーズンの過ごし方をもう少し分かりやすく表現するならば、3点ビハインドの9回裏2死満塁で4回代打で出てきて4回ともサヨナラホームランを打って、これだけでシーズンを終えた時に得られるくらいの活躍である。因みに2022年打者で貢献度3.0ポイント以上はジャッジ選手1人、2.0以上は2人、残りの691人は1.0ポイント以下である。つまり、貢献度という観点から見ると、2022年のメジャーは3人の打者が突出しているという結果となった。

これらの結果をまとめると、打者としての勝率の変化から見た場合の貢献度を検討した場合、ジャッジ選手は全体の1位、大谷選手は平均値を少々下回る結果であった。

ここからはあえて記載するが、この分析を行うきっかけは、大谷選手の記録の価値を落とす目的で行ったものではない。むしろ、計算された値が想像よりもはるかに低く、どちらかと言えば自身のミスを疑ったという状況である。そして、今年のMVPのカギとなるのは突出具合であると考えている。大谷選手は2年連続の二刀流での好成績、ジャッジ選手は61年ぶりのアメリカンリーグホームラン記録の更新、この2つの記録にどれだけ価値があるのかを議論する必要があると考えている。最終的にはこのことについて述べる必要があるが、次回はまず、大谷選手の打者としての貢献度が何故このような結果になったのかを考察していきたい。

part3へつづく


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