MVPは大谷選手かジャッジ選手か(貢献度からの検討)part3

データの再検討と、プログラムのミスの検討

前回の記事では、大谷選手の打者としての勝率の変化から見た場合の貢献度は平均的な打者を下回っていたという、恐らく多くの方が納得できない結果を記載した。今回は何故このような結果となったかを考察していく。

まず、検討に当たり最初に伝える必要がある事柄は、全体693人中448位という結果の中の”全体”という言葉である。この全体には打席に立った投手も含まれている。そして、投手は一般的に野手と比べて年間に立つ打席数が少ないため、-の値は小さくなりやすい。つまり、打席数が少ないと0ポイントに近づきやすいと考えられる。そのようなことが分かったので、今回、打席の少ない選手を除外して再検討を行った。今回は300イベント以下の選手を除外した(打席数が少ない選手を除外することが目的なので、規定打席の502としなかった)。このイベントというものは、貢献度が打席に加えて盗塁の成功や失敗なども含まれるため、打席と分けて使用している。

この結果、大谷選手の貢献度(-2.46ポイント)は276人中88位となった。上位3分の1程度ではあるが、OPSの10位(規定打席到達者130名)ほど上位の結果ではなかった。

(OPSの意味が分からない方は、打者の成績を1つの指標で見た場合、一番勝利に直結すると思われている指標、もっと簡単に言えば、打者の順位をつける際に一番それらしい指標ぐらいの感じでご理解いただければと思う。また、この記事のデータは、ここのものを参照している)


個人的な気持ちとして、本当にこのような結果なのかと思ったため、更に自身のプログラムのミスも疑った。

このために、プログラムの中身を確認してミスが生じていないことを確認した。計算に当たっては、(当たり前ではあるが)1つ1つの計算はプログラムで組んで、それを走らせているだけである。この中では、その打席で打者が誰であったかという記録はあるが、選手によって値を変化させているようなものはなかった。ということは、個人でズレる可能性は少なく、おかしな場合、全体的におかしな結果が出ているはずである。

ということで、数名の選手の色々な指標を確認して、それらしいかを検討してみた。

今回は上位3人を対象とする。貢献度は1がジャッジ選手(貢献度3.31ポイント、打率.311、本塁打62本、OPS1.111)であった。2位はアルバレス(Alvarez, Yordan)選手(貢献度2.31ポイント、打率.306、本塁打37本、OPS1.019)、3位はトラウト(Trout, Mike)選手(貢献度2.07ポイント、打率.283、本塁打40本、OPS0.999、規定打席未到達)である。この3人の成績が他の選手と比べ突出している。主観的ではあるがOPSも1.0程度あり、この3人が突出した打者と言われても納得できる気がする。

これらのことから、
・2022年シーズンの大谷選手の貢献度は打者として上位3分の1程度であるが、トップクラスと言えるほどの数値ではなかった。・恐らく、この結果は、計算ミスとは言えない。
ということが分かった。

part4へつづく

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