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子どもとデジタルトランスフォーメーション

 昨今、DX=デジタルトランスフォーメーションという言葉を良く目にします。それに関連して、OMO=Online Merges with Offlineという言葉も多用されています。

 オンラインとオフラインの融合という意味ですが、もう少しかみ砕くと、リアルな店舗とオンラインショップがそれぞれ得意な領域を相互補完し合って、お客様に有益なサービスを提供するという考え方になります。

 私自身、子どもができるまでは、買い物はほとんどAmazon。わざわざ街に足を運び、買い物をする行為自体、非効率な気がしていました。

 ところが子どもができて歩けるようになると、リアルな店舗で買い物をよくするようになりました。それは、なぜか。

 子どもと一緒におでかけしたい。

 という理由になります。一日中、家で子どもと過ごすのは限界があります。室内の遊びはすぐに飽きてしまいますし、テレビを長時間見せたくありません。健康も気になります。

 そこで、「外におでかけしよう」となります。ただ、子どもは散歩が好きではありません。だからといって遊園地のような娯楽施設にばかり行ってはお金がもちません。公園ばかりも飽きてしまいます。そこで、何か目的を作るために「買い物に行こう」となるわけです。

 どんなお店であっても、子どもの目には新鮮に映ります。たくさんの食品、衣料、玩具、文房具、本、などなど。リアルだからこそ、好奇心がくすぐられます。テレビのザッピングと違って、興味のないことも飛ばせないので、新しい発見にもつながります。それは親も同様です。

 こうして、改めてリアルな店舗の良さを実感しました。ただ、改めてリアルの店舗に行ってみて、OMOという言葉はまだまだ上滑りしていると実感しました。せいぜい、アプリやLINEでプッシュ通知が来たり、オンラインへ誘導するPOPが張られているくらいでしょうか。

 申し訳ないのですが、こちらは、お金に限界があるので頻繁に物を買うわけにはいきません。ウィンドーショッピングの形で終わることが大半です。ただ、子どもが楽しんでいたり、こちらも楽しかったら、そのお店やブランドが「好き」という感情が生まれます。

 その感情の行き先が特にない、というのが大半のような気がします。もちろん、それを見越して利益度外視でリアルな店舗を戦略的にかまえている企業もありますが、少数だと思います。従って、「好き」という感情の行き先は、そのリアルな店舗に再び行く、という行動に制限されてしまうのです。

 それは1週間後でしょうか、1か月後でしょうか、1年後でしょうか。店舗側はただ待つしかありません。店舗側はもちろんですが、お客側としても、折角の縁がすぐに切れるような気がしてもったいない気がします。

 もっと言うと、そもそも「好き」という感情を生み出す気もない店舗も少なからず存在します。バックヤードの業務に終始し、接客もままならず、商品を並べているだけのようなお店です。忙しいので仕方がないとは思いますが、わざわざ足を運ぶという行為は、今の時代、貴重な行為であることを考え直す必要があると思います。

 デジタルトランスフォーメーションは、ビッグデータの活用が重要とよく言われています。しかし、あくまでそれは手段。その先を考えておく必要があります。その一つは、「いいお店だったな」「いいサイトだったな」もしくは「まだ何か足りないな」という感情を生み出し、さらにその感情を次につなげるサービスではないでしょうか。

 子どものおかげでデジタルトランスフォーメーションのことを考えられた今日この頃でした。



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