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ガンについて

英国のキャサリン王太子妃が、ガンに罹っていることを公表した。

今や、2人に1人がガンに罹る時代である。したがって、それ自体は驚くような話でもない。「だから何?」という感じである。

それよりも、公人たるもの、自分の病歴までいちいち公表しないといけないのだろうか。むしろ、そちらの方に違和感を覚える。

僕自身の見解としては、ガンで死ぬという選択肢は悪くはないと思っている。だいたいの余命がわかるというメリットがある。したがって、自分の死んだ後の始末をつける時間が与えられる。

本人にとっても、周囲にとっても、いちばん困る死に方は、ある日、突然、死んでしまうことである。交通事故、心不全、脳卒中その他である。これは困る。一家の働き手の場合、預金のありか、ハンコの置き場所、その他の資産・負債状況等、何も引き継がずに死なれては、残された家族は、文字どおり、途方に暮れてしまうであろう。

キャサリン妃の病状については、詳細の発表がないので、まったく不明である。初期のステージであったり、先般の手術が成功して、転移も認められない状況であれば、今回、わざわざ公表することもなかったであろう。したがって、病状は決して予断を許さない状況であると推測される。

キャサリン妃は、現在、42歳とのことであるが、若くても、ガンに罹る人は罹る。僕の知り合いでも、20代でガンに罹患し、若いから進行も早く、30歳になるかならないかの若さで死んだ人もいる。人間というもの、年齢順に死ぬとは限らない。老いさらばえて、早くお迎えが来れば良いのにと、本人も周囲も思っていたとしても、なかなか死なないこともある一方で、若い人が急に命を落とすこともある。人生とは思いどおりには行かないものである。

こういう想像をするのは、誠に不謹慎であるが、キャサリン妃が亡くなった場合、ウィリアム王太子は、おそらく高確率で再婚することになる。

子どもたちは、まだ幼い。それにウィリアムは将来の英国王である。多忙な公務をこなさなければならない立場であり、王太子妃(将来的には王妃)による公私にわたるサポートは不可欠である。再婚については、ウィリアム個人の意思とは関係なく、立場上、避けて通ることはできないことになる。

人生100年時代などと言われるが、当たり前の話として、皆んなが揃って100歳まで生きるわけではない。

それと、寿命と、健康寿命とは異なる。健康で、他人の厄介にならなくても大丈夫な状態でなければ、いくら寿命があっても仕方がない。したがって、重要なのは、健康寿命の方であることは言うまでもない。

僕は、限りなく、寿命と健康寿命を一致させることを目標に設定している。そのために、心身ともに健康でありたいと思い、適度に(ストレスにならない範囲で)働き、適度に運動をしてカラダを鍛え、ボケ老人や寝たきり老人にはならないように心がけている。

もちろん、心がけていたところで、そうならないという保証はないのだが、もしボケたり、寝たきりになったら、潔くさっさと死にたいものだと思っている。「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」が維持できない状況で、生物学的に生命を長らえていても仕方がないし、社会的観点からも、不経済でしかない。

安楽死、尊厳死を認めている国もあるが、日本でも是非とも法制化されることを望みたい。そもそも、日本には、「寝たきり老人」が多すぎるのである。「死なせない」のは、本人にとっても無駄であるし、社会にとっても無駄である。したがって、自分で自分の始末をつける権利は、認められてもよいと思う。

世の中というものは、基本的には厳しいものである。野生の動物の場合、年老いて、自分で食べ物を獲得できなくなってしまったら、もう死ぬしかない。人間だって同じである。

寿命よりも、健康寿命に着目して、介護が必要な状態になった場合は、どうするのか(安楽死するのか否か)について、心身共に健康なうちに、あらかじめ意思表示をしておくということを、制度化しても良いのではないかと思っている。ボケてしまっては、正常な判断も下せないからである。寝たきり状態になると、意識はあったとしても、意思表示ができない可能性もあるからである。

僕は、既にアラカンであるが、もうそろそろお迎えが来ても良いかなと思っている。もう十分に生きたし、これ以上、長生きしたとしても、自分の心身が衰えていく様を見続けるのは辛いものがあるだろう。

したがって、僕がガンに罹った場合、手術もしない、化学療法、放射線治療等も一切やらないと決めている。痛いのは苦手だから、緩和ケアはお願いするとしても、余命を見定めて、残り時間を有意義に使いつつ、残された人たちに迷惑をかけないように、後始末をした上で、最期を迎えたいと考えている。




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