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トイレはTOTOがいい

みなさん、こんにちは

大槻亮太です。

今回はコロナ禍で成長を狙う企業のひとつである、
TOTOの戦略について触れていきたいと思います。

その前に、まずはTOTOと聞いて頭に浮かぶ私の甘酸っぱい想い出話です。

高校1年生の中間テスト。
私の科学の点数は7点でした。
点数が悲劇なのではありません。

科学のテスト中、7点分の記載を終えた私は時間をもて余し過ぎました。

そして解答欄に「トイレはTOTOがいい」と書いてしまいました。

進学校でそういったふざけた回答は許されざることだったのでしょう。

テスト返却の日、私以外の点数が悪い方々は順番に呼ばれて竹刀でシバかれていました。

最後に私が呼ばれて前に出ていくと、
竹刀を置いた極真空手段持ちの65歳頃の先生は顔面に正拳突きを繰り出してきました。

とても痛かったです。

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TOTOの清田徳明社長は日本経済新聞の取材で、
2021年度の米国での温水洗浄便座「ウォシュレット」の販売を20年度比5割増を目指すという意思表示をしました。
コロナウイルス禍で消費者の衛生意識が高まり、ウォシュレットの需要が伸びているのです。
従来の店頭販売に加え、米アマゾンなどのインターネット通販でも拡大を狙うということです。

これまでもTOTOは戦略的に世界市場を拡大してきました。

・海外戦略

海外展開での主力は、中国人観光客の〝爆買い商品〟として浸透した「ウォシュレット(温水洗浄便座)」。

ライバル企業「LIXIL」が大規模なM&A戦略をとったのに対し、
TOTOは10年単位で世界市場を耕し、中国市場を中心に「水洗トイレ」ないし、「ウォシュレット」の啓蒙活動を続けるという選択をとりました。

それにより、中国市場における高級トイレの代名詞は「TOTO」と言っても過言ではなくなっています。

・国内戦略

前社長の喜多村社長が「新築需要に依存しない体質を狙い、リモデル(リフォーム)に取り組んできた」と述べたように、
そもそもTOTOは20年以上前からリフォーム事業に取り組んでいました。

リフォームという言葉にまだなじみのない時代に
ウォシュレットなどの水回りの製品がリフォームと相性が良いという点に着目し、事業拡大に取り組んできたのです。

こうした取り組みにより、
国内売上高の7割はリフォーム事業から利益を生み出しているのです。

バブルの時代での新築需要に依存せずに、
長期的視点でリフォーム事業に投資していたTOTOの先見性は正しかったのでしょう。

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・ブランディング

そういった国内外での戦略を成功させる為に、
TOTOはメディア、口コミを通じて、ブランド力を強化しています。

TOTOはブランド力を高めるために3つのポイントを重視しています。

「商品」「販売」「サービス」です。

「商品」では、節水・省エネという性能面での優位性、ハイセンスなデザイン、そして『ウォシュレット』の知名度の強化です。

「販売」はTOTOが最も力を入れた部門の一つです。
20年以上をかけて自前での販売網を形成し、製品を現地化して販売する地道な営業戦略です。
テレビCMや各種のPRで、高級品というイメージを定着させました。

「サービス」では、プレサービスやアフターサービスを徹底し、信頼性を勝ち取りました。
従来、中国ではアフターサービスは重視されてきませんでした。TOTOはそこに活路を見出したのです。
代理店教育を強化し、顧客の問い合わせや修理依頼に迅速かつ的確に対応できる体制創りが、TOTOブランド力向上に大きく影響しました。


こうやってTOTOの戦略について考えてみると、先見性の高さに脱帽です。

私が科学のテストで「トイレはTOTOがいい」と書く遥か以前から、
今までの戦略を描ききって、実践し始めていたのですから。

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