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男性が育児に関わりにくいのはマインドのせいじゃない

よく見るパパ批判記事

家事の分担をしない夫、育児は女性のワンオペが当たり前だと思っている父親など。育児マンガや記事でよく描かれるパパ像である。

実態として多いのだろうし、当事者の怒りやストレスたるや相当であろう。

私もフルタイムで働くことしか考えていなかったので、結婚前は絶対に家事分担をすると心に決めていたし、育休も半年ずつがいいなと思っていた。

世の中の言う非協力的なパパ像にイメージで勝手に怒り、絶対そんな思いはしてなるものかと誓っていたのである。

そして、実際に仕事に理解のある夫と結婚し、育休を半年ずつ取得する予定にしている。
先人たちが警鐘を鳴らしてくれたおかげである。

変わらない社会の男性への目線

夫が育休を取得するとわかったときの夫の会社の同期の発言が印象的だった。
自分も取りたいから実際にどうだったか教えてほしいし、実績を作って欲しいと言うのだ。
20代男性の中では育児に対する意識が変わってきているのだろう。

育休を取得したかったができなかった男性は3割強というデータもある。(たった3割かいという見方もあるが、世間のイメージよりは多いのではないだろうか)

参考:公益財団法人ニッポンドットコムHP
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00922/

私の予想では、上司や同期から使いにくそうな顔をされたり、お前変わってるなと言われたり、あるいは昇進が遅れるぞなどと言われると思っていた。

多数派ではなくても、確実にパパもしくはパパ予備軍の意識が変わっていることに触れると、今度は彼らを取り巻く社会の目に違和感を感じるようになった。

育児サイトや育児本の主語はほとんどママ。そこには夫の愚痴も多数。外出時のトイレで女性用トイレにはオムツ替えシートやミルクスペースがあるのに、男性用にはないこともある。
育児コミュニティはもちろん女性だらけ。

何と閉鎖的で、男性が入りにくい環境なのだろうと、後から育休を取る夫を思い申し訳なくなった。

何も各サイトや本や施設が一方的に悪いと言いたいのではない。
ターゲットを絞ってそこにフィットするサービスを提供するのはマーケティングの常識であるし、限られた資金を多数派に合わせて投入するのも当然である。

ただ、上記の意図とは別に、思い込みで現状があるのであれば問題である。

また、男性作家の育児漫画は、女性の頑張りを讃え、男性の不甲斐なさを恥じているものが人気のように感じる。
※感覚的なものなのであくまで個人的な見方に過ぎない

私も妊娠中は「いいぞやれやれ、もっと言え!」と育児を経験していないくせに共感していた。(自分が体感していないので厳密には共感ではないけれど。)

でも今は育児は夫婦が対等に当事者であり、どちらが偉いとかではないと感じる。
自身の足りない部分を自覚し、補い合う姿勢が重要だ。

男性の意識を本当に変えるならば、男性の共感を呼ぶ内容であるべきだろう。
ちなみにその漫画家さんのユーモアが大好きで、私は未だに熱心な読者でありファンである。
つまりこの漫画は男性の育児への心構えとしては正しいが、よく見る「この漫画を学校で男子に教えてほしい!」というコメントは適切でないと感じるのだ。

※余談だが、こどもちゃれんじbabyは「ママ」ではなく「おうちの方」と呼んでいる。さすがベネッセさん。育児相談サイトはウィメンズパークだけど。


一番の味方だからこそ環境の違いをわかり合いたい

女性は仕事が楽しくなる時期に出産・育児が重なりキャリアが遅れたりレールから外れたりする。一方で育児を理由に仕事から外れることには理解が得られやすい。
上司は心の中では困っていても、世間の目が抑止力となって好意的なリアクションをするのだ。

他方男性は、育児への関与度が低いので、子どもの誕生が仕事に影響しづらい。その分育児で休むことには理解を得られにくい。まだ一般的ではないので、周囲も無意識に違和感を感じてしまうのだ。

実家の育児分担、テレビドラマ、小説、友達の話…
私達はあらゆるところで育児は女性メインだと刷り込まれてきた。作り手にもそのような意図はないだろう。彼らも生きる過程でそれが当たり前だと固定観念化されてしまったのだから。

そんな社会の流れで育児関与度が低い男性は生み出されているし、社会の流れの変化で育児に関心が高い男性の比率は上がってきている。
社会を形成するのは個人だが、個人の価値観は社会に大きく影響される。それも潜在的に。
だから、パパ一個人を否定しすぎるのも考えものだ。

パパママそれぞれに抱える課題や悩みを、どちらがより大変かを競うのではなく、歩み寄りながら支え合える夫婦でありたい。
そういう家庭が増えれば、その人たちが作るサービスやプロダクトが世間を変えていくと思うのである。

私よりハードなワンオペ地獄にいてとてもパパに優しくなれる心境ではない方もいるだろうから、せめて恵まれている私は被害妄想に走らず、柔軟に自身の環境を捉えたい。

いつまでスマホゲームしてんだよ、もっと子どもと遊べや!と言いたい時もあるけどね!

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