【読書記録】センス・オブ・ワンダーを探して〜生命のささやきに耳を澄ます〜
阿川さんと福岡教授の対談本、読了。
二人とも、東京で生まれた人たちで、幼少期から、情報の最先端にいる環境で育っている人たちで、とにかく、羨ましい!!!
現在は、情報化社会もすっかり行き届いていて、webさえつながったらどこにいても同じ時間に同じ情報を受け取ることが可能だし、検索することで受け取れる情報量は膨大で、タイムラインにはAIが興味ありそうなものを自動でピックアップして表示してくれるけれど。
こんな環境になったのなんて、ほんと最近じゃないか!(特にAIの進化速度が急に上がっているから、探さなくても知りたい情報が寄ってきてたりする)
阿川さんが1953年生まれ、福岡教授が1959年生まれ。
本物の情報が、専門家たちだけの間で流通している時代の、情報が集まる東京で育っているってほんと羨ましい。
そんな二人のものの見方を教えてもらえる感じがとても面白い本だった。
阿川さん、お嬢様でいくつになってもお美しいと思っているんだけど、そんな阿川さんでも大学を卒業して何者でもない時代とご本人が自覚している時間を過ごしていたりしたこともあるんだなとか、端々に小さなエピソードが出てくるところも面白かった。
村上春樹さんの「1Q84」気になっていたら、この本の中にも出てきて、読んでみようかなぁ・・・と今は思っている。
大ブームの時は嫌厭してしまったのだ。
大体において、大ブームには身構えてしまってのらないまま遠目に見ているのが私のありがちなパターン。
たまたまブームより先に知っているケースを除き、特に大ヒット・アニメなんかは近づかない。(だから鬼滅とか進撃とかよくわかんない)
他に出てくるお話の中では、顕微鏡を最初に作ったアントニ・ファン・レーウェンフックとフェルメールが友達だったんじゃないか?と福岡教授が思っている話。
面白いなーって思って、早速wiki見たら、フェルメールの遺産管財人は、レーウェンフックだって書いてあった!
ということは、文中にある、レーウェンフックの残した膨大な研究記録の観察スケッチを描いたのは、フェルメールの可能性がものすごく高いってことじゃない??(この本が出たのは2011年だから、現在は確定している話なのかもしれない)
文中で紹介されているこの本も読んでみたくなる。福岡教授のお話の進め方は本当に抜け目がない。
(本の中で、福岡教授が「フェルメールの地理学者、天文学者の絵のモデルになったのはレーウェンフックではないか」と話していたのだけど、wikiには「レーウェンフックがモデルとされている」として記載されていた)
レーウェンフックの発見をフェルメールが絵として残す、という科学と芸術のつながりが、福岡教授の目指すところと重なる。人の興味や、発言や考え方は、使うエピソードからも見えてくるんだよね。
だから、書いている文章で人柄ってなんとなく見えてくるんだろうね。
(そんなこと書いて、自分のことだってこれをエピソードとして出すってことはそこに私もあらわれちゃうんだろうね)
それにしても、「環境が人をつくる」というのは本当に本当のことなのだろう。
この本にも出てくるのだけど、私たちと共生している「大腸菌」も、環境で種類が違っていて、日本人の腸内とフランス人の腸内では生活している菌の種類が全く違っていたりする。
腸内細菌は性格にも影響しているらしい、という話も聞いたことがあるので、「私」は「私」が思っているほど単純な存在ではなくて、見る角度によって違って見えるのだろうし、見る人によっても見え方は違うんだろうな。
その人それぞれの「センス・オブ・ワンダー」からみる世界があるんだもんね。
それにしても、「天文学者」「地理学者」とも、どう見てもモデルも部屋も同じって、フェルメールも面白いな。
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