あるアイドルの世界観 ビーム

この話は新潟のアイドルで「サクランボの妖精になって、犬かワニになりたい」といっていたメンバーの話を、集めて解釈して、構成したもの。


あるアイドルの世界図式

私はアイドル。
山と海に囲まれた地平に立っている

山から川が流れて 海に行く
私の目の前でそれは流れている
川の水を、路を掘って流せば
瑞穂の水田になる
稲を植えて 穂に育ち
風にゆらゆら 流れている

私はそれを眺めると
稲光りに 打たれたような気分になり
片手の甲を まっすぐにあげて 
稲にビームを放つ!
「稲ビーム!」
叫んだ刹那に ビームが放たれ、
稲穂は舞い踊り、のびのび ざわめく。

「ワン! ワン! ワン!」
見回すと、犬が川に向かって吠えている
その先には、海がある

犬の視線に合わせると、
ワニがいるようだ

私は 海へのあこがれがあるためか、
ワニになって、自然を楽しみたい 海をもっと泳ぎたい
そんな感情が沸き上がってきた

吠える犬のそばに
「ワニの服」があり、着て泳ぐことにした
ザブーン!

川に飛び込むと、服はワニの姿に変形した

服は私を包み、海へ行く。
深く 深く 海の奥へと向かうと、
竜宮城にたどり着いた

住んでいる ピノキオの顔した女王と出会い
おしゃべりに花を咲かせてた
楽しかった

竜宮城から、舞い戻ると
用水路の丘の上に 果樹園がある
行ってみよう

行くと サクランボの木々がある
実は赤々と 光っていた

老人が気に向かって灰を巻いている
話を聞くと、愛犬の死を偲び、
灰を巻いているとのこと、だった

まかれた灰は
サクランボの木を 更に生い茂らせてゆく
実はさらに熟してゆく

その刹那!
実の一つが大きく膨らんで 
そこから なにか 蝶のような存在が生まれてくる
よく見ると 妖精だった

老人は腰を抜かして 驚いた
愛犬の生まれ変わりのようだった

灰は、私が放った稲ビームのように
イキイキと植物に 活力を与えるようだ

サクランボの妖精は 老人の周りを飛びまわると
海の彼方にむかって、空へと羽ばたいてゆく
あっという間の 出来事で 私の心に焼き付いた

今日は楽しい日だった

私の世界は、広がってゆく
見つけたり 重なったり 終わりはない
川は 山と海をつなぐ限り

そして
「稲ビーム」はとまらない!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?