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【詩】 カゲ


君の強すぎる光は 
僕の影をやけにしっかりと映し出す

未熟な僕の輪郭を型取り
はっきりとそこに意志でもあるみたいに
不安な表情は無かったみたいに
まるでとても力強いみたいに

君の強すぎる光は 
僕の陰をやけにしっかりと映し出す

未熟な僕の内面を照らすように
はっきり欠点を指摘するみたいに
不安を炙り出して
まるで小さな存在になったみたいに

けれども僕は
不安があることに安心して
安心の中に不安を見つける

多分この陰さえも好きだ
君と居られるのなら

この影は美しいものだと思わないかい?
この陰は美しくも見えると思わないかい?
君に映し出されたものだから

全ては 引き立て合うように
夜に潜む孤独の闇とは違って 
増悪に潜む嫌悪の闇とは違って
何か美しいものから産み落とされたみたいに
その暗がりそのものが美しかった

きっと光があったから
僕のカゲすら綺麗だと思えたんだ

君の強すぎる光は 
僕のカゲをやけにしっかりと映し出す


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