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結びつきを作れば、商品は売れる?

一言でいうと

個人的結びつきはセールスにおいて大事(だけど、結びつき方は工夫が必要)

活用シーン

セールス・マーケティング

内容

スタンフォード大学経営大学院のキャシー・モギルナーとジェニファー・アーカーの実験(2009年)

レモネードスタンドを道端に作った。
まずはじめの実験で、看板の説明書きで売り上げに影響があるかを見た。
A:ちょっとの時間でC&Dのレモネードを楽しめます(時間の条件)
B:ちょっとのお金でC&Dのレモネードを楽しめます(金の条件)
C:単に、C&Dのレモネードを楽しめます、とだけ記した(条件なし)
ここを391人の人が通りがかった。

Aの場合、レモネードを買う人は14%
Bだと、7%。

レモネードの価格は決められておらず、客に決めてもらったが、
Aの場合、平均2ドル50セント
Bの場合、平均1ドル38セント。
Cは購買率も、価格も、その中間だったそうです。

お金のことよりも、時間に対する反応が高いことから、研究者たちは「個人的な結びつき」が売り上げに関わるのではないか、という仮説を立て、レモネード以外のものを使って4つの実験を行った。

結果、研究者たちが出した結論は、
人は個人的な結びつきがあるほど、買い物をし、金を多く使い、買ったものを気にいるという事でした。
そして、個人的な結びつきを強めるものは時間への言及でしたが、一部の商品(デザイナージーンズや高級車)やある種の客(経験よりも所有に価値を置く)については、時間への言及より、金への言及によって、個人的な結びつきが強調された。

心理学的に正しいプレゼン
スーザン・ワインチェンク (著)

この実験、出典元の書籍を注意深く読んでみましたが、「わずかな時間で買える」というメッセージが、いきなり「個人的な結びつき」に変換されている理由がよくわかりませんでした。

ちょっと調べたところ、別の翻訳では「わずかな時間で買える」というより、「ちょっと一息ついていきませんか」というニュアンスになっていました。お金についての看板は、「お買い得ですよ」という翻訳をされていました。

「ちょっと一息ついていきませんか?」という呼びかけに呼応した人、という事であれば、なるほど個人的な結びつきを感じさせるニュアンスがあります。


個人的なつながりと言えば、営業の世界ではお客様との個人的なつながりを作るため、足しげく通え、という都市伝説があります。いえ、昭和の時代はそれは「ガッツがある」とか「思いが伝わる」とか言って歓迎されていたのは事実だと思います。しかし、今の時代、むしろ迷惑に感じることも多いのではないでしょうか。

あるかたは、お客さんのところに月一で訪問しようとか言ってました。税理士さんで「毎月訪問します」という事を売りにしてる人もいますが、なんの有益な情報提供もなく訪問して雑談しにこられても・・・と思うことはあります。訪問はできないけど、月1回の電話でのご機嫌伺いをします、というのもなんだかねー、という世代はけっこう増えてきているように思います。

適度に近づきつつ、適度に邪魔にならない。この距離感が、年々難しくなってきているように思います。

古典的な話で、ユーザーに対する「ニュースレター」というものがあります。だいたい月に1回くらい、郵便物をお送りすることでお客様との絆を作ろう、という目論見です。これがなかなか秀逸で、適度な自己開示をすることで、売上につながることもあり、ある経営者はこれを始めて売り上げが激増したとホクホクです。


昭和時代に活躍したセールスパースンは、「個人的つながりがセールスのコツ」というと、ほら見たことか、と胸を張ります。ただ、当時とは違うかたちのつながりを求められている事には気づいたほうがいいのかもしれません。かつて、訪問し、対面することは誠意と考えられました。なぜなら、自分の時間と移動というコストを使ったからです。しかし今は、どちらかというと、顧客側が時間を奪われるコストを支払っている感覚が強い。

これはかつては、「商品の情報」を多くの顧客が求めていた時代から、顧客は「自分の問題を解決する手段」以外の情報に価値を感じなくなった証左ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


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