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人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法
はじめの一行
はじめに
機内にいた一人の男性が私の人生を変えた
「もう誰からも必要とされていない、なんてことないわよ」
背後から年配女性の苛立たしげな声がします。ロサンゼルスからワシントンD.C.へと向かう深夜便の機内は消灯されひっそりとしていて、、乗客のほとんどが寝る映画を見るかしています。
アーサー・C・ブルックス
ビジネス書でも、はじめに象徴的なエピソードを埋め込むことってよくあります。ちょっとした隠喩だったりすることもあるかと思います。本書は、著者が本書のテーマを研究するきっかけとなったエピソードを紹介しています。
本書の内容
人生の前半と後半の成功法則は異なる!?
ただがむしゃらに働く。
家庭を顧みず、ただ、キャリアを充実させ、金銭的な成功を手に入れるために時間を費やす。人生の前半においては、この成功法則に則れば、だいたいはうまくいっているような感じが得られる。
だからそれはそれでいいのかもしれません。
しかし、人のパフォーマンスの衰えは、意外なほど早く訪れると言います。今までは馬車馬のように働き、それが成果に結びついてきたかもしれません。しかし、それがうまくいかなくなるタイミングがおとずれる。
そんな事を検証するのが本書の前半です。
「もっと」という病
一見、前向きで素晴らしいとかんじられる「目標達成意欲」というものがあります。しかしそれは、いつまでも続けられるものではありません。
常に高い目標を掲げ続けなければ、私たちは衰えを目の当たりにすることになります。たとえば、スポーツ選手(特に陸上選手のような能力が直接タイムという記録に残る種目の選手)の場合、体力の衰えはリアルに数字に出てきます。だからこそ引退のタイミングがまだ見えやすい。
しかし、ビジネスの場合は、その衰えを自覚する機会は少ない。
自分はもっとできるはずだと思う割には、ビジネスの規模がついてこない。
なぜだろう?と悩む人も多いかもしれません。
本書では、そこで成功依存症からの脱却が必要、と喝破します。
一人で死んでいく人たち
私は、仕事柄たくさんの中小企業経営者の人生を見ています。
そういった人たちの多くは、現役時代はまさにワーカホリック張りの働き方。けど、現役を退くことになると、一気に人は離れます。
また、家庭を顧みなかったことから、家族からも受け入れられない人も多い。
70歳台、80歳台になって、頑固さ故誰も寄り付かなくなり、一人寂しく去っていく、という人が思いのほか多いことに心が締め付けられます。
特に男性の場合、プライドから人生の方向転換ができずに孤独になる人が多い。ぜひとも、早い段階で、柔軟な頭を育成しておきたいところです。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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