わかったつもりでも、何一つわかっていないことを知ろう!
一言でいうと
新聞の見出し一つで分かった気になってはいけない
活用シーン
情報収集と判断
内容
イェール大学レオニード・ローゼンブリットとフランク・ケイルの研究。
あなたのファスナーの知識を0(何一つ知らない)から10(完璧に把握している)までで評価して、その点数を書き留めてみよう。
次に紙を一枚用意して、ファスナーがどんな仕組みになっているか具体的な構造を絵にかいて、そこに、まだファスナーを一度も見たことのない人でも理解できるような説明を書き添えてみてほしい。制限時間は二分だ。
ではここでもう一度、あなたがファスナーの仕組みをどれくらい理解しているかを0から10までの間で評価してみてほしい。
数百人を対象に、トイレの仕組みや電池の仕組みなどに変えて質問されたが結果はいつも同じだった。
私たちは、何かについての説明を求められるまで、その何かについて「比較的多くのことを知っている」と思い込んでいる。そしてきちんと説明しようとして初めて、自分たちの知識が不完全なことに気づくのだ。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
ロルフ・ドベリ(著)
あるワークショップで、こんなことを言われました。
自分の携帯電話、見ることなくできるだけ正確に描いてください、と。
この時感じたのは、毎日目にするものにもかかわらず、これほどまでにきちんと見ていないことに愕然としました。
今回の実験も同様で、知ってるつもりだけど、いざとなるとあまり知らない、ということが表面化する実験です。
このような比較的シンプルなことに対して、世の中で起こることはより一層複雑です。例えば今の世の中、日々、すごい勢いで情勢が変わります。コロナに対する対策を政府や都道府県、さまざまな団体や省庁が矢継ぎ早に打ってきます。
そして多くの人はその対応を「新聞の見出し」だけで分かった気になって批判している、ということはないでしょうか。多くの人が、メディアは耳目を集めるため誤解を招きかねない見出しをつけることが知っているにもかかわらず、そこに踊らされることは多い。
これは見出しを見て、脊髄反射的に私たちが反応している証です。こういったイデオロギーの問題には、さまざまな背景があり、コンテクスト(文脈)があり、発表される事実はそのごく一部にしか過ぎないことが多いともいます。さらにその発表内容の一部を切り取ったメディアの報道は、時に恣意的なキャッチーささえ感じることも多い。私たちはそういった環境の中で、脊髄反射をすることなく、一歩立ち止まって「自分の頭で考えてみる」という動作をするよう心掛ける必要があるような気がしますが、いかがでしょうか。
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