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「もう2度と文章は書きたくない!」何度も思った。優しい仮面を被った鬼のような編集者カっちゃんの出現によって、飛び出してきた物語がついにeBookになったぞ〜!   その制作裏話でございます。

約15年前、頭の中に突然飛び込んできた【ワニだけど、英国紳士のダイルクロコダイル氏】に私は夢中になってしまった。ダイルクロコダイル氏から私は沢山のインスピレーションを受け、作品にしている。
ステンシルプリントでテキスタイルの作品を作ったり、水彩画や油絵でもダイルが出てくる、デジタルでは1000枚以上は描いた。その他ペンダント、バッグ、クッション、ポーチ、ティーコゼなどのジュエリーや雑貨も、溢れるようにどんどん作った。

ホランドパークをお散歩するダイルクロコダイル氏 テキスタイルアート



「インスピレーションは沢山くれるんだけれど、ダイルクロコダイル氏って、ホントうるさいな〜と、思うことがあるんだ。でも仕方がない。私の頭の中に棲みついてしまったのだからね」そう、友人に言うと
「え?一体どう言うことで、うるさいな〜って感じるの?」
と、彼女は私に訊いた。
「たとえばね、『ワタシを題材に本に書いて世に出したらどうでしょう?』ってね、何度も何度も言ってくるの、私は作家じゃないし、物語は書けない、と言っても、諦めてくれないダイルクロコダイル氏なのよ…。でね、ついに根負けした私は、「ダイルクロコダイル氏から話を聞いて、それを書き留めるだけなら」って、返事してしまって…
そんなふうに始めた聞き取り作業だったの、でもね、それが人に話したくなるような面白い物語でね、お話がどんどん溜まっていったのよ!」
「へー、それで本ができたんだ!」

納得顔の友達が言うような単純な話ではなく、本の形になるのは
まだまだ遠いい先の話。


ゴージャス系 ダイルクロコダイルジュエリー

私は、書いているうちに、一つとても氣になることが出てきた。
この英国紳士のワニのおじさんは、一体どこから来て、いったい全体、
どこでどう育って、どうしてワニが英国紳士になったわけ???
その疑問がどんどん膨らんでいき、私はついに、
「そんなに氣になるのだったら、それも本にしてみたらどうですか?」
と、私の耳元で囁くダイルクロコダイル氏の提案に今回はすぐ乗り、
私はダイルクロコダイル氏の幼年期を、頭の中に埋蔵されている資料を探して、調べるようにして書くことにした。
まず、いつものように、目を瞑ってキーボードに向かう…と、
その物語は、流れるように見えてくるのだ。

というのはちょっとばかり大袈裟だけど、でも確かに、書き始めると、
赤ちゃんワニだったダイルクロコダイル氏が、はっきりと見えてきた。
私は見えるその状況を記録していった。

そして、ついに、ダイルクロコダイル氏の幼年期「ワニ少年」を書き上げたのが、2018年。でも、実は、『タイトルも然りだし、ちょっと安直に書きすぎたかな〜?』という思いが心の底に残っていた。


珊瑚礁のダイルクロコダイルジュエリー、私物Fortnum&Masonバッグと勝手にコラボレーション

あれから、数年が経ち、「やっぱり、あのままにしておいてはダメだ!」
そう思った私は、ダイルクロコダイル氏幼年期の改正版を作る決心をして2021年の暮れ、今度こそ良い本を残したいという氣持ちで、eBook編集の経験豊富な東京在住のMと、ファシリエイターのカナダ在住のユキちゃん、そしてコペンハーゲン在住の私、という地球上三か所に散らばる3人チームを組んで、ダイルクロコダイル氏幼年期改正版制作はスタートさせた。

約一年、激しい時差を乗り越え話し合いを重ね進めていったつもりだったのだけれど、どうやら最初からあった編集者Mとの小さなズレが少しづつ大きく育ち、改正版がほぼ完成する!といった時に、決定的なズレが生じ、山崩れが起きたように、ガラガラと作り上げたものが崩れて、出版直前で編集者が解任されることとなってしまった!

さて、どうしよう、となったカナダのユキちゃんと私は途方に暮れた。
その時彗星のごとく現れたのが、広島在住のカッちゃん。
ユキちゃんとの信頼関係はしっかりあるけれど、私は初対面、今度は大丈夫だろうか?と言う思いもあったけれど、ユキちゃんのオススメ編集者件デザイナーだから、と私も心を決めた。

「ヘンテコ共和国から参上いたしました、ダイルクロコダイルでございます」とふざけてるダイル

優しい口調で柔らかな雰囲気のカッコいいカッちゃんとの付き合いが始まるのだけれど、その優しい雰囲気の ”カモフラージュ” に隠れているカッちゃんの容赦ない恐ろしく厳しい提案によって、このあとくる私の書き直し苦行の連続1年間が待っているとは…、その時の私は予想だにしなかった。

to be continued…

       *     *     *

絵描きの【私】が心から欲しいと思ったもの、それは…





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