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復讐の泥沼 くわがきあゆ 後半ネタバレ感想

後半ネタバレしてます。

(あらすじ)
古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った日羽光は、
彼を見捨てた医療従事者らしき二人の男を探す。
なぜ彼らは颯一を助けようとしなかったのか、問いたださねば気が済まなかったのだ。
やがて光は男のひとりの身許を特定して接触を図るが、彼は突如として…

あらすじより面白かったです。

この人ってこういう人かと思ってたら、
実は違ってたのね~という事が続く。

単なる復讐ものではなかったです。

主人公と、探されてる男両方の視点で語られ、
それぞれがなかなかびっくりするような事情と性格を抱え、
周囲の人間のキャラも強烈で。
読み進めるうちに誰かの記憶が実は違っていたり、まじか?という事の連続でした!

(くわがきあゆ:このミス大賞「レモンと殺人鬼」の著者)

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ここからネタバレ↓



















一番わからなかったのは、主人公光の母親の気持ち。
肺を移植しなければ助からない。国内でそれはとても難しいから、
娘がとんでもない事をしてお金をかき集め、
海外移植の順番を勝ち取ってきた機会なのに、
海外で手術するのは「なんだか危なそう」「飛行機が嫌い」という
ふわっとした理由で、断る!

娘の苦労は知らなかったにしても、
自分の状況わかってないのか? 
(結局、国内で移植はできずに亡くなる。そりゃそうだ)

主人公光も、父親(母とは離婚済み)を脅し家庭をめちゃくちゃにして、
友人を殺し、大勢の友人に絶縁されてまで、渡航費用と移植順序を
勝ち取ったのに、
そんなふわっとした理由で断る母を
説得していない。

その後は絶縁された友人たちにドナー提供の意思表示をしてもらう事にまた奔走している。

崩壊事故の際一緒にいた元恋人はパワハラ男で、
首が胴体から離れていたけれど、
ドナー登録した直後だったので、
その場で医師が助けてくれたら移植できたかもしれない…という恨みでした!
(首が切れてたのは本人の記憶からは消えていた)

光と、探していた男が対峙するラストは、
ゴジラ対メカゴジラ的(笑)な戦い。
この後、光の何らかの犯罪が、いつはばれるんでは?案外ばれないか?
という読後感。

最後まで飽きずに読み進められました!



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