見出し画像

まるごとベーコンとかぶだけで、ごちそうポトフ。

この記事は有料設定されていますが、公開から2日間は無料で読めます。

ぐっと気温が低くなり、肌寒さを覚える今日この頃。今回ご紹介するのは、そんな季節にぴったりのポトフです。具材はベーコンとかぶの2種類、味付けは塩だけ。とろとろに煮えたかぶと、弾力あるベーコンの食べ応えを楽しんでみてください。
スープ作家の有賀薫さんによる、旬の野菜をたっぷり食べるベーシック・スープのレッスンです。

この記事は2017年のcakes連載の再掲です。

かたまりベーコンを使って、ポトフを簡単に本格的に。

具材はベーコンとかぶの2種類だけ。味付けは塩だけのシンプルだけどごちそうポトフです。

ベーコンのうまみと脂をたっぷりと吸いこみ、お皿の中に堂々と座ったまるごとのかぶが、このスープの主役です。コトコト煮込まれたかぶはやさしい味わいで、いくつでも食べられそう。

ちょっと奮発して塊のベーコンを手に入れましょう。薄切りではないから、煮込んでもしっとりおいしく食べられます。生の肉を使わずにとても手軽に作れるのも嬉しいところです。

ベーコンとかぶのポトフ

材料(2人分) 所要時間約30分

かぶ 1束(中4~5個)
ベーコン(ブロック) 150g
塩 適宜(ベーコンの塩気によるが約小さじ1/2ほど)
マスタード 適宜
水 約6~700mL

作り方

1 かぶを切る

かぶは、葉としっぽを切りおとし、皮をむく。葉は2株分ぐらい(約50g)を4〜5cmの長さに切っておく。★1
べーコンはブロックを半分に切る。

2 ベーコンとかぶを煮る

鍋にベーコンとかぶを重ならないように並べ、水6〜700mLをひたひたになるまで注ぐ。
塩ふたつまみほどを加えて中火にかけ、沸騰しかけたら火を弱め、クッキングシートやアルミホイルなどで落としぶたをする。★2

3 かぶの葉を煮る

15分ほどたった頃、かぶの葉を脇に加える。
さらに10分〜15分煮る。目安はかぶに串をさしてスッと通るぐらい。
最後にスープの味見をして、塩で調節する。
具を器に盛ってスープを張り、マスタードを添える。★3

レシピのポイント解説

・かぶの切り方
・かぶの煮方
・ベーコンと塩の量について

★1 かぶの切り方

かぶは、丸ごと使います。かぶは個体差の大きい野菜ですが、このレシピではよく見かける中ぐらいのサイズ、葉を落として大体100gぐらいのもので作っています。

まず、葉と尻尾を落とします。

ヘタの周囲は固いので、あまりギリギリではなく、余裕を持って切る

かぶの皮をむいたら、完了です。

2株分ぐらいをとっておいて、時間差で入れる

かぶがかなり大きい場合は(葉なしで130g以上あるような場合)、1/4ぐらいに切った方がいいでしょう。

その場合は煮崩れを防ぐため、皮付きのまま使います。切り口から味が染み込みます。

★2 かぶを煮る

かぶが重ならないように入る鍋を選んで、かぶとベーコンを入れます。ここに、ひたひたの水を加えます。鍋や野菜の大きさによりますが、6~700mLです。
水を入れるとかぶは浮いてしまいますが、もともとのかぶの高さ分ぐらいの水を入れる感覚です。

直径18センチの鍋
水量はかぶの頭がちょうど隠れるぐらいがベスト

かぶとベーコンがなるべくぴったりおさまるサイズの鍋が理想です。鍋が大きくてスカスカになる場合も、逆に鍋が小さくて重なってしまう場合も、水の分量にこだわらず、一番上のかぶが水をかぶるぐらいまで水を加えてください。

火にかけて沸騰したら、落しぶたをします。クッキングシート、またはアルミホイルを落としぶたがわりにします。

クッキングシートは、耐熱性がありオーブンやフライパンなど加熱料理に使える

落しぶたには、水分の蒸発を防ぐ、煮汁を全体にいきわたらせる、煮崩れを防ぐなどマルチな役割あります。リードキッチンペーパーなど、落としぶたの用途に使えるキッチンペーパーでも構いません。
もちろん通常の落としぶたでもよいのですが、かぶはやわらかくなると崩れやすくなるため、重量が軽いペーパーなどのほうが適しています。

ここから約2〜30分、弱火でコトコト煮込みます。かぶの大きさや個体差で煮え具合に差があります。落し蓋をはずして、竹串を使って確認しましょう。抵抗なくスッと串が通ればOKです。

竹串で煮え具合を確認

かぶの葉は途中で入れます。

★3 ベーコンと塩の量について

ベーコンはなるべく奮発するとよいでしょう。
というのも、ポトフは余分な味付けも、だしも使わないシンプルなスープです。だからこそ、ベーコンの味がスープの味を左右します。おいしいベーコンを使うとぐんとおいしくなります。

またブロック=塊のベーコンを使いましょう。
味出しを目的として長い時間煮込むため、スライスだとパサパサになってしまいます。
塊であれば煮込んだあとのベーコンも、多少脂は抜けるものの、肉として十分おいしく食べられます。一人70〜80グラムぐらい。量を食べるので、なるべく添加物の少ない良質なものを選びたいところです。

ベーコンの塩気には差があります。煮るときは控えめに塩を入れておいて、あとから足りない分を補うようにしたほうがいいでしょう。
平均的なベーコンなら、全部で小さじ1/2も塩を入れれば十分に味がつきます。添えもののマスタードにも、案外塩分が含まれています。

寒い季節に、ほっとなごむ家ポトフ。

「火にかかった鍋」という意味を持つポトフは、寒い日に作って食べたい、家庭スープの代表格です。

とろとろに煮えたかぶと弾力あるベーコンの食べ応えにコントラストがあり、覚えるとこれからの季節に楽しみが広がる、満足感の高い一皿。たっぷりのマスタードを添えて、味わいのある白ワインやもうすぐ解禁になるボジョレーをおともに、どうぞ秋の夜を楽しんでください。

【アレンジ】野菜や肉をふやしてごちそうに

じゃがいも、たまねぎ、にんじん、キャベツ…根菜や、煮崩れにくい葉物など、秋から冬にかけてはポトフに向く野菜の季節です。まずは単品野菜で簡単に。慣れたら、野菜を2種3種と増やすと楽しくなります。また、肉を増やすと、ごちそう感がぐっと高まります。パーティなどで大鍋で出しても盛り上がりますよ。

野菜たっぷりポトフ

基本のレシピに、櫛切りにしたキャベツとにんじんを加えると、いわゆるポトフと聞いて思い浮かべるようなポトフになります。キャベツとかぶは同じぐらいの時間煮れば大丈夫ですが、にんじんは大きく切ると煮えにくいので2~3センチ角ぐらいにして、他の野菜と煮え具合を合わせましょう。

お肉たっぷりポトフ

基本のポトフに、ソーセージを加えて、食べ応えのある一皿に。ソーセージは加熱しすぎると破裂してしまいます。かぶが煮えてから鍋に入れ、弱火で2~3分あたためるぐらいで十分です。(生ソーセージの場合はもう少し加熱が必要です)

+++

食欲の秋をさらにたのしむ、【スープ・レッスン season2 秋】もぜひご覧ください。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 300
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。