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斬新!昭和6年のトマトスープうどん~週末のスープごはん

本日ご紹介するのは、昭和のメニュー。主婦向け雑誌『婦女界』の昭和6年新年号の付録「家庭惣菜料理十二ヶ月」に掲載されていた、“トマトうどん”という料理の再現です。これ、とにかく、スープがすごいんです。

まずは、作り方からどうぞ。

材料(一人ぶん)
トマト 中2個(約200g)
牛ひき肉 50g
うどん(ゆでたもの) 1玉
塩、胡椒、鶏ガラスープの素

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「生トマトをうらごし」と書いてあります。どうやってやるかまでは記載がないので、そんなものは昭和8年の家庭にはないだろうとは思いつつミキサーにかけ、目の細かいざるでこしてみました。トマトは生のままザク切りして水を100ccほど加えています。

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美しくも不思議な汁が。ちょっぴり不安になってきました(笑)

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うらごしトマトを火にかけます。レシピでは、ここに細かくした鶏の骨を入れてスープをとることになっていますが、今日は顆粒の鶏ガラスープを水200ccと一緒に加えます。

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あたたまったらひき肉を加えてさらに強火で煮ていきます。

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煮立てるとどんどん赤いアクが出てくるので、ていねいにすくいとりました。すると赤いけれどクリアなスープに。うどん玉も入れて煮込み、塩と胡椒で味を調えたらできあがりです。

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食べてみると、これまで体験したことのない美味しいスープ!生のトマトをうらごしたものに肉を入れてスープをとる、というのはかなりぶっとんだアイデアだと思います。トマト臭さや酸味もないすっきりとした味わいで、イタリアン的なトマトの味でも中華風でもない。
こんなレシピが昭和初期にあったなんて楽しいですよね。もちろん、ごはんにかけてスープごはんにしても良さそうです。

さて、「家庭惣菜料理十二ヶ月」。付録といえど、一年12ヶ月の朝昼晩すべての献立プランが掲載されていて、レシピもすごいボリュームです。和食だけではなく中華や洋食なども取り入れらえていて、当時のハイクラスのおうちでも、こんなごはんは食べていなかったのではないでしょうか。一種の妄想メニューというか。

最後に。当時のメニューに掲載されていて、使わなかったものが1点ありました。それは味の素。トマトをうらごして鶏ガラまで使って真剣にだしをとっているのに、最後に味の素を入れてしまうなんて時代だなーと思います。

今日はちょっと手のかかるメニューでしたが、こんなひと皿、週末のごはんにいかがでしょう。

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読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。