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万能の常備菜で、食べごたえある秋のスープを。
少しずつ肌寒くなってまいりました。今回は秋の味覚である食材「きのこ」をふんだんに使ったスープのレシピを紹介します。食物繊維たっぷりでヘルシーな上に香り高くておいしいきのこで、ぜひ秋を感じてみてください。
スープ作家の有賀薫さんによる、旬の野菜をたっぷり食べるベーシック・スープのレッスンです。
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冷凍保存もできて使いまわせる万能のスープベース「当座煮」
ふだん、作り置きというものをあまりしない私ですが、きのこだけはまとめ買いすることがあります。というのも、このスープのベースとなる、“きのこの当座煮”がとんでもなく便利だからです。
“当座煮”とは、濃い目の味付けの煮物のこと。スープはもちろん、サラダやパスタに混ぜても、ハンバーグや湯豆腐にのせても、そのままごはんのお友にも。
冷蔵庫に入れて3~4日は平気で持ちますが、何より冷凍保存が効くのが良いところ。休みの日に作っておけば、平日の夜遅くに帰宅しても、歯ざわりよくうまみたっぷりの、おいしいきのこスープに癒されます。
当座煮は多めに作り、半量をスープに使いましょう。こちらがレシピです。
4種のきのこ汁
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材料(2人分)
きのこ 4種類とりあわせて 400g
サラダオイル 大さじ2
めんつゆ(3倍濃縮) 70mL
薄切り豚肉 50g
しょうが 1片
片栗粉 小さじ1
水 4~500mL
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1.下ごしらえ
きのこは汚れを軽くふきとって石づきを切り落とし、食べやすい大きさに手で割く★。(しいたけは1㎝ほどの厚さに切る)めんつゆは倍量の水(分量外)でうすめておく。
2.きのこを煮る(当座煮をつくる)
フライパンにサラダオイルを入れ、強火にかけて熱する。きのこを広げるように入れ、動かさないようにして焼く★。
焦げ目がついたら返してさらに焼き、いい香りが立ってきたらめんつゆを加えて水分がほとんどなくなるまで煮つめる(きのこの当座煮)。
3.水と肉を加えて煮る
鍋に2の当座煮の1/2量、水4~500mL、2cmに切った豚肉、しょうがを入れて、火にかける。
沸騰したら肉のアクをお玉でとり除き、火が通ったら味をみて、めんつゆで調節する。
片栗粉小さじ1を同量の水で溶いたもので、とろみをつけて仕上げる。
ステップ2の当座煮まで作っておけば、スープは材料を入れて煮立てるだけ。いつでも作れます。今回は豚肉を使いましたが鶏肉や牛肉でも構いません。ポイントは、こちらの3つです。
・きのこの選びかた
・きのこの下ごしらえ
・火の入れかた
★ポイント1.きのこの選びかた
きのこは気温と湿度との関係で春と秋に旬があり、栽培きのこでも旬の時期は美味しくなります。
お好きなきのこを4つ選んでください。しめじ、しいたけ、まいたけ、エリンギ、ひらたけ、えのきだけ、このあたりが作りやすいかと思います。
えのきだけ程度のぬめりなら、食感に変化がついてよいのですが、なめこのように、あまりぬめりの強すぎるきのこは焦げやすいので、避けた方がいいでしょう。
4種類より少ないとダメですか?という声が聞こえてきそうですが……うまみ成分は重ねることで相乗効果が得られるため、さまざまなきのこを取り合わせると、味や香りにぐんと深みが出るのです。作り置きして保存ができるので、ぜひ4種類で試してみてください。
★ポイント2.きのこの下ごしらえ
きのこの下ごしらえは、「洗わない」「手で割く」が基本です。
香りも大事にしたいきのこは、洗わずにキッチンペーパーで汚れをふきとります。出回っているきのこはほとんどが栽培種ですのでそんなに汚れていませんが、土やおがくずがどうしても気になるときは、さっと洗って水気をふきとり、すぐ使います。
包丁の金気で風味が落ちるため、繊維に沿って、手で食べやすい大きさに割きます。ただし、椎茸やエリンギなど、大きすぎる場合は適宜包丁を使ってください。
きのこの「いしづき」は原木や土についていた部分。固く食感が悪いので、ここも包丁で落とします。
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★ポイント3.きのこの火の入れかた
鍋ではなく、底面積の広いフライパンで、「動かさず」「強火で」火を入れるのが、最大のポイントです。弱火でじわじわ火を入れたり、絶えずかきまぜたりすると、きのこから水とともにうまみが逃げてしまいます。
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油をよく熱したらきのこを均等に入れ、強火で加熱。思わず混ぜたくなりますが、我慢しましょう。フライパンの空いたところに重なったきのこを箸でそっと移す程度にして、火を入れていきます。
きのこの片面に焼き色がこのようについたら、フライ返しなどできのこを返して、再び焼きます。今回は焦げ目をつけてうまみを出すことが目的ではなく、目安ですので、均等に焦げ目がついていなくても大丈夫です。
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目安は、香りです。きのこのいい香りが漂ってきたら、水で割っためんつゆを加えてざっくりと混ぜ、煮詰めます。
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表面積の広いフライパンだと、このぐらいの水分量はみるみる煮詰まります。きのこがくたっとして水分がほとんどなくなるまで煮て、火を止めます。
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あとは、スープベースに水と肉を入れて煮れば、美味しいスープが簡単にできます!
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当座煮それ自体は、ありふれたお惣菜ですが、コツをおさえて丁寧に作ればおいしさ倍増。
最近は、しっかり温度・湿度管理された工場で通年同じ味に育てられたきのこも多く出回っていますが、きのこの深い味わいは、肌寒くなって秋が深まる頃、ことさらおいしく感じられる気がします。
きのこの香りが鼻の奥をくすぐる秋のスープを、どうぞお楽しみください。
きのこ汁は味付けでアレンジ
最初にお話ししたように、きのこの当座煮はとても汎用性が高いもの。
今回のレシピはめんつゆを使った醤油風味でしたが、オイルや味付けを変えれば、また違った味わいになり、別の料理に発展させられます。
中華風の豆腐ときのこのスープ
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サラダオイルをごま油にかえ、にんにくやしょうがなどを入れるとパンチが効いた味になります。豆腐と一緒に赤唐辛子を入れてピリッとアクセントに。
きのことレタスのスープ
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オリーブオイルと塩で作った洋風当座煮を刻んで使います。洋風のきのこベースは、パスタやオムレツの具にぴったりです。
秋のスープがたっぷり詰まった【スープ・レッスン season2 秋】ができました!1回の購入で、これから入る18レシピがすべてお読みいただけます。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。