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添削屋「ミサキさん」の考察|6|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑥

|5|からつづく

例文をいくつか出したいのですが、その前に、あんちょことといいますか、ひらがなにした方がいい漢字の一覧を引用しておきますね。

ひらがなにしたほうがいい漢字

◉もとの語句の意味が薄れた言葉(形式名詞や接尾語、あいさつ)
事→こと
物→もの
時→とき
所→ところ
位→くらい
頂く・戴く→いただく
下さい→ください
居る→いる
そういう風に→そういうふうに
お早う→おはよう
有り難う→ありがとう
ご免なさい→ごめんなさい
詰まらない→つまらない
易い→やすい
沢山→たくさん
宜しく→よろしく
為→ため
◉指示語や人称名刺
此れ→これ
其れ→それ
此処→ここ
其処→そこ
何処→どこ
貴方→あなた
何方→どなた
或る→ある
此の→
其の→その
我が→わが
◉言葉や文をつなぐ言葉(接続語や副詞)
及び→および
然し→しかし
即ち→すなわち
何故→なぜ
是非→ぜひ
段々→だんだん
或いは→あるいは
予め→あらかじめ
後で→あとで
流石→さすが
更に→さらに
故に→ゆえに
因みに→ちなみに
並びに→ならびに
却って→かえって
直に→じかに
◉別の言葉の前や後ろにつく言葉
凡そ→おおよそ
等→など
筈→はず
殆ど→ほとんど
僅か→わずか
概ね→おおむね
余り→あまり
人達→人たち
一寸→ちょっと
但し→ただし
敢えて→あえて
丁度→ちょうど
所謂→いわゆる
迄→まで
◉そのほか
出来る→できる
可笑しい→おかしい
可愛い→かわいい
由々しい→ゆゆしい
有る→ある
無い→ない

「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」47ページ

上は必ず守らなければならないというわけではありませんが、印刷物(新聞・雑誌・書籍など)ではおおむねこうなっています。

でも、書き写していて思ったんですが、これが徹底されると漢字の意味を忘れてしまいそうですね。それが少し不安。漢字の意味から熟語の意味を推測するとか、そういうことが廃れそうな気がしないでもないですが。
また、個人的感覚ですが、「概ね」とか「由々しい」は漢字の方がしっくりきます。
漢文の授業も好きだった私からするとジレンマも感じるところ。

さて、それはさておき、大手出版社や新聞社はだいたい独自の表記ルールを定めていて、公表もしています。

特に新聞社のそれが広く普及していて、共同通信社の『記者ハンドブック』が評判が良いです。

私も手元において参照しています。

共同通信社『記者ハンドブック』
『朝日新聞の用語の手引き』
『記者ハンドブック』目次より

現代小説の作家は、個人差はありますがやはり上のような例はひらがな表記している人が多いと思います。

でも、「或る」とか「我が」はタイトルになっていたりします。

松本清張の芥川賞受賞作『或る「小倉日記」伝』とか。近代文学では芥川龍之介の「或阿呆の一生」とか。これはひらがなにすると間が抜けてしまいますね。

ともあれ、ワープロ(機能)の普及で難しい漢字がすぐに書けてしまうのですが、読みやすさや文章のリズムを考慮する必要はあります。

ちなみに、有料(100円)ですが、私なりに勉強して書いた記事がありますので、よろしければぜひ!


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