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興味深いnoteの記事

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2022年5月の記事一覧

「遮光」中村文則 / 読書メモ

サクッと。 GWは中村文則ですね。笑。 筆者の文庫本に変えて、のくだりにて。 デビュー作の『銃』とこの二作目の『遮光』は、なんというかぼくのやわらかい部分に属する。 僕はこう解釈しました。 上記の「やわらかな」を「生々しい」と変えてみる。 つまり中村文則の処女作『銃』と二作目『遮光』は、小説家中村文則の内側に、悪魔のように根付いてしまった生々しい生得的な部分に属する。 僕の中から、原石の固まりのようなものが、そのまんま出たような小説かもしれない。「何かを持ち歩く」

わたしの愛するペンたち #3000字に込めた偏愛

ある日森の中クマさんに、ではなくて、ある日noteの街をフラフラしていたら椎名トキさんが企画をされていました。 うわ~~これは書かねばなるまい! 1~2度、お話ししたことがある(ような気がする)トキさん、なんてステキな企画を考えるんだ! 偏愛BARにお邪魔したことはないけれど偏愛してるモノはあるんだよ。書かせて下さい。どうぞよろしくお願いします。 というわけで、前々から書きたかった推し文具について書こうと思います。 森野は文房具が好きだ そうなんです文具が好きです。文

【アーカイブ公開中】歴史エンターテインメントの名手・木下昌輝さんに学ぶ「小説がレベルアップするリサーチ・テーマ・構成」#物語のつくりかた

どうしたら人を魅了する物語を描けるのか? プロフェッショナルに「#物語のつくりかた」を学ぶイベントシリーズの今回のゲストは、歴史小説家の木下昌輝さん。歴史的事実を徹底的に調べるリサーチの方法と、調べた事実をエンターテインメント作品に仕立てるテーマの磨きかたや構成術を中心にお話しいただきます。 配信はこちらからご覧いただけます 2014年に刊行した『宇喜多の捨て嫁』がデビュー作にして直木賞候補作となり、文学賞4冠に輝いた木下さんは、その後も毎年のように話題作を連発し、直木賞

読書感想文~炎立つ

下手すれば四半世紀前になる作品でしょうか(苦笑)。 大河ドラマ「炎立つ(1993~1994)」の原作です。 高橋克彦氏によって描かれた、前九年の役前後から鎌倉時代にかけての奥州藤原氏の興亡を描いた作品です。 5巻までありかなりのボリュームですが、めちゃくちゃ面白い! 物語は、多賀城国府に仕えていた藤原経清の物語から幕を開けます。 平安初期の頃ですね。 経清~北の埋み火、燃える北天、空への炎藤原経清は、亘理郡を差配していた大夫。祖先をたどれば中央政権の藤原氏に連なる系譜です

やらぬ善よりやる偽善

ありがたいことに、noteを始めてから何度か公式マガジンで取り上げていただいたり、他のクリエイターの方にnoteやTwitterでシェアして頂く機会があります。 シェアしたくなる想い 私自身も、他のクリエイターの方の作品をシェアすることがありますが、やはり、「シェアしたい」と思うのは、次のような場合です。 自分自身がその人の作品が好き(もしくはファン)である 有益な情報を多くの人に知ってもらいたい 全く関わりがなくとも、シェアする価値を感じた場合 ところが、厄介な