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子どもひとりひとりを見つめる保育

連日のようにニュースになっている保育士の虐待。
芋ずる式で様々な保育園でのケースが上がってくるごとに心が痛み、憤りを感じてます。
今年は今回の事件に加え、幼稚園バスに園児置き去りなど、保育業界の事故や事件が多かったように感じています。
企業主導型保育園の施設長は、毎年施設長研修というのが必須であり、その中の研修動画でも「子どもの人権」という内容が取り上げられています。施設長の研修でも基本的な部分を毎年学習することの大切さを感じていましたが、今回のようなニュースを見ていると、研修で毎年学ぶことに加えて根本的な解決をしないと子どもの人権が守れないのではないかと感じています。

配置基準

以前見た4コマ漫画でこのような投稿がありました。

保育士の配置基準という言葉を今回の事件の後に聞いた方もいるかもしれません
記事にもあったように、国が定める保育士の配置基準は以下の通りです。
0歳児3人に保育士1人
1・2歳児6人に保育士1人
3歳児20人に保育士1人
4・5歳児30人に保育士1人

私自身、保育士として配置基準通りの園でも働いていたことがあり、0歳児6人を2人で見ていたのですが、一瞬も目が離せない子ども達を見ているので、自分の昼食は何を食べたかわからない速度で食べ、トイレに行きたくても大人1人の目線や手がなくなってしまうのでその間もなく、勤務中トイレに行けた時間が15時や16時だったことが良くありました。そんな状況は私だけではなく周りの人も同様で膀胱炎に加え腰痛、ヘルニア、腱鞘炎が職業病とも言われていました。

配置基準のことは今回の事件とは関係のないように感じる方もいるかもしれませんが、今の国の配置基準では、保育士の心の余裕も子どもじっくり向き合う時間の余裕もありません。
大人の余裕が無いと保育の質が良く保たれることが難しいと感じるのです。
しかし、今のような現状だからと言って子どもたちを傷つけるようなことや、そのような保育をしていいことには決してならないと思っています。

保育園ごとの努力



https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20221004a.html

わたしたちKIDS SMILE LABOは国の定める配置基準よりも多い保育士の配置です。
子どもたち一人ひとりに寄り添い心をみつめる保育をする為には、大人の目と心が向けられる環境を整えないと叶わないと感じているからです。

しかし、この記事にもあるように保育園には配置基準に応じた金額の補助金しか出ません。
子どもたちの要求や想いに応えたい園は、その園のさまざまな努力が必要になってきます。
子どもたちの人権と未来を守るために、70年間も変わっていない保育士の配置基準に目を向け、変わることを切に願っています。

最後に

保育という仕事は、子どもたちの大切な時期を見させてもらえる素晴らしい仕事です。

今回の事件であったような保育が芋蔓式に報告される保育現場ではなく、もっともっと保育という仕事の価値が上がるよう、わたしたち現場の保育士は努力し続けていかなければならないと思います。






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