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宮沢賢治から学ぶ「心象スケッチ」

雨にも負けず 風にも負けず 
雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち
欲はなく 決して瞋らずいか 
いつも静かに笑っている
一日に玄米4合と 味噌と少しの野菜を食べ 
あらゆることを 自分を勘定に入れずに
よく見 聞きし 分かり そして忘れず 野原の松の 
林の蔭の 小さな茅葺きの小屋にいて
東に病気の子供あれば 行って看病してやり 
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないから止めろと言い
日照りのときは涙を流し 寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにデクノボーと呼ばれ 
ほめられもせず 苦にもされず 
そういうものに 私はなりたい 

これはあまりにも有名な、宮沢賢治37歳で亡くなる2年前に
メモしていた詩です。

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1896年岩手県に生まれ、科学者・農業指導者・童話作家・音楽家・宗教家・教師・詩人と多様な才能を持った人で、彼の死後数多くの作品が発表されています。

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賢治の物語は、人と動物や植物、風や雲や光、星や太陽といった森羅万象が語り合ったり、交感しあったりする。
散策しながら、鉱物や植物について細かく観察し、気象の変化を感じとるだけでなく、それらに促されて自分の心の中から湧いてくるさまざまな感情や想念とその交錯を観察し記録するという方法をつくりだしていった。
こうした方法を賢治は心象スケッチと呼んだ。
このように森羅万象の関わりあいの中から生まれた宮沢賢治の多くの物語は、100年以上もたった現在にいたっても色あせること無く読み継がれているのだと思います。

私達も、いつもと違う時間や空間に身を置いてみると、いつも見えていなかった自然のあり方や素晴らしさに、安らぎや感動を覚えるのではないでしょうか? 

私は常々「自然の中に全てがある」と感じています。
絵を描こうとする事は、人とは変わったものや何もないものから作り出すということではなく、あるがままの姿から得た感動を自らの中に高めて描くことだと思っています。 
そこに、それに、何を観、何を感じたのか。
宮沢賢治の生き方を知って、そこに制作していく原点があり何かヒントを得られるかもしれませんね。

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