賑やかなちょうちんの向こう側には・・
レンガ造りの壁にモルタルが塗られています。
その壁も年月が経ちモルタルは剥落しています。
両手を広げれば左右の壁に指先が届く程の狭い路地です。
小さな飲食店が軒を並べる台湾の街の様子は
日本のどこかの裏通りに似ています。
作者は鉄道ファンで、台湾へは数度足を運び
列車の旅を楽しんでいます。
その旅の途中、降りた駅で路地に迷い込み
出会った風景に感動し、スマホのシャッターを押したのでしょう。
煤けた壁にひび割れだらけの歩道
それに無造作にぶら下げられた色とりどりのちょうちん
頭上に取り付けられたクーラーの室外機のたよりなさ
どれを取っても綺麗とは言えない街ですが
地元で働く人達は一日の疲れを癒しに
この路地にやって来るのでしょう。
ギギッときしむ音の入口のドアを開くと
少し化粧の厚い女性店員が、出迎えてくれそうです。
作者がその扉の向こうへ足を踏み入れたかは定かではありませんが
少し怪しげなこの街は、人の気持ちを誘います。
作者はこの街の古ぶるしい雰囲気を描くのに
壁の下地にグラスビーズやライトモデリングペーストを塗り
足元の路面にはシェルマチエールなどを使って
壁の厚みとザラザラした質感を創り出しています。
賑やかなちょうちんの向こう側には、又別の路地が見えます。
異国の空気に触れ 違った人種や民族と話が出来る事は
その人の心を広く大きな物にしてくれるのではないでしょうか。
当方もいつの日か
片雲の風に誘われて旅に出たいと思っています。
絵画講師 若林薫 評
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