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ほんとうの気持ち

人には承認欲求があると前回お話ししました。

不幸にもまだ幼い頃、
すべてを一転の曇りなく受け入れられてこなかった人は、
学校や社会に出ても、受け入れてもらうためには条件があり、
その自分が作り上げた条件を達成するために、
自分自身を虐待犠牲にしていくのです。

特に「和」を大切にする日本という国では、とかく自分の意見や主張よりも全体の意見を優先する傾向があります。
自分は本当はこうしたいけど、本当はこれを選びたいけど、
本当はこう思っているけど、本当はこれが好きなのに、本当は、本当は...

自分がどんなに損をしたり、大変だったり、嫌でも、
自分を受け入れてもらうためには甘んじて自分を無視するのです。
これは自己虐待です。
そうしたことをし続けることで、傷つき、つらい思いをするのは
まさに自分自身なのです。
ますます自分を望む方向とは逆へと追いやるだけだからです。

人生の長い時間、こうして自分自身を無視し、相手や家族、
グループに合わせ、従っていくことを繰り返していると、
いつの間にか、今、自分は本当は何がしたいのか?
何がいいのかがわからなくなってしまいます。
自分の本当の気持ちを隠し続け、放り投げていると、
自分のほんとうの気持ちを忘れてしまうのです。
その結果、自分が今、感じている感情もわからなくなります。

人生は決まっていつも「今」です。幸せを感じるのは「今」なのです。
それがわからないということは、幸せになりたくてもなれないということです。

自分を受け入れられるのも、自分を拒否出来るのも自分だけです。
他人にその力は一切ないのです。
どんな他人の言葉も、あなたの意志を変えることは出来ないからです。

これは自分に力を取り戻すための「はじめの一歩」です。
まずは小さなことから、例えば今日食べるランチ、観たいテレビ番組、
眠りにつく時間、帰りに寄ってみたいお店など、自分が今したいことを
感じてみることから始めてみてはいかがでしょうか?
ダイエットをしてるからとか、いつもこの時間はこうしてるからとか、
いつもこの道を通ってるからとかではなく、今の自分の気持ちを感じることをしてみるのです。

自分の気持ちに正直になるという体験は、
普通の人にとっては当たり前のことでありながら、自分を受け入れることの
難しい人にとっては、とてもすがすがしい、とてもうれしいことに感じるはずです。

自分ファーストでいいのです。
この世界では、自分勝手しかないのです。
なぜなら、他人を優先することを決めたのも自分、
一見、相手を優先しているように見えたとしても、
そうしようと決めたのは自分自身。
結局やっていることすべては自分ファーストなのですから。


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