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教員の研修は効果的!?

第九条 
法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、
絶えず研究修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。

教育基本法

教員にはこのように崇高な使命をおびて、
研修(研究と修養)を行う義務があります。

子どもたちのことを考えると
教員がその技量を向上させるために努力するのは当然のことで、
私も現役のとき、自ら課題をもって日々、切磋琢磨しておりました。

ただ、個人的に考えて進める研修は充実していましたが、
学校や市、都道府県、文科省単位で計画される全体の研修は、
どうもにも相性が悪く、有益に感じたことはあまりありませんでした。

やはり勝手にテーマや講師を選定されるので、
自分の学びたいことと一致していないことが原因だと思います。

教員には評判の悪い(?)免許更新制度による研修の方が
自分で講義内容を選べるため、スキルアップすることができ、
研修の効果は高かったように思います(出費は痛いですが…)。

通常の研修も
幅の広い選択制にしてもらえれば効果が出るかもしれませんが、
予算の関係上、難しいでしょう。

このように、私個人としては全体による教員研修に
あまり効果が期待できないと考えていますが、
あくまで私の主観によるものなので客観データを1つ示したいと思います。

このように、研修を行っていても正答率にほとんど差がないことから、
私の主観だけでなく、客観的に見ても研修による効果は薄いようです。

教員の姿勢、講師の質、研修の方向性などその原因はわかりませんが、
このデータ結果による事実を認め、
現行の研修に対する運営方法を改善しなければ、

「効果がない」
「効果があったとしても費用対効果が低い」

という状態が続いていくことになるでしょう。

また、慶応義塾大学 中室牧子氏の著書「学力の経済学」にも

教員研修が教員の質に与える因果効果はないという結論が優勢です

と書いてあります。

研修してもしなくてもあまり差がないのであれば、
教員の旅費、講師料など税金の無駄遣いになってしまうので、
思い切って全体研修を実施しないという手もありますが、
現実的ではありません。

私自身、研修必要だと思っていますし、
多くの教員の方は、真面目な方が多いので
効果が期待できる研修になることを願うばかりです。

余談

数年前、ある数学教育研究大会で中室牧子氏が講演することがわかり、
「学力の経済学」に感銘を受けていた私は
学校行事の前日であったにもかかわらず、
ぜひ参加したいと校長に願い出て、拝聴する僥倖を得ました。
※普段、全体研修に積極的でない私があまりにも熱意を込めて申請するので
 思わず許可を出したそうです。

当時、著書「学力の経済学」が大ブレイクしており、
テレビなどのメディアにかなり露出していたので
参加希望者が殺到するのではないかと思い、
せっかくの機会だから早めに会場へ向かって
一番前の席を確保したいと思いました。

勢い込んで会場に向かったのはいいんですが、
あまりにも早く着きすぎたため、まだ開場しておらず、
続々と準備に集まってきている教員の方々と同じように
建物の前で待っていました。

すると

「先生は受付の担当ですか?」

「○○中学校の△△先生ですか?(似ていたのだろうか…)」

「すいません。この荷物を運んでもらえますか?」

など、私のことを準備に来ている教員と間違えて
何度も声をかけられました。

そのたびに

「いえ、違います。参加者なんですが、早く着きすぎてしまって…」

と返答して苦笑いされるという恥ずかしい思いをしながら
受付時間を待ちました(確かに紛らわしいと思います)。

ようやく開場し、受付を手早く済ませ、走って会場に入り
一番前の席に座ろうと思ったら、前2列が役員席となっており、
仕方なく、3列目のど真ん中に陣取りました。

まずまず良い席を確保できたことにホッとし、
期待を膨らませながら「学力の経済学」を読み返していました。

そして待ちに待った講演開始の時間になり、
周囲を見渡すと私の両隣は誰もおらず(後ろの列も役員席も空席が…)、
早起きせずとも十分確保できた席でした。

(こんなに著名な講師が講演に来ることはめったにないから、 
 満席になる前に行かねば!)

と鼻息荒くしていたのは私だけだったようです。

しかし、講話内容は評判に違わず、すばらしい内容で、
学生時代よりも真剣にメモをとり、
教育に対する考え方をアップデートすることができました。

会場設営の教員の方々の迷惑にならないように
節度をもって来場しなければならないという教訓も
合わせて研修することができました。


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