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アドバイスに使ってみたい漫画の名言⑫ ~『HUNTER×HUNTER』~

女子ソフトテニス部の顧問だった私は、
漫画『HUNTER×HUNTER』グリードアイランド編に
掲載されていた

思考の瞬発力

というワードをよくアドバイスに活用させてもらいました。

様々なタイプの敵と戦わなければならない念での戦闘…
そこで最も大切な戦闘技術とは“思考の瞬発力”!!
いかに対処するか」をすばやく幾通りも考え取捨選択し、
適切な対処法を実行に移すまでの刹那!!
まずは考えることに慣れ、それを限りなく反射へと近づける訓練!!

HUNTER×HUNTER

フィジカル面や技術面では、
どうしても個人の能力で差が出てしまいますが、
戦うことにおいて最も大切なことが思考の瞬発力であると考えれば、
どんな選手もまだまだ成長できる可能性があり、
考え方次第によって、
フィジカル面や技術面の差をカバーできるかもしれないという
希望をもつことができます。

実力に差があったとしても
相手の得意なプレーを瞬時に察知し、
それに対処する手段をいくつか思い浮かべ、
自分の力量と相談し、
それを封じるプレーを選択することができれば、
試合内容は変わってくるはずです。

正に私が選手に身につけてほしいと考えていた力で、
的確に、かつ、簡潔に言語化されており、それを

思考の瞬発力

というたった6文字に凝縮する富樫先生のワードセンスに
感嘆させられました。

中学校で行われるソフトテニスの試合は、
1ゲーム4ポイント先取の7ゲームマッチで行われるので、
最速、4ポイント×4ゲームの16ポイント、
たった16回のプレーで勝敗が決定する短期決戦のスポーツです。

力が拮抗している場合は、それなりの試合時間になりますが、
実力差がはっきりしてくると、
ものの数分で敗退してしまう場合があるのが現実です。

短期決戦になりうるソフトテニスだからこそ、
この思考の瞬発力がより必要であると感じました。

もし思考の瞬発力が身についていれば、
実力差があったとしても
その瞬間、瞬間に

勝利を目指すための手段を考え続ける限り

万が一が起こる可能性が生まれるはずです。

強打が得意な相手に何の考えもなくただ返球するだけでは、
好きなように強打されて終了してしまうだけですが、
「いかに対処するか」という考え方が身につき、

・強打しにくいボールを打つ
 (深いボール、バウンドが小さいボール、回転をかけたボールなど)
・少しでも相手を移動させて、打点の位置がずれるようなボールを打つ
・ネットやバックアウトなどのミスが誘発するようなボールを打つ
・エネルギーの小さい緩めのボールを打つ
・スローペースな試合展開を意識する

など試合の中で、瞬時に考え1球1球工夫することができれば、
負けたとしても全力を出し切ることができます。

そんな選手に育ってほしいと願い、
私は思考の瞬発力というワードをアドバイスに多用しました。

ある時、ふと、この思考の瞬発力を選手に身につけさせると同時に、
逆に対戦相手の

思考を鈍化させる

ことができれば試合を優位に進められるのではないかと
考えるようになりました。

つまり、受け身的な対処だけではなく、
積極的な対処をするという考え方です。

そこで私はもう一度ソフトテニスのセオリーを見直し、
逆にそのセオリーを無視すれば相手が動揺するのではないかと考え、
生徒たちにも自由に発想したことを
どんどん試合で試すように指示しました。

例えば、
セカンドサーブは決められたエリアに入らなければ
無条件で相手にポイントが入るため、
確率を重視するのが一般的です。

だから、
セカンドサーブはレシーブ側の攻撃であると意識している選手が多いため、そこにつけ入る隙があると考えました。

そこで

・ファーストサーブと同じような攻撃的なサーブを打つ
・ボールに強めの回転をかけたサーブを打つ

などリスキーかつ攻撃的なセカンドサーブを
工夫して打つように指示しました。

そうすると、特に初対戦の相手は、
セカンドサーブを
レシーブしやすいボールがくると思い込んでいるため、
攻撃的なセカンドサーブが入ると対応しきれず、
動揺して、しばらく思考が鈍化するため、
その間に数ポイント獲得することができるようになりました。

もちろん、成功させるためにはそれなりの努力が必要で、
ただの思いつきで実施してもミスするだけなのは言うまでもありません。
瞬発的に思考したことを実行するためには、
その技術を身につける必要があるため、
練習に対する目的意識が高まり、真剣さを増しました。

このように考え方が変わるだけで、勝率はグッと上昇し、
最終的には
小学校からバリバリに活躍している全国区の選手にも
善戦できるようになり、
選手たちと成長の喜びを共有することができました。

この思考の瞬発力というワードと考え方によって、
私は指導者として進化できたように思います。

次に
文章を書く瞬発力はどのように身につければいいか、知りたいところです。


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